合衆国再生―大いなる希望を抱いて

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478003534

作品紹介・あらすじ

アメリカ経済の不安、二大政党制が抱える矛盾、テロや対外政策等に対する冷静な認識、そして、それらの解決に向けた具体的な政策が全編に記されている。日本が抱える現状の問題、そして将来起こりうる危機への対応法としても読める注目の書。

感想・レビュー・書評

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  • オバマ氏が上院議員になり、大統領候補となりつつあった時期に、自分の政治家としてのスタンスや政策の考え方について綴った本。
    硬派な内容でありながら、ユーモアも交えたよい本である。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/49545

  • ・ケニア人の父とアメリカ人(白人)の母。ハワイ出身。
    ・両親の離婚後、継父はインドネシア人。
    ・幼少期はハワイ、インドネシアで育つ。
    ・上院議員時代までは労働者の話にもよく耳を傾けていた。
    ・平和主義者ではあるが、やはりアメリカ人的な考え方。(自由主義、アメリカが世界をリードするべき等)

  • 【アメリカ人をアメリカ人たらしめているのは、この大胆不敵さなのだと思った。わたしの家族の物語をもっと大きなアメリカの物語とつなぎ、わたしの物語を有権者の物語とつなぐのは、アメリカ全土にみなぎるこの大いなる希望の精神なのだ】(文中より引用)

    バラク・オバマ第44代アメリカ合衆国大統領が、自身の経験を踏まえながらあるべき将来のアメリカについて綴った作品。訳者は、英米文学の翻訳家として活躍されている棚橋志行。原題は、『The Audacity of Hope』。

    改めて読み返すと、8年間に及ぶ政権期のすべてとは言わないまでも、その任期中の政策の土台を作り上げた要素がこの一冊に少なからず含まれているように感じます。現実・理性主義でありながら、同時にリベラルでもあるオバマ氏の政治姿勢を考える上でやはり外せない作品なのではないかと。

    あっという間にアメリカは表情を変えるなぁ☆5つ

  • 本著は2007年に当時上院議員のオバマ大統領が自らの政策をまとめたもの。
    当然のことながら、ここに記されている内容が大統領になってからの基本的な政策になっている。
    ちょうどブッシュ大統領後半のアメリカが抱えている諸問題を踏まえて、アメリカが採るべき政策をポイントを的確に押えた上で、誰にも分かりやすいように簡潔に述べている。
    大統領になる程なので、当たり前とはいえるのだが、国家の諸課題を確りと整理し、それらを目標とする政策に結び付ける能力は素晴らしいと感じた。
    本著は当時、アメリカでもベストセラーになっているが、ここに書かれている政策が多くが国民の共感を得て、彼を大統領に導いたのだろう。

    現在、2016年大統領選真っ盛りであるが、論じられている多くの政策について過去の経緯も知らないと理解が難しいことがある。例えば、ある政策について何故国民がこれ程反応するのか?日本人では理解できないことに出くわす。
    その意味でも本著は政策の生い立ちに溯ることになるので読んでいて思わず頷いてしまう部分が多々あった。
    また、現在の政治情勢を理解するためには、アメリカの政治形態そのもの、歴史(特に建国精神)も理解する必要があり、その観点でも参考になる。
    略10年前に書かれた本だが、一読の価値は多いにあった。

    ここに書かれている政策の内、現在でも解決に至っていないものも幾つかある。
    大統領といえども議会の協力なしには政策を実行に移せない。特に共和党が多数を握っている今の議会では尚更だ。
    個人的にはオバマ大統領は様々な功績を遺した偉大な大統領の一人だと評価しているのだが、多様な価値観が渦巻くアメリカの政治の中で政策を実行することの難しさを改めて感じた。

  • オバマが上院議員時代に書いた本。演説より具体的に彼の問題意識がわかってとても面白かった。どの問題も、今の日本人にとってもけっこう考えさせられる問題だが、一番最後の方の、雇用や家庭についての部分がわたしの今の関心に添っているせいかもしれないが、面白かった。外交やグローバリゼションについての考え方はこの時点ではかなり抽象的だったかなという気がした。

  • 2007年出版、オバマ氏が語る政策のまとめ

  • ここに書いてある政策論やらなんやらは賛否両論あるだろうし、そもそも自分にはアメリカの政治情勢やら内政問題やらはさっぱりわからないので、そこらへんは特に興味がありませんでした。知りたかったのはオバマの性格やら志向やら、そんなものが感じ取れればと期待して本書を読んでみました。

    読んでみて思ったのは、この中にはオバマが考えるアメリカの現状や対処などが非常にはたくさん、しかも明確に書いてあるのですが、こういうことを本に書いて変更できないようにしてしまう、これだけですごいんじゃないだろうかと思いました。

    他の政治家の本は、正直なところあまり読んだことがないのですが、抽象的な話が多く具体論に欠けるという印象を持っています。でもこの本では、自分の体験に基づき、自分の支持する政策、辞めるべきだと思った政策、自分がどんな意見をもってどんな法律を作ったのか、そういったもとを事細かに書いています。もちろん中小的な話もあるのですが、きちんとそれでどうしたいかなどを書いてあります。

    昨日と今日では言ってることが全然違うどこかの国の政治家と比較してしまうと・・・ちょっとげんなりですね・・・身内を恥とは思いたくないものです。

    それと、前半部分で2大政党制についての批判が書いてあるのですが、ここのくだりが面白いなと思います。自分は民主党員であり、民主党の政策に自分の志向が近いことを素直に認めつつも、相手もしっかり尊重するべきといったような発言を繰り返しています。さすが、マイノリティから生まれた大統領だけあって、そういったバランス感覚に優れている人なんだと感じました。

  • 特に人種問題、社会福祉問題について、当面アメリカが採るべき政策の方向性が、オバマ自らの濃厚な体験に照らして、説得力豊かに述べられる。人が信じるべき誠意や希望が熱く語られており、ヒューマンな雰囲気に満ちているが、反面、国際問題やマクロ経済の問題については、具体性に乏しい。

  • 昨年末にこの本を読むまでは、オバマ氏についてはあまり知りませんでした。しかし、この「合衆国再生」を読んで、アメリカに何十年に一度の本物の政治家が現れたと感じました。彼の経歴、実践、政治への信念が正直に自信に満ちた形でここには書かれています。ワシントンのロビイストや影響力のエージェントの手にある政治を、懸命に生きて幸せになろうとしている一般市民の手に取り戻そう。そして、アメリカ建国時や公民権運動の時代の精神を思い出し、「分断」ではなく「信頼」と「連帯感」に基づく国づくりにもう一度励もうと、オバマ氏は語りかけています(実際に彼にはケネディーやキング牧師に似たカリスマ性があり、スピーチも非常にうまい)。オバマは文章もうまい、本書は翻訳もいい。これに興味を持てれば、95年に書かれた自伝もお薦めです。オバマファンになった私は、本書をもう一度読み返しながら、原文のニュアンスも知りたくてPaperbackもオーダーした。

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著者プロフィール

アメリカ合州国の第44代大統領。カンザス州生まれの母とケニア生まれの父の間に、ハワイで生まれる。本書のアイデアは、2人のむすめマリアとサーシャと過ごしているときに思いついた。その後大統領に選ばれ、現在は妻のミシェル、むすめたち、愛犬ボーといっしょに首都ワシントンにあるホワイトハウスで暮らしている。

「2011年 『きみたちにおくるうた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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