江戸の長者番付 (青春新書インテリジェンス)

著者 :
  • 青春出版社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413045094

作品紹介・あらすじ

江戸幕府の八代“暴れん坊”将軍の年収は、なんと1294億円! その将軍に勝るとも劣らない1000億円超の年収を稼いでいた人物とは? 江戸きっての大豪商である三井越後屋・三井八郎右衛門の驚愕の収入は? いっぽうで、“宵越しの金を持たない”庶民や、内職が欠かせない下級武士の稼ぎは……驚くべき年収ランキングから、江戸のリアルな生活事情が見えてくる、興味津々の一冊!

感想・レビュー・書評

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  • メモ
    江戸の長者番付ベスト10
    吉宗の時代、享保15年(1730)の収支データがあるのでそれにより作ったとある。具体的な史料名は記歳なし。

    1 徳川吉宗 1294億円 (79万8800両)領地からの年貢64%、ほか長崎貿易の運上金など
      支出に旗本御家人の給料40%、幕府の経費20%、その他30% 将軍の生活費用8%
    2 加賀前田家 1134億円 (名目上の石高102万5000石 そのうち収入となるのは63万68780石 他収入が10%ほどあり)
    3 三井越後屋 17億5500万円
     ・・・3万石の大名家の石高に相当する
    4 東叡山寛永寺貫主・輪王寺宮様 7億3710万円
    ・・・・大名家は1万石以上なので、一般的な大名の収入はこの4位の輪王寺に並ぶかそれ以上

    天皇家の領地
    江戸初期17世紀には1万石。秀忠の時1万石、綱吉の時1万石の寄進があり、吉宗の時は3万石。収入は35%の税率として1万500石=1万500両となるので、現在価格にして17億100万円。

    図表あり
    19世紀幕府の公定価格
    銭1門=25円とすると
    金1両=米1石=役16万2000円

    長屋の野菜売りの日給などは「柳庵雑筆」から記している。



    2017.3.15第1刷 図書館

  • 将軍や町奉行、越後屋、大奥の女中、歌舞伎役者、町人らの収入や暮らしを教えてくれる。

    金1両を16万2000円を前提にして、徳川吉宗の年収はなんと1294億円、加賀藩前田家も同じぐらい。大岡越前守が2億などなど。

    とっても面白く読んだ。

  • J-WAVEのブックバーという番組で紹介されていたので手に取ってみた。

    本書では、江戸で暮らす人々の経済事情を明かしていく。
    なかなかに面白そうなトピックではある。

    ところが、日本史の知識やあるいは興味が薄い自分にとっては、なかなかにしんどい読み心地。
    用語の解説は圧倒的に少ないし、文章を面白くしようという気概が全く感じられない。
    まるで、日本史の教科書をそのまま新書として文章にしました、という無機質な感じ。

    逆に言うと、江戸時代に明るい読書にとっては興味深い本なのかも。
    そうでない人には、とてもオススメできない本。

    強いて言えば、市井の人々の暮らしぶりが少しだけ見えたような気がした。
    けどそれなら、漫画や映像といった他の媒体に山ほど良い作品が存在していそうではある。

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著者プロフィール

菅野俊輔 かんのしゅんすけ

江戸文化研究家、歴史家。1948年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。早稲田大学エクステンションセンター、朝日カルチャーセンター、毎日文化センター、読売・日本テレビ文化センター、小津文化教室ほかで、古文書解読講座の講師を務めるほか、講演、著述、テレビ・ラジオ出演、時代考証など多方面で活躍中。著書に『江戸っ子が惚れた忠臣蔵』(小学館)、『書いておぼえる 江戸のくずし字 いろは入門』『書いておぼえる 「江戸名所図会」くずし字入門』(ともに柏書房)、『大江戸「古地図」大全』(宝島社)、『江戸の長者番付』『真相解明「本能寺の変」』(ともに青春出版社)、『江戸・戦国のくずし字古文書入門』(小社刊)などがある。

「2022年 『なぞり書きで覚える 江戸のくずし字入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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