- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478017180
作品紹介・あらすじ
北海道日本ハムファイターズとセレッソ大阪。2つのチームを再生・変貌させた要因は、「その土地の特性を生かすこと」だった。
感想・レビュー・書評
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情熱がよく伝わってくる。
ベンチマークとして、もろもろの取り組みをまとめておこう。
コスト意識の浸透。
何がプロスポーツの提供できる価値なのか。
それと地域密着の関係。。。
さて、あと2冊ある。
※160818追記
まっさきに各部署・各担当の業務内容を確認したとある。無駄な業務はないか、暇してないかなど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
筆者は、セレッソ大阪と北海道日本ハムという不採算チームを、地域密着と組織の意識改革によって、強くて人気のあるそして黒字経営のチームへと変貌させた。
・自分の役割・・・「地域密着」と「黒字転換」
・達成のために・・・ビジョンの提示と戦略の構築、粘り強さが必要
・重要なこと・・・自ら動いて組織の意識改革を図る。 -
この時代の北海道日本ハムファイターズ(新庄剛志)はプロ野球界でも圧倒的存在感を放っていた記憶があったので、読んでいて面白かった
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バイエルン始まり、大阪経由、北海道で花開く。
一言でまとめるとこういうことだろうか。
日本のスポーツ界でプロ野球とJリーグの社長を社長を務めた唯一の男、藤井純一。
斉藤佑樹を引き当てた男、「持っている」社長としての方が有名かもしれない。
2012年に最初の読んだ一冊がこれで良かった。
こういう人物が増えれば日本のスポーツ界の未来が明るくなると思えた。
藤井純一氏の特筆すべきところは、ひょっとするとスポーツの門外漢だった事もしれない。
本人曰く、
「球技はもともと苦手で、サッカーに関しても野球に関しても、知識はほとんどなかった」
ただし逆境に燃える優秀なビジネスマンだった。
そしてここがポイントかもしれないが、営業と宣伝両方を経験したビジネスマンだった。
つまり算盤勘定もできつつ、チームの認知と興味を広げるノウハウを同時に併せ持つマネージメントができる人物だった事が伺える。
セレッソとファイターズの共通項は、日本ハムが出資していること。
藤井氏は日本ハム出身のサラリーマンだった。
ヤンマーのサッカー部とカプコン(後に撤退)、日本ハムの3社が集まって誕生したセレッソ大阪はまもなく赤字まみれの状況だった。
当時の会長は後のJリーグ会長の鬼武氏。
ここからが面白い。
ノウハウを得るためにバイエルン・ミューヘンとアドバイザリー契約を結び、クラブ経営のノウハウを全面的に習う。
このアドバイザリー契約を結ぶ経緯がおもしろい。
現会長のウリ・ヘーネスの実家がハムの会社を経営している関係から日本ハムが紹介してくれたとのこと。
運命とはおもしろいものだ。
藤井氏は1ヶ月以上ドイツに渡り、クラブ経営を全面的に学ぶ。
組織図、マーチャンダイジング、選手の獲得・評価と後のファイターズ経営に役立つことをここで身につけていく。
そこからは自転車で20分以内のエリア戦略のもと、サポーターと地域の商店街などを巻き込んでセレッソを黒字経営へと導く。
強化と育成の道筋も人事等を通してつけていった。
ここで彼のスポーツ界の挑戦の第1章が幕を閉じる。
次の彼のチャレンジは多額の赤字を出していたファイターズ。
北海道に移った球団での課題は、20分以内の狭い地域のエリア戦略ではなく、北海道全体の広域な戦略。
「セレッソ以上のぬるま湯」と表現した当時の球団経営を彼はまた変えていく。
組織図、マーチャンダイジングのあり方、コスト削減、ファンサービス、地域密着。
広域のファンに向けてメディア戦略も抜かりない。
北海道のテレビ局にうまく放映権を売り、そして各局番組で取り上げてもらえるよう交渉した。
そして球場に来てもらって楽しめるよう様々な工夫をこらした。
715チケット、オヤジナイト、屋台、物産展、乙女の祭典、選手の抱き枕販売。
その他オリジナルのアイス販売等もある。
そしてもう一点ファイターズの地域密着に大きかった要因がある。
選手と監督である。
札幌ドームを満員にするとファンサービスの意識が高った新庄を筆頭に、稲葉、森本などファンとの交流を積極的に行った大人なオープンな集団だった。
そしてファンサービスの大切をアメリカ時代から理解しているヒルマン監督の協力。
彼らの存在なくして北海道に根を下ろすのは難しかっただろう。
さらにバイエルン流の選手獲得・評価の方法を野球用にカスタマイズし、安定して上位争いに絡む球団にすると共に経営状態も大きく改善された。
6年間在籍し、黒字転換のみならず黒字体質に球団を変えたところで、藤井氏は次の挑戦へと移った。
現在は近畿大学教授としてスポーツビジネス・マーケティング・コミュニケーションを教えながら、次の優秀なスポーツビジネスマンの育成に励んでいる。
現在日本のスポーツ界は、企業スポーツの衰退を受けて様々な形態で生き残り、発展途上の未知を模索している過程である。
bjリーグ、個人アスリートのスポンサー、その他ラグビー、バレーなども積極性の有無はあれど様々な試みをしている。
プロ野球でさえ球団経営は大きな課題だ。
しかし経営者の育成に関しては、あまり話を聞かない。
チームが危機に陥ると次の会社がスポンサーに名を挙げて経営者が変わって終わるのが関の山。
うまくいけばその会社の優秀なスタッフが良かったという話で、スポーツ界に名経営者が生まれた話ではない。
この現状を打破すべく、もう一歩話を進めて、これらからはスポーツチームの経営をいかにするか?
人材をどれだけ育成するかに焦点を当てなければならない時期に差し迫っていると言えるだろう。
藤井氏は日ハムの計らいでたまたまバイエルンと出会う事ができた。
もっともっと海外からビジネスを学ぶ時期ではないだろうか?
長谷部、長友、本田と選手が海外に渡っているが、これからはビジネスマンも海を渡る時代ではないだろうか?
そしてそのノウハウを持ち帰り、日本が世界に打って出れるようなチーム作りに励んでもらいたい。
藤井氏の教え子の活躍が期待される。 -
前)北海道日本ハムファイターズ球団 藤井社長によるスポーツビジネスの本。セレッソ大阪で学んだノウハウをファイターズへ導入したことが成功の鍵。日本版「マネーボール」ともいえそうだ。
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★コストコントロールを知りたい★ファイターズ日本一で改めて読んだ。セレッソを含めて営業の工夫はエピソードとしていくつか出て来て納得する(セレッソは自転車で20分の範囲を営業、求められていないサッカー教室を有料化、野球では変わったチケット)。どちらかというと読み物で、独自の評価方式は分かるが、選手年俸を抑えながら強さを保つ仕組みを具体的に知りたい。
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北海道日本ハムファイターズとセレッソ大阪。2つのチームを再生・変貌させた要因は、「その土地の特性を生かすこと」だった! プロ野球とJリーグで社長を務めた男が、スポーツビジネスを成功に導くための鉄則を綴る。
ドラフト会議で斉藤佑樹を引き当てた時に大喜びした映像が印象的だった筆者。この本の内容はビジネスの世界では当たり前のことばかり言っているようだが、セレッソ大阪にしても日本ハムにしても親会社からの出向社員に危機意識がなく、そこからのスタートだったのだから致し方ないのかも。
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日本のスポーツビジネス(Jリーグ&プロ野球)で成功を納めた第一人者の本。スポーツ観戦が趣味である自分にとって分かりやすい題材で、ビジネスやマネジメントの基本、成功への心構えについて学ぶことができた。地域密着がこの本のキーワードだったが、自らのビジネスに置き換えて考えて、早速取り入れられるヒントも多かったように思う。
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”地元に愛されることが、スポーツビジネスを成功に導くための鉄則である。成果を挙げることができたのは、その鉄則に忠実だったからだ”