ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478012840

感想・レビュー・書評

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  • プロは違いを明らかにする、やっけ。
    アマチュアは、、なんやっけ。

  • 本書でも記述されているとおり、いわゆるハウツー本ではない。過剰すぎる消費世界に身を置く私達に、本当の意味での「差別化」を気づかせてくれる一冊。

    ■選択肢の増加=多様化ではない
     ・プロは違いに気づくが、素人は類似点に目が行く。
     ・微細な差別化→無意味な差別化、「異質的同質性」

    ■ブランド
     ・リバース・ブランド(世の流れの逆を行く)
      Google(価値の付加→引き算)
     ・ブレークアウェー・ブランド(既存の分類を書き換える)
      ソニーのAIBO
     ・ホスタイル・ブランド(高感度に背を向ける)
      ミニクーパー

    ■マインドレスネス
     ・一定のやり方に慣れ過ぎると、体を動かしていても、
      頭の中は惰性で動く。
     ・類似性は静止状態、違いは活動状態。

  • タイトルにはビジネスで~ってありますが、完全にマーケティング書。

    ロジカルシンキングや、消費者調査によって考案された差別化が、逆に製品の同質化を招き続けていることに警鐘を鳴らしています。

    本当の差別化を達成した例として

    ・敢えて便益を削ぎ落として成功したGoogleのような「ホスタイルブランド」
    ・ハイテクロボットではなく、愛玩ペットと自らを定義することで成功したIAIBOのような「ブレイクアウェーブランド」
    ・敢えて消費者に媚びないIKEAやホリスターなどの「ホスタイルブランド」

    など

    とてもいい本で、読みやすいのでお薦めです。

    ただ、「コトラーの水平的思考」に内容は基本的に同じです。まあこちらの方がいい本ですが。

  • タイトルに釣られてまた俗っぽい本を読んじゃいました...orz

    自分の理解では本書のテーマは
    「消費者にとって意味ある商品・サービスの差別化をいかにして行うか」
    を事例から考えるというもの。

    企業的には有意な差でも、消費者にそうでない場合もある。

    自分のケースで言うと、一つのカテゴリーが当たると、”微妙な差を持つ”ほぼ同じ商品が溢れる。ミネラルウォーターとか家庭用食器洗剤なんかそう。選択自体はストレスなので結局価格勝負になり、安いプライベートブランドに落ち着く、ということが多い。消費者的には良いんですが、企業的には利益を削るチキンレース。

    ケースでは、IKEA、ハーレー、Google、AIBO(順不同)などがケースとして紹介されている。結局は、他社の真似ではなく、自社ブランドの提供する価値を煎じ詰めてアピる、ってことになるんだろうか。

  • 原著のタイトル「different」の差別化というワードに全てが込められている。企業は差別化をしようとしても、自覚なしに同じ方向を向いてしまう。本書で言うところの「異質的同質性」という現象が起き、消費者にとっては同じ商品カテゴリーなら違いはなく思え、さらにうっとうしくさえ思ってしまう。私にとっては液晶テレビが思い浮かぶ。著者はこれらを避ける差別化として3つのアイデア・ブランドを示している。日本のテレビCMに飽き飽きしている自分にはうなずける文脈が多くあった。ただし、実用性を求める読者には向かない本かもしれない。著者がすべてをはっきりと述べ切れてない点を人間的な大切な何かに求めていることは、差別化戦略の難しさと可能性を示している。

  • マーケティングをする場合は当たり前だが「人間」を「人間」として考えなければならない。

  • ・ビジネスの成功の要は競合他社といかに差別化できるかである。ところがその差が細かくなりすぎて、多くの消費者がいぶかしく思う段階に達すると、差別化は無意味になる。
    ・企業は一丸となって競い合っているが、同時に企業は特殊な模倣の達人となり意味ある違いを生み出すという使命を見失っている。
    ・消費者にたずねるということは「まだ手に入れていないものは何か?」だけではなく「競合他社が何を提供しているか」をたずねるに等しい。これが市場調査の問題点。
    ・私たちの競争センサーは他社とつかず離れずの関係を保たせようとする。カテゴリー内の競争が激化するにつれて競い合う企業は群れと化す。
    ・理論的には競争が激しくなればなるほど、差別化への取り組みは強化されるはずだ。だが現実には逆で企業が熱心に競い合うほどその違いは消費者の目から見て小さくなっている。

    【製品を改善する方法】
    1、付加型
    ex:歯磨き粉
    虫歯を防ぐ+口臭の解消、歯石の除去、白い歯

    ・企業は消費者に新しい便益を加えた価値提案を行う。
    ・消費者が喜ぶ
    ・競合がそれに追いつこうとする。
    ・付加されたカテゴリーがそのカテゴリーの標準となる。
    ・顧客満足度を再度測定する。昨日はありがたがられていたものも今は当然だと感じられている。
    ・競争の結果、カテゴリー内で最低限要求されるハードルが高くなる。
    ・ステップ1に戻る。
    →製品の拡張はコモディティ化と高コスト化を加速させる。

    2、増殖型
    ex:コーラ
    ダイエットコーラ、レモン、チェリーetc

    企業は見逃していた消費者のポケットに到達しようと努力を尽くし市場をどんどん小さなセグメントと切り刻んでいく。しかし同時にそのセグメントは有名無実化する。この段階でカテゴリーは選択肢の激増と意味ある違いの縮小という最悪な状況に転落する。ここでもコモディティ化と高コスト化を加速させる。

    →無意味な区別を巧みに差別化に見せかけているのがビジネスの現状。かつては変化がゆっくりと慎重にもたらされ、次への礎石が築かれた後に新たな一歩が踏み出されていたが、今や変化が急速かつ無節操に起きていて、さほど意義があるように思えない。「過度の成熟」の段階。過度のセグメント化、過度の拡張、過度の競争の結果、変化そのものがコモディティ化する。

    【差別化を実現させるには?】
    競争ではなく、競争からの脱却が必要。アイデアブランドになる。

    1、リバースブランド
    →顧客が期待している拡張への流れを意図的に断ち切る。他社が競争に欠かせないと見なしている便益の提供を控える。期待するものを取り上げ、期待していないものを提供する。リバースブランドは除去すると同時に向上させる。なぜなら過度に成熟したカテゴリーには満足しすぎている顧客が大勢いるから。「もっともっと」が当たり前になっている時こそ、少ないことの価値が生まれる。
    ex:グーグル、ジェットブルー、イケア

    2、ブレークアウェーブランド
    私たちに別の枠組みを提示し、変容を促す。新しい定義を通して製品にアプローチするよう私たちを招いている。先入観を棚上げし、過去の体験にとらわれずに試してみませんか、と誘っている。
    *人間の傾向として反射的、自動的に物事を分類、定義する。私たちがカテゴリーにつけるタグは見かけ倒しで非合理的、ときにまがいものの場合すらある。とはいえ消費行動に大きな影響を及ぼしている。
    ex:AIBO、スウォッチ
    *AIBOはロボットではなくペットというカテゴリー化。

    3、好感度に背を向ける「ホスタイルブランド」
    消費者に媚びずにその気がないふりをする。製品の欠点を率直に語る。製品が容易に顧客の手に入らないようにする。顧客を魅了するのと同じきらい嫌悪感を抱かせるメッセージを提供し、心地よいプロモーションを拒否する。消費者の懸念には一切反応せず市場のフィードバックにも妥協してはならない。見返りはこれ以上にないほど純粋で偏ったポジショニング、極端なまでのブランドの差別化。
    ex:ミニクーパー
    *ミニクーパーのキャンペーンは慣例を無視。当時は皆ミニクーパーに興味を持ちながら小ささに不安を感じる、ボーダーラインの顧客がかなりいた。そんな中展開した広告は「この車が小さすぎないかって?ほら、あなたが考えているよりずーっと小さいんですよ」というメッセージを出した。

    ・消費者と同じ目で見ることが重要。消費者の目にはびんやりとカテゴリー全体が見えるだけで、個々のブランドは映っていない。この不鮮明さから抜け出すこと。それが「違っている」ということ。

  • ダイヤモンド社の編集者はこの本をなぜ発刊したかったのかわからない。ブランドの置かれた立場はそれぞれ異なり、筆者の述べるようなポジショニングが取れるブランドとそうでないブランドがあることは明白。もちろん誰もがアップルやイケアになれないことはより明白。独り言のような表現が散見されて、自身のビジネスにはすみません、あまり参考になりませんでした。

  • リバースブランド、ブレークアウェイブランド、ホスタイルブランドというこれまでの枠組みを超えてブランドを構築することで、真の意味での差別化を図る。ほんの少し違うのではなく、大きく違う。差別化は手段ではない。考え方だ。

  • 著者が女性だからか、全体的に人間味が感じられた。
    ただ、各事例をもう少し掘り下げでくれたらもっと面白かったと思う。

    全体的にぼんやりとした印象。

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