著作権は文化を発展させるのか: 人権と文化コモンズ

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  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409241394

作品紹介・あらすじ

著作権のパラダイム転換へ

複雑になるだけの著作権は本当に文化のためになっているのか? それはユーザーの権利を阻害していないだろうか? 本書はこうした観点から、権利論とコモンズ論を基軸に人文社会、自然科学の知見を幅広く援用し、そもそも文化とは何かまで根底的に問い直す。ユーザーの人権という視点から、数百年に及ぶ著作権のパラダイム転換を提案する意欲作。

「ひとは影響を受けた作品を身体化し、所有している。作品のユーザーにも人権にもとづく権利があるのではないか。「文化」は集団的なものであり私的所有とは相性が悪いのではないか。そういった考えが本書の底流にある。これは論争を呼ぶアイデアだと思う。」

◎目次
第Ⅰ部 作者とユーザーの人権

 第一章 著作権の人権論
 第二章 障害者アートをめぐって
 第三章 ユーザーの人権
 第四章 作品が身体化する

第Ⅱ部 「文化」とは何か

 第五章 「文化」概念の変遷
 第六章 日本の「文化」概念の現在地

第Ⅲ部 文化のコモンズへ

 第七章 文化コモンズを考える
 第八章 「海賊版」からオープンアクセスへ
 第九章 「文化の発展」のために

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/759569

  • 2021年度第2回見計らい選定図書
    http://133.11.199.94/opac/opac_link/bibid/2003570806

  • ふむ

  • 現行のJASRACの著作権についての問題を深く掘り下げるのかと思っていたら、第1章だけで終わってしまった。ただし障碍者のアートとしてのアールブリュットなどの新しいことも入れていた。文化のコモンズについても記載されていた。USAと同様にコモンズを考えるための物としてはいいと思うが、もう少し詳細に書いてほしいところもあった。例えば第8章の海賊版からオープンアクセスも20ページそこそこである。ただし、これだけ文章が少ないと、ここをきっかけとして学生が卒論で研究する余地はあるので、それを意図して書いているのかもしれない。

  • 東2法経図・6F開架:021.2A/Y19c//K

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著者プロフィール

山田 奨治(やまだ・しょうじ)
1963年生。現在、国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授。京都大学博士(工学)。専門は情報学、文化交流史。筑波大学大学院修士課程医科学研究科修了後、(株)日本アイ・ビー・エム、筑波技術短期大学助手などを経て現職。ケンブリッジ大学ウォルフソン・カレッジ、フランス国立社会科学高等研究院、ハーバード大学ライシャワー研究所で客員研究員等を歴任。主な著作に、『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』『日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか』『東京ブギウギと鈴木大拙』(以上、人文書院)、『〈海賊版〉の思想 18世紀英国の永久コピーライト闘争』( みすず書房)、『禅という名の日本丸』(弘文堂)、『情報のみかた』(弘文堂)、『日本文化の模倣と創造 オリジナリティとは何か』(角川書店)など。『東京ブギウギと鈴木大拙』で第31回ヨゼフ・ロゲンドルフ賞受賞。

「2021年 『著作権は文化を発展させるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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