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- Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784473034489
作品紹介・あらすじ
「茶の湯の名碗、その条件とは…」茶を飲むに適当な形、手に取ったときにすっぽりと掌に包み込まれるような大きさと重さ、抹茶という緑の液体がほどよく対比する色。これら三条件を満たす高麗茶碗の全貌を韓国と日本の二つの眼で解き明かす。
感想・レビュー・書評
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分類の細かい高麗茶碗についての網羅度合はまずまず。特徴などの説明も簡潔。その分高麗茶碗について一通り知っておかないと知識としては不足すると思う。
この本の白眉は韓国の作家の視点も加えた、歴史的な視点(民窯時代・御本窯時代・倭館窯時代に分ける)と地理的視点(熊川は北の特徴、慶尚南道と全羅南道の産出品の違い、など)がきちんと軸にあるところ。
そこから器自体の違いも自ずと分かってきてためになる。知識が均された感じがする。
2008年刊行時点での新しい調査情報として、梁山法基里窯が御本窯時代の窯場であったことが判明したというのが一番の目玉。
晋州が(祭器としての)井戸茶碗の産地であった(2つの窯跡で確認されている)というのも収穫だった。
ただ(白磁の登場で現地での需要がなくなったとはいえ)井戸茶碗が日本の注文で作らた形跡がないことに触れてないのが惜しい。伊羅保や高麗青磁の注文があったくらいなら、当然井戸の注文があってもいいはずだが。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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