創造する都市を探る (フィールド科学の入口)

制作 : 佐々木 雅幸  赤坂 憲雄 
  • 玉川大学出版部
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784472182082

作品紹介・あらすじ

政治や経済のフィールドに近く、人類学や社会学のフィールドワークほど理論化も洗練もされていない、都市の研究。7人の研究者が、実践を経て手探りでおこなってきた記録をまとめ、みずからの経験を「創造都市」というあたらしい概念のもとに語る。国内外のさまざまな都市における、観光、食文化、演劇などの題材をあつかう。

感想・レビュー・書評

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  • 青島刑事は「事件は、現場で起きている」と叫んだ。赤坂先生のフィールド科学シリーズは、10巻あり、この本は創造都市のフィールド科学を担っている。フィールド科学を「現場」科学と勝手に言い直す。つまり、「創造とは現場で起きている」のだ。
    この本は、創造をフィールド・現場で探し出そうとしている。面白いことは、その現場に入ることで、創造都市の研究者になっていくことだ。川井田祥子は、障害者と交流する中で、「自立とは何か」を考え始め、市民一人一人が創造的に働き、暮らし、活動する創造都市へ入り込んでいく。現場における創造性に、自らの生き方も研究者と目覚めさせ、織り込まれていく。敷田麻実は、マグロ船に乗って、現場の厳しさと大切さを知り、現場に行くと好奇心が旺盛で、質問せざるを得なくなり、フィールド科学にのめり込んで行くのである。
    創造は、現場で起きているだけでなく、研究者さえも作るパワーを持っている。創造は、農村、鶴岡、神山、沖縄という現場で起こり、研究者は、その創造の評価とディレクションを与える。
    佐々木教授と赤坂先生の対談が面白かった。財政学から、草の根民主主義に発展して、宮本先生の内発的発展に師事し、創造都市論に発展していく。一人の研究者の変容というかメタモルフォーゼ(変態)が読み取れることだ。今という時代と現場によって、研究者がメタモルフォーゼして行く様を、自分自身の言葉で、客観的に見ていることに興味を覚えた。佐々木教授が話を質問で問いかけること、を赤坂先生が「先生の悪い癖だね」というところに「いいね」した。この本は、誕生日に届き、一気に読み切った。私のいい誕生日プレゼントとなった。ありがとう。
    クリエイティブエイジングのスタートとなった。

  • 副題となっている「フィールド科学の入り口」のタイトルからも分かるように、フィールドワーク研究から価値創造を行う面白さが伝わる一冊。
    佐々木先生による創造都市についてよくわかり
    敷田麻美先生(以前は北海道大学におられたが)の「よそ者」の視点と立ち振る舞いに関する記述は、非常に面白い。

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