本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784409150290
作品紹介・あらすじ
1985年の春、その人は息子を失った。そして絶望の果てに、夢と記憶のあわいから、この「連作」を紡ぎはじめた。彼女は何を信じ、何に抗いつづけているのか。いまこそ聞き届けられるべき、不滅の物語。
感想・レビュー・書評
-
息子の死と兄の死が変奏して語られる。死の受容のどの段階にも属していないような存在のありよう。
あまりの痛切さにこれが子を失った母の悲しみかと思い始めたところで「子どもを失った母親を悲しみ、嘆きの代名詞として思いやる人が多い。ほとんど誰もが、母親が子を失うほど悲しいことはない、と思っている。新聞を見ても、そうした立場に押しやられた母親を、悲しみにうちひしがれたとか、堪えがたい悲しみに泣き伏してとか、泣きすがってなどと、臆面もない決まり文句で書き連ねている。」(悲しみについて)とあり、ガツンとやられる。
収録作品:「夢の記録」『文學界』1986年10月
「泣き声」『新潮』1987年1月
「ジャッカ・ドフニー夏の家」『群像』1987年5月
「春夜」『新潮』1987年8月
「夢の体」『文學界』1987年9月
「悲しみについて」『群像』1987年11月
「真昼へ」『新潮』1988年1月詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示