僕らの落語: 本音を語る! 噺家×噺家の対談集 (淡交新書)

著者 :
  • 淡交社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473041289

作品紹介・あらすじ

伝統芸能の魅力を次世代につなげる新書シリーズ企画。人気・実力を兼ね備えた落語家、計4組による対談集です。人間国宝の子息・孫にあたる〈桂米團治×柳家花緑〉、いま爆発的な人気を誇る〈桃月庵白酒×春風亭一之輔〉、異色の経歴を持つ〈春風亭百栄×三遊亭兼好〉、将来を担う女性落語家〈柳亭こみち×三遊亭粋歌〉。彼らに迫る司会進行役は、落語家・落語ファンからいま最も信頼されている評論家・広瀬和生氏。普段は客を笑わせる落語家たちから、真摯な思いを聞き出します。共通項を持った彼らの心のうちが引き出されたのは、対談だからこそ。

感想・レビュー・書評

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  • 落語を聞き始めた頃、広瀬和生さんの「この落語家を聴け」を参考にした。広瀬さん司会による落語家4組による対談集。2016年出版。
    人気どころがずらり。マクラがおもしろい人は対談もおもしろいのねーと思いながら読んだ。人間国宝対談の家族である桂米團治×柳家花緑。米朝師匠、小さん師匠のエピソードがほほえましい。

    桂米團治×柳家花緑
    桃月庵白酒×春風亭一之輔
    春風亭百栄×三遊亭兼好
    柳亭こみち×三遊亭粋歌

  • 2 桂米團治 X 柳家花緑
    1 桃月庵白酒 X 春風亭一之輔
    3 春風亭百栄 X 三遊亭兼好
    4 柳亭こみち X 三遊亭粋歌

    番号の順で対談しているので、司会者広瀬が前の対談で聞いた話を振ってくる。
    それがなかなか良い。

  • 今、落語会を引っ張っている人気落語家たちの対談集。

    最近は社会人経験を経てから落語家になる人達も増えてきてこの対談でもそれについての話も。

    落語の世界しか知らない純粋培養の人よりも社会に一度出た人達の落語にはある種の強みがあるかもしれないなと思いました。

    落語にかけるそれぞれの想いが非常に興味深く、また色々な学びにもなりました。

    大変面白かったです。

  • 落語界において落語の今を活字化してくれる広瀬和生さんの存在は大きいですね。
    今回は「桂米團治×柳家花緑」「桃月庵白酒×春風亭一之輔」「春風亭百栄×三遊亭兼好」「柳亭こみち×三遊亭粋歌」の4つの対談。
    印象に残ったところをメモしとくと・・・

    ・米朝が落語とは何かという問に「おじいちゃんが孫に聴かせるおとぎ話」と答えたそうだ。業の肯定とかイリュージョンというよりはわかりやすかもしれない。

    ・花緑が弟子の教育に頭を痛めていて、師匠の墓参りに行きたいと思っても、それを弟子たちに「行け」と命令すると恐怖政治になるのでしたくない。でも行くような気持ちにはなってもらいたい どうすればいいのかと悩んでるというのが少し首をかしげるとこがあるけど、神経質な感じが彼の個性なのかもしれない。

    ・白酒の「はい、これ言ったらウケま~す、これ言ったらウケま~す、」みたいな感じでしゃべるのと、そうじゃないしゃべり方というのは明らかに違う。で、あんまり一言一句まで正確に入れちゃうと、それに陥りやすい。」それでなるべく決めないで話すそうだ。
     兼好も「流れ作業みたいな感じで、「はいウケた、はいウケた・・・」みたいな感じてやってるときは、楽しくないですよね。「すげぇ予定調和で今しゃべってんな、っていうときはすぐ忘れるようにしてる。ウケたときのほうが逆に忘れるっていうか」
    ウケたものは忘れるようにしているというのがスゴイ。

    ・兼好は最初落語自体にあまり興味がなかったようで、高座を聞いて、こんなにつまらないのにお金になるならラクだと入ったというのがおかしい。元手がいらない仕事。原材料費はいらないし、運搬も在庫も発生しないのでラクな仕事というのも一般の仕事をした人ならでは。

    ・こみちさんは二人の子持ちで、「「今日はこれくらいで、安パイで行こう」っていう風になっては絶対ダメなんだよね。これが恐ろしいです。お客さんは安パイの私を聞きにきているわけではないから。台詞とか間違えても闘っていてほしいと思うだろうし、だから闘うんですけど日々いっぱいいっぱいだし」って落語で闘ってるという表現をしているのはここだけでした。

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著者プロフィール

広瀬和生(ひろせ・かずお)
1960年、埼玉県生まれ。東京大学工学部卒業。へヴィメタル専門誌「BURRN!」編集長。落語評論家。1970年代からの落語ファンで、毎日のように生の高座に接し、自ら落語会のプロデュースも手掛ける。『この落語家を聴け!』『現代落語の基礎知識』『落語評論はなぜ役に立たないのか』『談志の十八番』『「落語家」という生き方』『僕らの落語』『噺は生きている』『21世紀落語史』など、落語関係の著書を多数上梓。


「2022年 『小三治の落語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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