人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
- ダイヤモンド社 (2012年2月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478017975
感想・レビュー・書評
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先日西條さんの講演会があり、それに参加したのをきっかけにして、この本を読みました。講演会でのお話も、この本の内容にも、うん、うん、なるほど!ほんとうにその通りだ!と納得することが多かったです。特に6~7章の組織運営についてのくだりは、自分の仕事やボランティア活動を続けて行く上で大変参考になりました。早速Facebookのふんばろう東日本支援プロジェクトのFunbaro_allグループに登録しました。今後、何かの形で活動したいと思っています。
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なぜ、日本ではジャスミン革命が起こらないんだろう?と思っていた、インターネット、SNSがこれだけ盛んなのに。
でも、日本では、SNSを利用したすんごい仕組みが動いていたのだった。
「ふんばろう東日本支援プロジェクト」あの大きな仕組みが、こんなにも個人的なきっかけで始まっていたとは...
「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は、震災後の大混乱のなか生み出された仕組みだが、必ず来ると予想されている東南海地震、東海地震でもこの仕組みは有効に機能するだろう。
その日に備えるためにも、ぜひ一度読んでおくことを薦めます。 -
東日本大震災における被災地支援の大きなうねりの一躍を担ったプロジェクトの活動の様子と、ボランティアの集合体という無形なものを、いかにして実態ある組織にまとめ上げたのか、その内部構造が良く分かります。
ボランティアに参加したことのある人、あるいは、ボランティアと被災者をマッチングする立場に立ったことのある人は、その組織化と運営がいかに難しいことなのかを実感しているはず。
私自身、何度もボランティアに参加し、そしてNPOの運営に携わっている者として、本書は、組織運営のお手本として大いに参考になった。
組織論としては、ビジョンの共有、目標の設定、プロジェクト組織の有効性、権限移譲と情報共有の重要性などについて読み取ることができる。
「ふんばろう」とは別に、私自身、仲間と一緒にNPOを立ち上げ、今も支援活動を続けている。また、NPOの仲間とは別に、継続的に現地で活動を続けている知人もいる。
私自身も含め、皆それぞれの思いを抱えながら、今も活動を続けているのだが、本書ではあまり触れられていない、そんなボランティアの様々な思い。それを、「今の思いの記録として文章に記しておきたい。」と、本書を読んで、改めてそう感じた。
皆それぞれが、それぞれの思いを記すことで、
様々な人達の共感を生み、うねりは伝播し、より良い未来へとつながっていくはず。そう信じたい。 -
おもしろかった、というのは、東日本大震災を題材にした本の感想としてはふさわしくないのかもしれない。
もちろん、東北の状況や筆者のおじさんのお話などには胸が詰まり、時には電車の中で涙した。
「ふんばろう東日本」が本当に多くの被災者の方を救ったことに感動した。
けれど、この本はそれだけではない。
ボランティア組織だけでなく、いろんな組織の運営に役立てることができると思う。
一年前にはこの本の存在を知っていたのだから、一年前に読んでおけばよかった。
そしたらサークルの幹部としてもっとなにかできたかもしれない。
西條さんでなければこのプロジェクトをまわすことはできなかっただろう。
そして、わたしなんかが言うのも変だけれど、西條さんが今の日本にいて本当によかったと思う。 -
もうすぐ2年がたってしまうのだが、段々報道が少なくなってきているし、ボランティア活動も下火になってきたと言われているので、あらためてあの日をきっかけにおこなわれたいろいろな活動を振り返りたくて手にとった。このプロジェクトの代表者、西条さんはほぼ日で紹介されるまで知らなかった。
でも読み始めるとすぐにファンになった。腰の低い、謙虚な姿勢で、よくNPOで活躍している大声で正義を声高にさけぶスタイルとは真逆だったのが好感がもてたからだ。「公平という呪縛」にとらわれがちな日本の組織の問題点とそれに関する対処策がとくに会社組織にも通用すると思った。この本はできるだけ大勢の人に読んでもらいたい。そしてこれからも支援を続ける人の輪を拡げていきたい。 -
この時期、東日本大震災の検証報告が出始めてるが、地震・津波、避難行動の状況分析が主で、このように支援側からの検証というのが新しかった。行政の不機能ぶりは相変わらずで情けなく思う反面、人(ボランティア)の思いの素晴らしさを実感できた。そこでのIT活用に興味をそそられる。道具は使いようである。また、組織についての話もすべてに活用できる内容でうなずける部分も多々あり充実した読後であった。
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東日本大震災の被災者支援において、国や自治体、赤十字社等どの組織よりも有用できめ細かい支援を続けているボランティア・プロジェクト「ふんばろう東日本支援プロジェクト」。
震災後から約一年に渡る西條さんと「ふんばろう」の軌跡を綴った本書は、実は良質なビジネス書でもある。考えてみれば西條さんの本業はMBA講師なのだから当たり前か。
組織マネジメントのコツがぎっしりと詰まっている。 -
世の中にはすごい人もいたもんだ。
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ボランティア経験無しの大学院講師が、震災を機にこれまでにない支援組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、素早く、大きな成果を出した。今、困っている人を助けるために最短の手続きでプロジェクトを実現していくには。アマゾンの「欲しいものリスト」を援用して、助けたい人がすぐにアクションできる仕組みを作る、自治体の力ではどうにもできなくなった膨大な支援物資を人と知恵とネットでたくさんの被災者の方へ届ける、思いつきと行動力、組織力は素晴らしい。モットーは「5%は仕方ない」とすること。すべてのことを完璧に行おうとすると、リスク管理に膨大なエネルギーを割くことになりとたんにパフォーマンスが下がるという。最後の5%にはこだわらず、どんどん迅速に行うことが成功の秘訣とのこと。学ぶことの多い本だ。
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短期間で素晴らしい支援組織を作り上げ、実行したこと行動力に感心。また、企業や役所に有りがちな前例主義、事なかれ主義を打破し、被災者支援という目的を明確にして追求して行った姿勢は、大企業病に陥り、機能不全となっている日本の会社員、公務員としても、是非とも見習うべきである。企業にとっての目的は顧客満足で有り、役所の目的は住民の満足であることを再認識して欲しい。