欧米人が沈黙するとき: 異文化間のコミュニケ-ション

著者 :
  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469240566

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  • 1980年刊行。1996年ごろ購入・読了。
    バブルの時代などを通して形成されたステレオタイプな「日本人論」や「欧米論」と違った視点を提供してくれた。非常に面白かった記憶があり、いまだにバイブル的に手元に残している。

    「文化を異にする人々が、英語でコミュニケーションをする機会が、最近とみにふえてきた。しかし、異文化間のコミュニケーションで何か問題がおこると、しばしば欧米人の論理でことが片付けられ、日本人の立場は、無視されがちである。このことに、長い間、私はひそかな怒りを燃やしていた」・・・「序」に変えて

    「言葉」でちゃんと伝えることの大切さ!黙っていることは美徳ではなく、また何もしないことですらなく、むしろ不誠実だということ。

  •  今から30年以上も前に書かれた異文化間コミュニケーションに関する著作。異文化同士が接触し、起こった摩擦に関する作者の経験談から、日本人の言動に関する外国人へのアンケートの結果をまとめ、分析したものが含まれている。
     よく言う「Noと言えない日本人」、「すぐに謝る日本人」、「何度も誘う日本人」といった、英語を使う上で話題となる日本人特有の言動の原形が書かれている。今となってはこういう態度が欧米人に受け入れられないということを、頭で理解している人がほとんどだと思うけれど、書かれた当時はどれほど理解されていたのだろうか。ただ、本書の最後にも書かれている通り、このようなことは、「頭でわかるだけでなく、心でわかり体全体でわかる必要がある」(p.244)が、日本の英語教育を受けただけでは「心でわかり体全体でわかる」というのは、とても難しい。30年経っても、あと何年経っても、日本で過ごしていただけでは難しいと思う。コミュニケーションを行う双方ともに理解しないと解決しない事柄だとも思う。
     30年以上前であっても、日本人や欧米人の言動に対する分析はなるほどと思うところばかりだった。「ことばを儀礼的に使い、その奥にある真意をさぐり出そうとする日本人の心的態度と、ことばを信頼し、相手の好みを尊重しようとする欧米人の心的態度の違い」(p.121)とか、「日本人は、(略)ことばの虚構性を楽しむことがある。(略)相手の自尊心をくすぐりながら、チラとこちらの真意をのぞかせたりする」(p.143)などの分析が面白い。どのような点がどのような言葉や時間、人間関係の捉え方の違いに起因するかということが明快に述べられている。もはや例が古いと思う節もあるが、その根底部分に関する分析はまったく今でも通用すると思うので、異文化理解を考える上では外せない1冊であると思う。(12/01/03)

  • 「察せよ・同調せよ」の日本を外国人がどう感じるか。
    出版されてから時間が経っているのを感じさせない内容。

  • はっきり苦言を呈せずに「察して欲しい」と思う日本人の行為は、
    欧米人には「誠実じゃない」とうつるようです。

  • 文化の違いというのは大きくて小さい…不思議なものなんです。

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