翻訳できない世界のことば

  • 創元社
4.07
  • (396)
  • (378)
  • (227)
  • (39)
  • (6)
本棚登録 : 6426
感想 : 510
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701042

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 世界にはこういう表現の仕方があるということを知れたことに意味がある気がする。
    面白かったです。

  • 「忘れかけていた何かを思い出すものであったり、または今まではっきりと表現したことのなかった考えや感情に言葉をあたえるものであれば」という始まり方をする本書は、世界の、「翻訳できない」言葉をとりあげるものだが、とりあげている言葉たちのなんと美しいことか。たまに面白いものもあるけど。
    読んでいて、「あー、これは」って昔を思い出したり、今の感情が表現できそうだったりすると楽しいけど、それこそトレップヴェルテルだったり。
    イラスト本で、コメントも相まって楽しくまとまってます。

  • ことばは、その言葉を使う人が世界をどのように認識しているかのメガネ。世界各地の思いもよらぬ世界の切り取りかたを知ることができるのと、日本語のそれを外国人の目を通して発見できるのが楽しい。
    「積ん読」とか「木漏れ日」とか「ボケっと」とか、言われてみれば確かに、とにやけてしまうこと間違いなし。

  • 絵とか装丁とかも凄くないように合ってて何だか小さな幸せを貰える。ただ、こればっかりは一人の作者の限られた知識に限定されずにネットとかで集めたらいいのが一杯集まりそう。

  • その国や言語ならではの文脈を帯びたことばを浴びて、心洗われました。紹介されていたことばの中では、ヒンディー語のジュガールが一番好きかな。

  • 一言では翻訳できない世界の言葉を翻訳。
    日本語であれば、「木漏れ日」「ぼけっと」「積読」「わびさび」の4つがエントリー。
    何故そのチョイスなんだろうと疑問に思いましたが、「木漏れ日」という言葉は風情があって良いですね。今まで考えたこともなかったですが、改めて日本語の美しさに気づくことができました。

    ドラマ「砂の塔」の岩ちゃんセリフに出てくる「モーンガータ」という言葉を検索していて、この本に出会いました。「モーンガータ」水面に映った道のように見える月明かり」という意味だそうです。とてもロマンチックな言葉だと思いました。
    他には、ビザンブラという言葉が印象深い。意味は「バナナを食べるときの所要時間」という言葉もありました。日本にいながら、その国の人々の生活においてバナナがどれほど重要で馴染みの深いものなのかと考えるとクスりと笑えてしまいました。逆に、自分が感じていることは、世界共通なんだなあと思う言葉もちらほら。
    字数は少なく、絵本のような本ですが、豊かな想像力があれば長い時間楽しむことができます。
    また、日本ではこんな気持ちのときにどういった言葉で伝えるだろうと考えてみたり、いろいろな楽しみ方が出来る本でした。

    この本の凄いところは、英語圏の人が訳せない言葉を訳したものを、日本語訳してるところですよね。
    まるで、言葉の長い旅のよう。
    イラストも本当に素敵で、字体は翻訳者の方が書かれたそう。その自体もとても可愛い。
    読んで、見て、考えて様々な角度から楽しむことの出来る本でした。
    読み進めていくと、誰でも一つは今の自分にぴったりの言葉が見つかるはずです。

  • この本は「その感覚はわかる!」だけど、英語に翻訳するのはちょっと難しい
    という世界の言葉を集めて、ナイスなイラストと一緒に紹介している本です。
    装丁も選ばれている言葉もイラストもいい感じなのでプレゼント用の書籍としてもいいかもです。
    この本の中で私が面白いなぁと感じたいくつかの「世界の言葉」を以下に引用します。

    SAMAR サマル アラビア語
    日が暮れた後、遅くまで夜更かしして、友達と過ごすこと
    GEZELLIG ヘゼリヒ オランダ語
    単に居心地良いだけでなく、ポジティブであたたかい感情。物理的に快いという以上の『心』が快い感覚。愛するひとと共に時を過ごすような。
    MERAKI メラキ ギリシャ語
    料理など、何かに自分の魂と愛情をめいっぱい注いでいる。
    KILIG キリグ タガログ語
    おなかの中に蝶が舞っている気分。たいていロマンチックなことや、素敵なことが起きた時に感じる
    JUGAAD ジュガール ヒンディー語
    最低限の道具や材料で、とにかくどうにかして、問題を解決すること
    HIRAEYTH ヒラエス ウェールズ語
    帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち。過去に失った場所や、永遠に存在しない場所に対しても
    KOMOREBI コモレビ 日本語
    木々の葉のすきまから射す光。
    UBUNTU ウブントゥ ズールー語
    本来は「あなたの中にわたしの価値を見出し、わたしの中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味で、「人のやさしさ」を表す
    WABISABI ワビサビ 日本語
    生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見いだすこと
    AKIHI アキヒ ハワイ語
    誰かに道を教えてもらい、歩き始めた途端、教わったばかりの方向を忘れた時、「アキヒ」になった、と言う。
    IKTSUAPPOK イクトゥアルポク イヌイット語
    誰か来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること
    WALDEINSSAMKEIT ヴァルトアインザームカイト ドイツ語
    森の中で一人、自然と交流するときのゆったりした孤独感。
    KALPA カルパ サンスクリット語
    宇宙的なスケールで、時が過ぎていくこと。

    ジュガールとウブントゥが特に気に入りました。
    2017/10/22 11:16

  • 他の言語で言い表せない各国の興味深い単語を取り上げて、絵とちょっとした文章で説明している「絵本」。

    数ページ読んだときには、「もう少し具体的に、他の言語とはどう違うのかとか、用例とか、そういうのがあったほうがいいのに」なんて思ったんですが、ページをめくっていくうちに、あぁ、これは、読んだ人が頭のなかでいろいろな想像を巡らせるためにちょうどいい分量なのかも?と思い始めました。

    そして、この本、一人で読むんじゃなくて、いろいろな国の人達と一緒に読みながら、その言葉について思いついたことを話し合ったりしたら楽しそうだな、とも思いました。

    例えば、ドイツ語の「Drachenfutter/ドラッヘンフッター」。直訳すると「龍のえさ」。でも、意味合いは、旦那さんが奥さんの機嫌を取るために贈るプレゼントなのだそうだ(笑)。
    日本でも、悪いことを隠すために奥さんにおみやげ買って帰るとかあるけど、それを一言で表す単語はないよね。それに、日本では、怒ってる奥さんを表すのは指でツノを作って表したりする。それって「鬼」ですよね。ドイツでは、怒ってる奥さんは「ドラゴン」で、日本では「鬼」。きっと、他の国では違うもので表しているんだろうなぁなんて想像すると面白い。発表しあったら、きっと盛り上がる(笑)。

    アラビア語の「グルファ」。片方の手のひらに乗せられるだけの水の量、という意味なのだそうだけど、なぜこんな単位が必要なのかと考えると興味深い。私達の生活より、ずっと水が大切なものなのかもしれないなぁ、とか考えさせられる。

    へー、と流してしまうようなページ(言葉)もあるけれど、じっくりと考えてみたい言葉もある。こんな言葉を集めることができた著者の方の感性は素敵ですよね。


    イラストレーターでもある著者さんが描いた絵もいい感じ。
    そして、その絵に添えてある日本語の手書き文字が、またステキ。訳者さんが描いたらしい。
    そして、はじめに、本文、あとがき、などで使われている手書き風のフォントがいい味です。このフォント、ほしいっ!

    図書館で借りてきて読んだのですが、この本は、自分で購入して、本棚に入れておいて、たまに取り出してめくりながらニヤニヤするのが正しい付き合い方だと思う。

  • 意思を伝える言葉。この成り立ちに民族差があり、そこに価値観文化に潜む底流の謎がある。日本語からは木漏れ日、ボケっと、侘び寂び、積ん読がエントリー。絶滅が懸念される民族の言語まで幅広く取り上げ、感性に訴えるイラストとともに、言葉で何を表現したいかの独自性、多様性に面白味を感じる。グローバルと対極にあるローカルを大切にしたいとの思いを抱かせる。

  • いったいいつ使う言葉なんだろうっていうのがあったり、それをひとつの言葉にするなんて素敵だなって思ったり。日本の「木漏れ日」「わびさび」も素敵よね。

    世界はひろい。文化はたくさん。言葉もたくさん。

  • 札幌ブックコーディネートの尾崎さんにオススメいただいて、でもタイミングが合わず、10年越しくらいで目を通しました。

    すごく良い。
    10年前じゃきっとわからなかったな、この感情のひだに触れるような言葉たち。

    日本語の「切ない」も誇れるし、他の国のそれに準じる言葉たちもすごく良かった。
    改めて、自分は言葉フェチなことを再認識。

  • 世界にはこんなにも素敵なコトバがあふれてる。
    キュンとしたりクスッと笑ったりちょっとゾクッとしたり。そのニュアンス伝わるー!って、とても興味深く読めた。
    日本語も、ちらほら。
    「わびさび」とか「ツンドク(積読)」とか日本語もなかなかイキなコトバがあるよね。
    積読は〝大いなる遺産〟だって。最高。

  • あんまり頭使いたくない、寝る前とかにパラパラ見るのにちょうどいい◎
    見開きで各国の言葉と意味、イラストも素敵で絵本みたいに読める。

    日本語もいくつか出てきて興味深い気持ち。

    旅行前の期待と不安が混じったドキドキみたいな気持ちをスウェーデン語の名詞が一言で表してくれた笑
    今度からその単語だけ言えばいい?

  • プレゼントしてもらった本。
    面白くて一気読みしてしまった。
    ふふっと共感して笑ってしまうことばや、
    生きていく上で大切にしたいと思えることばまで。
    もっと多くの言語に触れて、表現力を身につけ、
    生活をより豊かにしていきたいなと思えた。

  • 日本では、時間や距離を表すのにバナナとか、トナカイは登場しないよなぁと思った。言葉から、そこでの生活がにじみ出ている。
    「積ん読」や「ぼけっと」など紹介されている日本語は、いつも何気なく使っていたけど、この本で見るとすごく素敵に見えた(「わびさび」は日本人でもよくわかっていないけど……)。洋画を観ていて、「日本ではこれを木漏れ日というんだよ」とニコニコしてしまった。
    イラストもシャレていて、見開きで一つの言葉で読みやすい。プレゼントにもすてき!

  • この本に登場するお気に入りの言葉
    『MAMIHLAPINATAPAI』マミラピンアタパイ
    『積読』

  • 競走馬カルパくんの名前が

    木漏れ日て改めて考えるととても美しい言葉だね

  • 図書館で借りた。
    中身はタイトルの通り、翻訳できないさまざまな言語から単語をチョイスして紹介されている本。
    絵本のように、見開き2頁に1単語のみで贅沢に使い、イラスト多めで意味を表現する。言語は偏らずに様々な地域から、様々な単語をチョイスされており、非常に興味深い。
    小難しい話ではないので、子どもにもオススメできるレベルで、かつ大人でも学者でも、知らない世界の言葉。
    非常に楽しい本でした。とりあえず全単語はメモったが…、応用はできるかな?

  • とにかく人に配りたい本だった

    その気持ちとかその感じを、表せる言葉があるってことが、かなり素敵で偉大!

  • この本を読んでみて、「あ、たしかにこの表現を一言で表す日本語って存在しないな」と気づくことが多く面白かった。逆に木漏れ日、積ん読など日本語だけでしか表せない語句もあり、他にもこのような語句がないのか気になった。面白い表現や愛の表現など様々で、世界の人達はこのように物事を感じることもあるのか、と気づくことが出来た。

全510件中 61 - 80件を表示

著者プロフィール

エラ・フランシス・サンダース
イギリス在住のライター、イラストレーター。著書に"Lost in Translation: An Illustrated Compendium of Untranslatable Words from Around the World"(邦題:翻訳できない世界のことば)、"The Illustrated Book of Sayings: Curious Expressions from Around the World"(邦題:誰も知らない世界のことわざ)、"Eating the Sun: Small Musing on a Vast Universe”(邦題:ことばにできない宇宙のふしぎ)がある。

「2021年 『もういちど そばに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エラ・フランシス・サンダースの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×