コンスタンの思想世界―アンビヴァレンスのなかの自由・政治・完成可能性

著者 :
  • 創文社出版販売
5.00
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 7
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784423710715

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 従来、バーリンなどによって好意的に引用・評価されてきたフランス近代の思想家バンジャマン・コンスタンの思想を、彼の「ペルフェクティビリテ」論を中心にして解釈しようとする研究書。コンスタンが「近代人の自由」などの政治的諸価値を重視するのは、その「ペルフェクティビリテ」論に基づいており、それはヘルダーの歴史哲学の影響を受けつつ形成された歴史主義的な「進歩」を重んじる観念であったという解釈を提示する。モンテスキューやトクヴィルなどフランスの自由主義の系譜に注目が集まっている現状において、本書により、その系譜に連なるコンスタンにもより一層の注目が集まることを期待したい。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1966年生まれ。1989年慶應義塾大学経済学部卒業、1996年ケンブリッジ大学Ph.D取得。現在、慶應義塾大学法学部政治学科教授。専攻は近代政治思想史、フランス自由主義思想。主要著作に、『コンスタンの思想世界 ―― アンビヴァレンスのなかの自由・政治・完成可能性』(創文社、2009年)、「コンスタン ―― 立憲主義の基礎づけを求めて」宇野重規編『岩波講座 政治哲学3 近代の変容』(岩波書店、2014年)、「ルソーと東アジアのデモクラシーの未来」『法学研究』(85巻6号、2012年)、“Nineteenth Century French Liberalism: Its Belated Victory and New Challenges”, Keio Journal of Politics, no. 13, 2008、「ケンブリッジ・パラダイムの批判的継承の可能性に関する一考察(一・二)『法学研究』(72巻11号、73巻3号、1999―2000年)、「自由のパラドックス ―― ルソー・コンスタン・バーリン」『思想』(883号、1998年)、など。

「2016年 『政治思想史入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堤林剣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×