- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784433583002
感想・レビュー・書評
-
経済成長のエンジンであるとともに、環境(広い意味から狭い意味までいろいろな捉え方があるであろうが)の改善にも寄与する都市を構想する。
本書では、東京を俎上に載せて、環境改善のための様々な取り組みを紹介している。
都市のリ・デザインが都市とそれを取り巻く広域圏、さらには地球環境の改善にまでつながるような都市を構想するということは、これからの都市を語るうえで欠かせない視点であろう。
また、本書の「環境」の捉え方は、温室効果ガス排出量の削減(建築物環境性能の向上やコンパクトシティ等)から、居住環境の改善(マンション再生や密集市街地の更新)、永続的な生態系の再生による都市の文化や人づくり(明治神宮の森)といったものまで、非常に幅が広い。
環境とは総体的なものであり、都市の魅力もまたその総合力によって生まれてくるものであろう。従って、都市の環境をこのように幅の広い視点から捉えていく視点は、非常に大切であると思う。
それぞれの分野で実プロジェクトや制度の創設に携わった第一線の実務家を著者に迎えて取りまとめられた本なので、多様な取り組みそれぞれの意義がよく分かった。
今後の課題としては、現状ではそれらの多様な視点をつなげ、相乗効果を上げていくような動きはまだ十分ではないと考えられる。
また、私権を制限してまでも守るべき環境の価値とは何かということについては、社会的合意形成が欠かせない。本書に述べられているような非常に広範な視点に対してそのような合意形成を図っていく方法論も、研究されるべき重要な課題であると考える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仕事絡みで交通関係部分を斜め読み
け