ジョーク力養成講座

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  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469245165

作品紹介・あらすじ

ジョークは単なる「笑いの能力」ではなく、「発見の能力」でもある。ジョークに親しむことは、新しい局面、困難な状況に立たされた時のしなやかな対処能力(想像力=創造力)を培う上でも大いに役立つ。本書はジョークを通して、「現代」が求めている実践的想像力=創造力を涵養することを目的としている。

感想・レビュー・書評

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  • ジョークの原則
    ①状況を設定する(導入部)
    ②思い込みへ誘導する(展開部)
    ③意外性を目撃する(落ち)

    おかしさの笑いの原因
    ①優越感による笑い
    ②期待と現実のズレによる笑い
    ③緊張(抑圧)からの解放による笑い
    *原因の大きさはほどほどでなくてはいけない
    「ちょっと」という条件がおかしさの導火線

    ほんのちょっと外れればいい、ほんのちょっと食い違えばいい

    わたしは愚図だがユーモア、きみは愚図だがエスプリ

    ユーモアはボケであり、エスプリはツッコミ

    ユーモアは心の問題、エスプリは頭脳の問題

    ジョークのテクニック
    ①言葉で遊ぶ
     ダジャレと地口
     言葉の多義性

    ②ナンセンスで楽しむ
     日常的な物の見方(常識)への攻撃
     ナンセンスは理性が支配する行き詰まる世界からの逃亡
     人は自分で思っっている以上に常識(固定観念)に縛られている。その常識の鎖を断ち切るには相当のエネルギーが必要

    ③意表に出る
     ジョークの原理はズレ
     ズレを意識するのはこちらに予断(規範、基準、常識)があるから=解釈図式(概念枠)
     物事はあくあるべしという予見
     おかしみは「図式」と目撃された事実との対立(不調和)から生まれる

    不調和のタイプ
    ⅰ逸脱・例外・珍奇
     「中心/周縁」「正統/異端」「規則/例外」「多数派/少数派」「伝統/革新」「強者/弱者」

    解釈図式の取り方によって同じ規範が善玉にもなり悪玉にもなる

    ジョークのテーマ
    身体的異形=痩せすぎ、肥えすぎ、不細工
    精神的欠陥=無知、愚かさ、頑固、嫉妬深さ、小心
    道徳的欠陥=虚言、痛飲、怠惰、好色、偽善
    失態=転倒、失言、勘違い、粗忽

    ⅱ意外な展開
    裏をかく、ドンデン返し、はぐらかす
    論理操作(ピントずらし)

    ⅲ奇妙なロジック
    常識とは逆の価値観 ex. 子供の視点

    ④類推する
    直接的類似性ー実体的類似性ー常識的
    間接的類似性ーイメージ的類似性ー感性的 =アナロジー
          ー構造的類似性ー概念的

    アナロジーは欠陥推理

    ⑤ほのめかす
     直接的に名指ししたり、言い切ったりするより、ほのめかしたり、省略したりするほうがインパクトが強くなることがある

    持って回った言い換え(迂言法)
    当てこすり(皮肉・諷刺)
    省略的表現(転喩)
    ぼかし表現

    考え落ち

    ⑥誇張する

    誇張から荒唐無稽へ

  • コミュニケーションを円滑にする「ジョーク」を学問する一冊。ジョークの定義・分類から解説・分析までを網羅し,回答付きのチャレンジコーナーもついてます。日頃ジョークが滑りがちな方,あなたの一言で周りを笑顔にしたい方,ぜひどうぞ。

  • 本書を読むなら同著者『ユーモア大百科』 http://booklog.jp/users/donaldmac/archives/4336046522 『ジョーク・ユーモア・エスプリ大辞典』 http://booklog.jp/users/donaldmac/archives/4336046158 を通読したほうが時間を無駄にしません。
    ネタ掲載数も『~大百科』『~大辞典』のほうが多いし。
    本書はこの2冊からいくつか同じネタを転載し、著者ご本人によれば「理論解説したもの」。

    残念ながら理論てゆーほどのセオリー性も精緻さもありません。
    ジョークの間に野暮なガイダンスを挿入し、類型分類するのみ。
    物識りな学者さんが余裕かまし手すさびを垂れ流し。
    学士の卒論読まされているような。

  • 今まで読まなかった類の本も読んでみようと思って購入。
    ジョークを論理的に考えるという趣旨だったのだろうが、それを書いている部分はあまり丁寧な印象を受けなかったので、ジョークについて真剣に考えよう,論考を読もうという期待を持って読まない方が良い。
    又、世界の古くからのジョークを扱っている為、引用されているジョークや地の文の中にはステレオタイプな表現や、真面目に受け取れば差別ととれてしまうような表現が沢山あるので、ここはジョークなのだと軽い気持ちで受け流せない人にはお勧め出来ない。

    収録している数々のジョークは面白いので、私は割と楽しめた。
    息抜きくらいの気持ちで読みたい人には良いと思う。

  • ジョーク集として読めば十分楽しめるが、肝心の論考がなおざりにされているようにも思えた。

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著者プロフィール

1944年生まれ、東京教育大学仏文科卒業。フランス語、フランス文学専攻。現在関西外国語大学教授。
主な著書として『イラスト・フランス語入門』(第三書房)、『フランス語ひとくちコミュニケーション』(白水社)他。

「1999年 『パルロン・フランセ CD付』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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