深夜カフェ・ポラリス

著者 :
  • アルファポリス
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本棚登録 : 808
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434329081

作品紹介・あらすじ

子供の入院に付き添う日々を送るシングルマザーの美和。子供の病気のこと、自分の仕事のこと、厳しい経済状況――立ち向かわないといけないことは沢山あるのに、疲れ果てて動けなくなりそうになる。そんな時、一軒の小さなカフェが彼女をそっと導き入れて――(夜更けのぬくもり)。「夜更けのぬくもり」他4編を収録。先が見えなくて立ち尽くしそうな時、深夜営業の小さなカフェがあなたに静かに寄り添う。夜闇をやさしく照らす珠玉の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • /_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
    休み中にたくさん本を読む予定が、まったく読むことなく、だらだらと過ごしてしまいました…

    この作品は、私の好きな連作短編集だったので、それだけでもよかったですが、展開の仕方がシンプルで、素敵な感じの人たちが集ってくるのが、またまたよかったです。

    全話に登場する朱里さんがとても優秀。明るくて、洞察力があって、料理も上手。こんな店主のいるお店に行ってみたいな、と、新たな夢ができてしまう感じでした。

    いろんな言葉が心に響く感じでした。
    この作品を通じて、今年は目の前の食事を、より感謝していただこうと、思いました。


    /_/ あらすじ _/_/_/_/_/
    ポラリスに迷いを抱えた人たちが吸い寄せられて足を踏み出します。そこで、朱里たちと会話する中で、新たな一歩を踏み出す勇気を手にします。


    /_/ 主な登場人物 _/_/_/ 
    ■ポラリス 晩御飯を食べ損ねた人のためのお店
    @朱里 あかり、店主、明るい、20代後半から30代前半ぐらい

    ■夜更けのぬくもり
    @古村美和 
    @古村智也 息子、病気で入院、喘息もち

    ■明けない夜
    @竹田大和 やまと、受験生、医学部を目指す

    ■妻の決断
    @斉藤果穂 家事をしない夫で価値観のずれに悩む

    ■通院患者の迷い
    @池山勇治 67歳、大野溶鋼社長

    ■医師の悩み
    @琴音 ことね


  •  深夜営業の「カフェ・ポラリス」…大きな総合病院の近くでひっそりとこぢんまりと、朱里(あかり)という女性が営業している。このお店のコンセプトは、忙しい時ほどおろそかにしがちな食事を誰かが作ることでゆっくり楽しんでほしい…というもの(…でいいのかな)。5編の短編が収録されています。

     身体も心も疲れているときほど、あったかくておいしい食事したくなりますよね!そんな希望を叶えてくれる場所が「カフェ・ポラリス」なんでしょうね♪メニューはなく、来店したお客さんの様子で提供するお料理を決めるなんて…和食か洋食かは選べるみたいです。店主の朱里の洞察力、勘の鋭さにはドキドキさせられます。それが原因で朱里から離れていく人もいるようですが、ストーリー上の登場人物にはいい方に働いています。ちょっと不思議な存在の朱里、もし次作があるのなら朱里のこれまでの生活とか読んでみたいですね。

     『みんな北極星は動かないと思っているけれど、本当はちょっとずつ動いているんだよ。どんなに固い信念の人でも時にはぶれる。そこがいいし、それでいい』

     作中友人と朱里が店名のことで話した会話の一部です。なんか、そのままでいいんだと言ってくれているようで心に残りしました。

    ※追記)表紙の装画は満月珈琲店でおなじみの、桜田千尋さんが手掛けていることを知りました。素敵だなぁ〜って思ってました!!

    • かなさん
      1Q84O1さん
      あははっ(*^▽^*)
      それで、正解ですっ!
      1Q84O1さん
      あははっ(*^▽^*)
      それで、正解ですっ!
      2024/03/05
    • アールグレイさん
      初めまして!かなさん!
      昨夜はフォローバック、沢山のいいねをありがとう!( ̄□ ̄;)!!しました。
      1Q8401さん(^_^)/お邪魔してお...
      初めまして!かなさん!
      昨夜はフォローバック、沢山のいいねをありがとう!( ̄□ ̄;)!!しました。
      1Q8401さん(^_^)/お邪魔しております。
      私は今、この本を読んでいます。ポラリス“北極星”いいですね!
      私の読書は雑食で、癒し系、サスペンス、ミステリー、とにかく話題本に手を出したがります。年末に読んだ伊坂さんの777は最高でした!殺し屋、シリーズ本なのに2冊目を予習本とし、777でした。殺し屋なのに不快感を感じることのない本でした。
      レビューは必ず書く!、をモットーにしています。
      良かったら、読んでやって下さいね。
      これからよろしく
      (@^。^)~~~
      2024/03/13
    • かなさん
      アールグレイさん、おはようございます。
      沢山のいいねは、よろしくお願いしますのお印です(*^^*)
      というか、フォローした本棚を眺めるの...
      アールグレイさん、おはようございます。
      沢山のいいねは、よろしくお願いしますのお印です(*^^*)
      というか、フォローした本棚を眺めるのが好きなんです!
      で、私と同じ作品読んでるなって思うと
      嬉しくなっちゃうんですよね♪
      アールグレイさんもこちらの作品読まれてるんですね!
      病院の近くの癒し系カフェ、しかも夜間営業で…
      私も行ってみたいお店です!
      これから読まれる作品も含めて
      アールグレイさんのレビュー楽しみにしてますね(*^^*)
      こちらこそよろしくお願いします。
      2024/03/14
  • 疲れて夜ご飯を作る気になれず、かと言って夜更けにコンビニに行っても食べたいものが見つからず…
    適当にカップ味噌汁を買うかもしれない。
    お腹は空いているのに何するのも億劫で、何が食べたいかもわからない…そんなとき深夜に営業している小さなカフェ、ポラリスがあったなら良いなぁと思えた。
    店主の温かい料理と人柄が癒してくれる。
    入るなり、元気のいい声で「いらっしゃいませ!カウンターへどうぞ」の声。
    …てか、カウンターしかないやん⁈ってなるのだがこれも愛嬌。

    とにかく入ってきて座るなり、店主はお客さんの悩みがわかるというか…とにかく食べたいものがわかる、というよりこれを食べれば元気が出るという食事を提供する。
    もちろんメニューにはない店主のアレンジで格安で!
    あんまり、探られるのは嫌だけどそう感じさせないところが良い。

    そっと受け入れてくれてお腹も満たされるって最高かも。

    5つの短編集。

    [夜更けのぬくもり]
    入院中の子どもに付き添うシングルマザー

    [明けない夜]
    二浪している予備校生

    [妻の決断]
    家事をせず、仕事に理解のない夫

    [通院患者の迷い]
    病気より仕事が気になる社長

    [医師の悩み]
    店主の友人でもある医師は、患者の家族のことも気になる


    [妻の決断]のなかの挑み続ける人間の寿命はきっと長い。やり直す時間なんていくらでもあるよ!という店主のことばが一番心に残った。


  • 古来、日本人は北極星を道標にしていたと聞く。北極星「ポラリス」というこの店は、夜10時~朝6時の深夜営業。
    病院の傍にあり、忙しさにお腹を空かせた医師や看護師がやって来ては、愚痴を
    こぼし癒やされ帰って行く。
    この店の店主は、朱里、アラサーという
    感じだろう。元気が良く、察しがいい。


    この本は、連作短編で五話の話がある。
    子供の入院に疲れ、空腹状態で店の看板を見つけ、癒やされた母親。

    二浪の受験生、家は病院。医学部を目指すが模試の結果は最悪。寄り道をしたくなり、見つけた店で朱里にアドバイスを受け決意を新たに。

    他、三話共どれも良い!
    朱里はお客を良く観察している。
    洋食と和食の二種類のみだが、皆舌鼓をうち喜ぶ。身体中にじわじわと広がる
    ぬくもりを感じながら、今の自分の心を
    見透かされているのでは?と一瞬思う
    客もいる。それでも、すぐに安堵に浸ってしまう。朱里は、ポラリスは不思議な
    店だ。
    迷い、途方に暮れたりしている人も、
    店を出る時にはカイロの温もりを受け
    とって、帰ることができるのだから。

    この本は、秋川滝美さん。
    秋川さんの本は、「居酒屋ぼったくり」を
    全巻読んでいる。
    それ以外の本は、この本が初めてだ。
    やはり、食について沢山の事を語っているなぁ、と思った。
    温もり、らしさが出ているなぁ・・・・


    2024、3、16 読了

    • かなさん
      アールグレイさんのレビュー楽しみにしてました(*'▽')
      こんなお店が近くにあったら
      常連さんになっちゃいそうですよね♪
      毎日今日は何...
      アールグレイさんのレビュー楽しみにしてました(*'▽')
      こんなお店が近くにあったら
      常連さんになっちゃいそうですよね♪
      毎日今日は何を作ればいいのか…
      いつも悩んで損している気分さえします(^-^;
      2024/03/18
    • アールグレイさん
      かなさん★こんばんは
      コメントありがとう!
      家の周りは、コンビニ沢山、食事処はイマイチ。ポラリスのようなところはない。
      というより、喫茶店が...
      かなさん★こんばんは
      コメントありがとう!
      家の周りは、コンビニ沢山、食事処はイマイチ。ポラリスのようなところはない。
      というより、喫茶店がほしい!スーパーは恵まれているけど・・・・
      今度、伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズを読みま~す!
      2024/03/18
  • 初読みの作家さん。
    病院の近くにある深夜営業のカフェ・ポラリス。
    カフェと言っても、しっかりとした和食、洋食の定食をお安く食べさせてくれる。本当にこんなお店があったら、めちゃくちゃ人気が出るだろうなと思う。作中では、空いているんだけど(笑)
    店主の朱里の勘が鋭すぎるところが少し引っかかったけど、ご飯がとても美味しそうで、お客さんが元気になっていくのも納得!

  • これまで読んだ秋川滝美さんの『ひとり旅日和』『ソロキャン!』『湯けむり亭ヒソップ』シリーズはどれも平和でほのぼのする作品なのだが、本作はなんとなく青山美智子さんを彷彿とさせ一味違う印象を受けた。

    総合病院近くの雑居ビルの中にひっそりある深夜営業のカフェ『ポラリス』(=北極星)。飲食店の少ない界隈で、さまざまな事情で日中に食事を取れなかった人たちの強い味方だ。小さなお店の上、深夜にしか営業していないことから、常連客か、気づいた人だけが引き寄せられるように入店する。お客として登場したのは、病院の患者やその家族、医師、予備校生、義母と娘など。栄養たっぷりの美味しい料理を食べながら、親しみやすいが並外れた洞察力を持つ店主の朱里と話すと、どのお客もすっきり、前向きな気持ちに切り替えて店を後にする。

    深夜に美味しい料理を提供しつつ話を聞いてくれるお店は、本当にありがたい存在だと思う。2等星だが、それでも位置を割り出しやすい北極星。正にちょっと迷子になりかけた人たちが自分から指針を見つけ出すような場所だと思った。店主の朱里については本作ではあまりフォーカスされていなかったが、ぜひ続編でどんな人生を歩むとこんな人になるのか、お店を始めたきっかけなど、取り扱ってほしいと思う。
    栄養バランスの取れた美味しい食事は、気持ちを落ち着かせたり前向きにさせる効果があることを実感。根拠がなくても「なんとかなる」とどっしり構えられる、その原動力を与えてくれる一つが美味しい食事なのだと思った。

  • お節介で勘の鋭い女の子(わたしから見れば)が営んでる、真夜中カフェ。
    真夜中にご飯は絶対食べないけど、美味しいお茶なら飲みに行きたいと思いました❤️
    元気のいい女の子は、それだけで気持ちいいし、どちらかというとわたしも、お節介おばちゃんなので、会話が弾みそう‼️


    とても楽しく、サクサク読めました。

  • 深夜開業のカフェその名をポラリス。洞察力がある店主、提供する料理と若いのに人生へのアドバイスがいい。

  • 深夜にひっそりと開いている、カフェ・ポラリス。
    店主の朱里が作るのは、そのとき、その人が欲している特別メニュー。何気ない会話に元気をもらい、みんなたくましく生きていく。
    というような、心暖まるストーリーではあるけれど、
    さすがにこのパターンはそろそろ飽きてきたかな。
    正直、とても浅い。いくらなんでも客のことエスパー並みに分かりすぎだし、これでなにもかも解決したらほんと苦労ないよなぁ…。

  • 深夜カフェ「ポラリス」の朱里さんの聞き上手なところとその人に合わせたお料理の提供上手なストーリー5話。どれもよかった。心が癒される~~~
    「明けない夜」が好きだったかな。

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著者プロフィール

2012年4月よりオンラインにて作品公開開始。2012年10月、「いい加減な夜食」にて出版デビューに至る。他著書に「居酒屋ぼったくり」(アルファポリス)他、「幸腹な百貨店」(講談社)、「放課後の厨房男子」(幻冬舎)などがある。

「2020年 『居酒屋ぼったくり5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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