マッキンゼー―――世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密

  • ダイヤモンド社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478023518

作品紹介・あらすじ

初めて明かされる頭脳集団の全貌。OB・関係者への膨大なインタビューをもとに描くノンフィクション決定版。

感想・レビュー・書評

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  • マッキンゼーという企業の名前を聞かない日はない。書店に行けば関連の自己啓発本が山積みされているし、就職活動が始まれば嫌でも耳に入ってくるだろう。しかし、マッキンゼーを含めたコンサルティング会社について深く理解している人は少ない。その中で本著は、マッキンゼーとはどのような企業か、コンサルティング業界とはどのようなものかを教えてくれる。
     極言すれば、マッキンゼーなんてロクなものではないということを著者は膨大な取材と事実に基づき伝えている。特に、繰り返し述べられ強調されている点は、事業の社会貢献性についてだ。「実行をはなれて助言はない。」というのは小林秀雄の言葉だが、コンサルティング会社は実行を意識した提案は基本的にはしないのである。つまり、提案の内容には価値が低いのだ。
     それを象徴する例として、創業者であるジェームズ・マッキンゼーがマーシャル・フィールドというクライアントから同じ立場だったら実行できるのかと尋ねられ実際に自身の提案を実行するというエピソードが紹介されている。詳細は割愛するが、彼は経営改革の実施の過程で心身ともに疲弊し後に言葉よりも行動が難しいと周囲に伝えていたという。
     内容としては違和感なく読めるのだが、文章が非常に冗長なので、コンサルティング業界に興味・関心があるという人以外は読むのがつらいだろう。
    ----------------------------
    内容:★★★★★
    価格:★★★☆☆
    平易性:★★★★★
    簡潔性:★★☆☆☆

  •  大晦日に読んだ2021年最後の本。この本を読んだ理由は、自分の周りにマッキンゼー出身の人が複数おり、彼らのいた会社はどのような所なのかと知りたいと思い手に取った。読んでみて感じた事は、経営における新たな価値観や切り口の提供と自社のブランディング戦略とその時代背景も相まって成功した結果が今に生きている。
     会社の拡大により、世界規模のネットワークという武器と同時に多様性のある人材を手にいれたが、物事は二面性があり、人材の育成や質に関しては、維持が難しい事や新米MBAホルダーがあつまる事により、事業会社を経験していない人が比較的多い点には賛否がある。しかし、同社の卒業生は、世界中の事業会社でCEO等になる人も多く、その存在は間違いなく、一流のファームであり踏み台(昇格して去る)となっている側面もある。
     日本のビジネス海で有名な大前研一氏についても触れられており、その存在と同社の中でも際立った存在、エンペラーであったようだ。
    個人的には、会社の大小に関わらず経営の問題は似ていると思った。そして、今後自らが進むべきヒントも得られた。
    ※少し内容構成が分かりづらかった為、星3つにしました。

  • 「マッキンゼーとは一体どんな会社なのか?」

    この疑問から手にとった本です。

    この本では、マッキンゼーの生い立ちから変遷、問題点と課題を書かれたノンフィクションの本です。

    マッキンゼーがいかにして巨大で影響力のある組織になったのか時系列的に書かれているので、アメリカの経済史も理解できる本になっています。

    マッキンゼーと言えば、「アップ オア アウト(昇給するか出ていくか)」が有名です。

    ただ、会社を辞めた後も、マッキンゼー出身者は、「アラムナイ(同窓生)」という組織で繋がっており、辞めた後も「マッキンゼー」として各業界に影響を与え続けている事に「マッキンゼー」繁栄の理由を感じました。

    「リーダーシップとは人々を従わせることだが、従わせる前に、進む方向を選ぶ必要がある。このようなサービスには常に需要があり、それこそがまさにマッキンゼーが提供しているものなのだ。(p.388)」

    相談相手の欲しいトップのCEOにとってたとえ高額な支払いが必要でも頼りたくなるのがマッキンゼーなのでしょう。

    知らない世界を垣間見れた気がして大変興味深い本でした。オススメです。

  • 世界的に有名なコンサルティングファーム、マッキンゼーの創業期から今に至るまでを、綴ったノンフィクションルポルタージュです。
    経営学をかじり、また大前研一さんや南場智子さんなどの著書を読んだ身として、興味ある存在だった組織でしたので、いつにも増して集中してページをめくりました。
    意外だったのは、組織力重視の保守的な面も持ち合わせていたこと。全てがMBAホルダー達自身の頭脳明晰な個人力で、課題解決をしていると思っていたので。
    大前研一さんの様な方は、逆に異端児だったらしい。もちろんスーパースターという面でだが。
    それなりの統一された分析フレームや、グローバルでの専門家リストがあり、誰がコンサルティングしてもある程度の水準を確保できる様なナレッジシステムがある様です。
    面白いと思ったのが、一流企業、経営層をターゲットにしており、一度関与したら離さない一面があるということ。そして、優秀な新人はOJTで鍛えていく。そのコンサルティング企業の資源こそが、新人の教育・スキルアップのための費用となる。
    そして、一流のブランディング構築による、かなり高額なコンサルティング費用。
    さらに企業側からは、レイオフなど従業員への防波堤としての活用、マッキンゼーというブランドを利用しての企業価値向上、マッキンゼーに眠るコンペチタ企業情報の入手 など、本来の課題解決以外での契約理由もある。
    まさに未来永劫の持続的繁栄のための、強固なビジネスモデルが構築されていることに感心しました。
    今のトップであるドミニク・バートンは、韓国、中国などアジアでの経験が豊富。
    抜け目なく合理的。
    内なる敵は、グーグルなど新興のIT系企業への人材転出だが、当面はアメリカ発のコンサルティング・ファームの繁栄は持続しそうです。
    恐るべし、アメリカ。

  • 世界を動かす頭脳集団、マッキンゼー。名前はもちろん知っていたけど一緒に働いたことはなく、興味を持って読んでみた一冊。マッキンゼーの始まりから出版された2013年までの仕事やスタンス、世界に与えた影響なんかがトップの変遷とともにまとめられていて、コンサルティングについての理解が深まった一冊でした。ただ、自分は誰かのコンサルティングをするよりも自分の手の届く範囲のエンジニアリングの方が向いてそうかなと。提案に活かせるアイデアとかいくつかエッセンスはもらえたので活用していけるといいかなと思いまっす。

  • マッキンゼー

    貧しい農村生まれのマッキンゼー→マーヴィンバウワー
    会計士のイメージがあった



    1920のアメリカ
    1/3世帯にしか電気なく、1/5しか水洗トイレない

    ジェームズOマッキンゼーアンドカンパニー会計士経営工学士事務所

    最初のパートナーはAトムカーニー

    青魚に多く含まれるヒスチジンが痛むとヒスタミンに。

    人の全ての細胞には時計機構が備わっている。小腸大腸にもあるが腸内細菌にはない。

    夕昼朝の順で血糖値が上がりやすい。絶食時間も関係無いので結果は体内時計?

    間食しないと晩までに脂肪の分解が促進され遊離脂肪酸が血中に増えてインスリンの働きを妨害し高血糖になる。

    同性愛を解雇

    身長高い候補者を雇う

    バウワー
    ークライアントが事実によって示された道をたどる勇気を持てるようにするのが仕事であるなら、クライアントが感じそうな動揺と迷いを最小限に抑えるために、あらゆることをする必要がある。

    コンサルタントではなく、経営工学者

    スキーやるのはプロではない。笑った

    1959-1961には20の産業のクライアントのために働いていた
    石油だけで10%以上の請求
    戦略が1/5

    二次大戦がヨーロッパの殆どの多国籍企業に打撃を与えたのでアメリカのヨーロッパ進出は有利に。
    イギリスにあったアメリカ製造業の支社は1948に93.1971までに544に。

    シェルのベネズエラ経由の仕事でヨーロッパ進出

    プレタポルテのもじり、プレタパンセ
    複数事業部モデルで組織構造している

    アメリカからヨーロッパへの直接投資は1950に17億ドル。
    1970には245億ドル。

    1969までに収入の半分がアメリカ国外

    わずかな金額で若くて未経験な人材を雇い、それからクライアントの費用で教育させる

    1978ごろHBSの卒業生がコンサルタントの1/4を占めていた。

    アップオアアウトはクラヴァススウェインアンドムーア法律事務所が20世紀初めに始めた。

    アーサーDリトルのブルースヘンダーソンが1963にBCGを創設した。

    1950と1960はアメリカ企業の大成功に助けられていた。

    管理人が増えた
    合併が多い→売却が増えて
    ウォール街の投資銀行は1960にma部隊ない→1970後半には銀行の稼ぎ頭へ

    1968までに初の黒人コンサルタントを雇った。

    専門職員の年間成長率は7-8%

    経験のマッキンゼー、アイデアのBCG

    ビルベインが1973にBCGを飛び出しベインを作った。
    1産業1クライアント、コンサルティングがクライアントの株価を上昇させる。にコミット。
    ベインキャピタルはその流れで1984年。ミットロムニー。

    アルマクドナルドからダニエルへ。

    1978
    アーサーDリトル、ブーズアレンハミルトン、アーサーアンダーセンに続く売り上げ4位

    戦略にシフトし1979終わりには50%が戦略の業務

    1980、BCGはマッキンゼーの1/3
    1985までに1/5

    ピーターズ、ウォーターマン
    エクセレントカンパニー

    1980以降本を書きまくマーケティングしたマッキンゼー

    ドイツを大幅に伸ばしたヘンツラー

    トムピーターズ、ハーブヘンツラー、大前研一
    マッキンゼー三大スター

    1972.4500万ドル
    1987.5億ドル
    1991.10億ドル

    2005に初の黒人ディレクター 
    バイロンオーギュスト

    これで組織するな、あれで組織せよ

    事実上の産業スパイ

    コンサルティング産業生み出す、経営陣に向けた組織と戦略、IT助言

    1944 欧米人以外の初のMD インド生まれのラジャットクマールグプタ

    IQ、能力指数、人間関係指数

    2011 司祭を2人採用

  • コンサルティング業界への憧れと業界人の誇りに対する疑問が解けた、

  • マッキンゼーの社史。J.O.マッキンゼーの創業からマービンバウワー時代、そして現在までを時系列順に辿っている。
    要所要所で転換点となったクライアントや案件にも触れており、非常に勉強になりました。
    不正会計を起こしたエンロンとの関係性や、グプタ氏のMD時代と引退後の幹部陣のインサイダー取引などにも言及し、時代によって変容するマッキンゼーの価値観を知れました。
    そして東京オフィスからは大前研一氏が何度か登場します。彼の世界でのプレゼンスの高さは本社視点でもこれ程のものだったのかと感心しました。

  • プロフェッショナルファームとしての風土や哲学の維持と、規模拡大のバランスはとても難しい。

  • ☆神社のお札みたいなものかな。うまく行けば、ご利益だし、失敗しても、日頃の信心が足りないせい。

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