- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478039236
作品紹介・あらすじ
習近平は「百年恥辱」を乗り越え、「中国夢」を実現できるのか。フランシス・フクヤマとの特別対談収録「中国に『歴史の終わり』はやってくるか」。
感想・レビュー・書評
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中国という国が「民主化」するかというのは、単に中国国内の政治体制の問題だけではなく、外交、経済、軍事等の様々な側面に影響を与えるトピックだということが、よく分かった。
中国共産党の統治のあり方が、権力の分散や法の支配といった西欧で発達した政治体制をは全く異なる概念を前提にしている以上、「民主化」といっても単純に複数政党制による政権交代といったスタイルの大成が実現するという可能性は極めて低いと感じた。
一方、「改革開放」「三つの代表」「科学的発展観」と続いてきた中国の指導思想の先にあるものが、現在よりは多元主義的な社会体制であり、その先に何らかの「民主的」な中国が実現される方向に進んでいるということも、事実であろう。
筆者は、中国共産党の幹部を含めて中国および中国外交、経済、研究の前線にいる要人との接触の機会もあるようで、それらを踏まえて現在の中国の姿を解き明かす記述は、非常に興味深かった。
特に、習近平の人物としての特徴として挙げた以下の8つの項目は、意外性があるとともに中国の今後の動きを読み解くために、念頭に置いておくとよい事柄だと感じた。
①人の話をよく聞く
②ルールや前例を破る
③空気を読まない
④コントロール欲が強い
⑤最後は自分で決める
⑥リスクを取る
⑦行動が読めない
⑧党への執着と西側への抵抗
国(=党)が方向性を定め、人治により経済、外交、文化を主導していくというスタイルである以上、今後も中国が進んでいく方向性を見定めるためには、その中枢にいる幹部の人となりや思想を分析していくことが重要になってくると思われ、そのような観点から筆者のような深さで中国に関わっていく研究者は貴重であると感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
安定、成長、公正、人権の4つが統治力を測る鍵。
アメリカは中国の民主化を封じ込めようとしているのではという問いはタブー。
民主化と反日感情を関係性があるようにとらえようとしている。日本は民主化しているが、反中の世論が形成されているのがすごいと思った。