現代倫理学の冒険: 社会理論のネットワーキングへ (現代自由学芸叢書)

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  • 創文社出版販売
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784423730737

作品紹介・あらすじ

メンバーの自由・平等・福祉をバランスさせるのあり方をどう構想するのか-ロールズに始まる現代正義論は、この問いをめぐって果敢な論争を繰り広げている。著者はまず、その闘枝場(アリーナ)へと読者を案内する。ついで学問の社会復帰を進めようとしている応用倫理学の現場からのレポートが記され、結びの架空対話編では、現代倫理学が切り拓いた地平が軽妙な語り口で描かれる。を実践し、規範的な社会理論のネットワーキングを志す現代自由学芸の騎士が綴った、冒険物語。人物データベース併載。

感想・レビュー・書評

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  • 現代の正義論という「闘技場」(アリーナ)の見取り図とそれをめぐる登場人物たちの位置づけ、また応用倫理学的な領域でのそれぞれの論者の主張を、コンパクトで分かりやすく解説しており、この分野の入門書としてたいへん優れていると思う。

    具体的には、第一部「現代性議論の構図」では、まず、現代における功利主義の復権と、それに対する仕方でロールズのリベラリズムが登場した経緯が解説される。そのあと、ロールズとドゥウォーキンのリベラリズム、ノージックのリバタリアニズム、共同体論の基本的立場と、ケア倫理学とアマルティア・センのこの分野における貢献が解説される。

    第二部は「応用倫理学の展開」というタイトルが付けられているが、具体的には、第一部で取り上げられた論者の個別的な問題状況への取り組みが概観されている。

    「結び」には、フーコー、ハーバーマス、ロールズの架空の対話「マジカル・ミステリー・ディスコース」が置かれる。また巻末には、本書に登場する20名の倫理学者たちのプロフィールがまとめられており、初学者への手厚い配慮を感じる。

  • 全部読もうと思っていたが、
    あまりにもつまらなかったので、
    興味のある章しか読まなかった。

    色んな人たちの理論を紹介しているだけなので、
    教科書代わりに使う分には良いが、
    議論の深みは全くない。

    そもそも倫理学の原理部門と応用部門を
    二分している時点で、
    倫理学の本質的問題を捉え損ねている。

  • 現代思想の主要な担い手の理論を解説するだけでなく、それを現代の問題にどう応用していくか、そのことと丹念に追った好著。

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著者プロフィール

川本隆史(かわもと・たかし)
1951年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(倫理学専攻)修了。博士 (文学)。東京大学名誉教授、国際基督教大学教養学部特任教授。著書に『現代倫理学の冒険』(創文社、1995年)、『ロールズ:正義の原理』(講談社、1997年)など。

「2022年 『政治的リベラリズム 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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