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- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784414400342
感想・レビュー・書評
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現代森田療法の主導者的存在の面々と、精神分析会の専門家が当初はお互いのコミュニケーションの齟齬に悩みつつも20年余りに渡りその比較的研究を積み重ねてきた、その精華とも言える大著。これはまことに刺激的。
小此木啓吾、吉松一哉という日本の精神療法の巨頭の発案が発端となったこの研究会は、双方の臨床技法の発展に明らかな功績を残した、と思う。それが評価されるのには、まだもう少し時間が必要かもしれない。
個人的には、精神分析の思想や具体的な臨床技術についての解説がコンパクトで、非常にありがたかった。特に有名なラットマンの症例は、あまり自身の症例の具体的な経過や具体的なディスコースについて語ってこなかったというフロイトの、まだ荒削りで一貫性に欠けるやりとりが生々しく記述されていて興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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