- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784469210965
作品紹介・あらすじ
百塔の都といわれる美しい古都プラハ。ここに学んだ言語学者千野栄一氏が、ことば、古本、旅をめぐって展開する話題の数々。さまざまな出会いの奥に、言語学者ならではのユニークな洞察と暖いユーモアが息づく、芳醇なエッセイ集。
感想・レビュー・書評
-
チェコ語を中心に言語学が専門の千野栄一先生のエッセイ。千野先生の何事に対しても知的好奇心溢れる心意気が,いろんな部分に登場して読んでいるこちらも先生と同じわくわくした気持ちになります。
社会主義体制下での探書の困難さがとても伝わってきました。ただその一方で古本屋の店主さん・店員さんたちとの深いつながりがあった,あたたかい時代でもあったんだなぁと思います。
チェコスロヴァキアのみならず,いろんな国へでかけたお話もあります。もうこの文章が書かれてからずいぶん様子はかわっているのだろうけれど,行ってみたいなぁって素直に思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まだ、チェコとスロバキアが一緒だった時代の本。
あまり知らない国のことだけれど、語り口が優しくてわかりやすいから、プラハとかに興味がなくても、楽しく読めるエッセイ。
社会主義国での、本屋や,、本の流通事情とか。
古本屋さんとは付き合いがないので、実体験はないが、店主と仲良くなる、といろいろ都合してもらえるのは、共通してそう。
表題の「沈黙の通訳」はいいなぁ。
たしかに、たどたどしい方が、楽しく濃い会話の時間になる。
そして、思い出も深くなる。
本書のための書き下ろし、三つのコレクションの話が好き。 -
とっても薀蓄に富んだ素敵な1冊です。文庫にならないかなぁ~と密かに思っています。。。。
-
徳永康元先生の『ブタペストの古本屋』にちなんで、故・千野先生が書かれた古本屋とチェコ(プラハ)とスラブにまつわるエッセイ集。自分の研究対象と、その周辺に集う人々への柔らかくてあったかい気持ちがあふれる一冊。一生手元に置いておく。
-
この本は私がプラハに行った後、本屋で購入しました。
著者の千野さんの奥さまに、プラハで大変お世話になりました。
奥さまのズデンカさんは、当時千野さんと別れられたばかりで国立図書館で、働いておいででした。
1980年代後半ヨーロッパを旅して、トラブルに巻き込まれ6日間プラハで、足止めされてしまいました。
そこでズデンカさんに勧められて、街中を歩いてみたのです。
プラハは第二次世界大戦の空襲を受けなかったので、街並みは古いままで、『百の塔の街』と呼ばれる美しい町並みです。
そして小さな古本屋さんが、本当に多いのです。
入ると難しそうな文字の並んだ本や皮表紙の古い本とか沢山あります。
美しい装丁の聖書とかもあります。
なかでも絵本は内容が文字を読めなくても、理解できます。≪笑
千野さんはスラブ言語学の権威で、特にチェコ語については、いくつもの本を書かれてます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E9%87%8E%E6%A0%84%E4%B8%80
前置きが長くなってしまいましたが、この本は千野さんのユーモアが光るエッセイです。
プラハの街角で古本屋を見つけて入ると。。。
そこは別世界のように本が夢のようにある。彼が集めた本の数々の薀蓄。
言語学者になった経緯、奥さまとの出会いと娘さんの「ハナ」さんの名前の由来について。。
一番印象の深いエッセイの言葉。
『閑話休題。本が好きな人に手に入れた本のことを書かせていては、いくら誌面があっても足りないだろう』
という一文に、本好きとしては共感してしまいます。 -
必読!
-
〈所在:図書館(060000194564)〉
〈読了日:2008.11.19〉 -
著名な言語学者である著者が、プラハや言語学をテーマにつづったエッセイ集のようなもの。
この本を読むと、この人はまじめな学者という一面と人との出会いが大好きなチョットいたずら好きな一面と持ち合わせた人なんだろうと思う。
一度お会いして、プラハの話を聞きたいと思う人だ。