パーソナルデータの衝撃――一生を丸裸にされる「情報経済」が始まった

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478064832

作品紹介・あらすじ

個人情報が未来の通貨になる!「ニーズ・ウォンツ」を獲得するビジネスから、「消費者の意思」を中心にした経済へ。企業と消費者の関係を根底から覆す、新たなパラダイムシフトの幕開け。

感想・レビュー・書評

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  • 個人情報の取り扱い

    情報の入手・流用の方法
    再利用・構成の方法
    データリサーチ企業=一度登録した情報は消せない

    隠すこと公開すること
    どちらに利点があるのか

  • 「はぁ?」と思う人が多いことだろう。石油は古来「燃える水」として知られていた。精製することで灯油やガソリンとなり、ガスを生み、更にはプラスチック、ビニール、ナイロンなどの石油化学製品を誕生させた。一人のパーソナルデータは一滴の石油みたいなものだ。それが大量に集まると消費動向や社会現象が解析できるようになるのだ。
    https://sessendo.blogspot.com/2021/10/blog-post_11.html

  • 情報の価値を再認識
    ・情報がお金になる
    ・よりよい情報との付き合い方を提案
    ・ユーザ還元を主とした社会の実現

  • 1998年5月 宇治市住民基本台帳データ大量漏えい事件
     損害賠償 1,5000/1人(慰謝料1万 弁護士費用5000円)
    エステティックサロン TBC
     二次被害 慰謝料3万
     二次被害なし 慰謝料1,7000円

    500〜1000円の補償金
    裁判
     通常 1万円
     プライバシー情報、かつ二次被害 3万円

    JIJAのガイドライン 第5条(利用者関与の機会の確保)
    行動ターゲティング広告
    オプトアウト(広告配信の停止操作)

    第三者による追跡を拒否
     ゴーストリー(Ghostery)
     アドブロック・プラス(Adblock Plus)
     ディスコネクト(Disconnect)

  • ふむ

  • データビジネス(IoT/FinTech/クラウド)の最先端の動向に詳しいNRI城田さんの著作。毎度面白く読ませてもらっている。
    アメリカではデータビジネス、特にパーソナルデータの取引が進行している。グーグルやフェイスブックが広告で莫大な利益を生み出している一方で、その利益の源泉とも言えるユーザーは一銭も得ることができない(もちろん、サービスを受けている)。そうした背景からパーソナルデータの価値に着目する動きがある。フェイスブックやツイッターの売上/ユーザー数で試算すると年間1-7ドル程度の価値にしかならないようだ。
    近年の方向性として、IT企業が一方的にパーソナルデータを取得し利益を得るという一方通行なビジネスではなく、ユーザーにコントロール権を持たせる流れがある。アマゾンやフェイスブックではそのような動きが見られる。知らないところでデータが売り買いされるのではなく、パーソナルデータの保有状況を可視化し、使用方法をユーザーがコントロールできることが重要になっている。

    ー以下、メモー
    NRI城田真琴さんと経営コンサルタントの小林啓倫さんの書籍はいつも新しい情報を与えてくれる(どこからこんな情報を仕入れているのだろう)。データの売買やコントロール権の話は間違いなくこれから日本にやってくる。CCCや楽天などがすでに取り組んでいるかもしれない。
    パーソナルデータはプライバシーに関わることなので、どうしても日本は腰が重たい。欧米が100歩先を行っている。
    データを公開するということ。国が公開してくれると民間は非常に助かる。一方で、民間がもつデータを公開することの意味とはなんだろうか。APIエコノミーのごとく、他社がサービス協力者となり、経済圏を築くことになる?
    アップルの考え方が面白い。「素晴らしい顧客体験が顧客のプライバシーを犠牲にして得られるようなことがあってはならない。」

  • -

  • サービスの対価としてパーソナルデータが集められている今、その何が問題で何がメリットでどういう展望があるのかが、わかりやすくまとめられている。
    各章ごとに最後は教科書の様にまとめが箇条書きに記述されていて、理解を助けてくれるし、文章は読みやすく、コラムなどもあり、さくさく読むことができた。

  • 2015年刊行。著者は野村総合研究所上級研究員。

     ネットワークへの接続で個人情報が知らぬ間に集積され、様々な用途に利用されている実態を明らかにする。

     この中では、集積個人情報の価格算定手法は興味を引く。

     なお、知らぬ間に集積された取得情報の開示請求と情報削除請求権をどう現実化するか?、という問題意識は不可欠か。

     結局、スマホは持ち歩かない、簡単なことにアクセスしない、電源をつけっぱなしにしない(毎日でなくても)。ネットで物を○○な○、あるいはアクセスするパソコンを○○○○にする。そして、ツもFも論外ですか。

     さらなる問題意識醸成のために再読は不可欠か。

  • 従来の個人情報という枠を超えスマートフォンやウェアラブルデバイスにより知らず知らずのうちに収集されるパーソナルデータ。「新しい石油」として、様々な関連ビジネスが生まれつつある中、主にアメリカ・イギリスの事例を中心に、最新のパーソナルデータビジネスの概況をまとめた一冊。

    これを読むと自分が思っていた以上に、パーソナルデータに関するビジネスがアメリカでは活性化しつつあることに驚かされる。日本の闇中小企業的な名簿屋と異なり、圧倒的な量とオプトアウトの仕組みも兼ね揃えたアメリカのデータブローカーの存在や、EUにおけるパーソナルデータの管理の主導権を消費者側に取り戻させるための様々な法整備など、日本がだいぶ遅れている面は否めない。

    是非はともかく、現状は日本でも自動車保険等の分野で活用されつつあるパーソナルデータの可能性を知るのに最適な印象。あっという間に読んでしまった。

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著者プロフィール

城田 真琴(シロタ マコト)
野村総合研究所 DX基盤事業本部 兼 デジタル社会研究室 プリンシパル・アナリスト
2001 年に野村総合研究所にキャリア入社後、一貫して先端 IT が企業・社会に与えるインパクトを調査・研究している。総務省「スマート・クラウド研究会」技術WG委員、経済産業省「IT 融合フォーラム」パーソナルデータ WG 委員、経産省・厚労省・文科省「IT人材需給調査」有識者委員会メンバーなどを歴任。NHK Eテレ「ITホワイトボックス」、BSテレ東「日経プラス10」などTV出演も多数。著書に『FinTech の衝撃』『クラウドの衝撃』『ビッグデータの衝撃』『エンベデッド・ファイナンスの衝撃』 (いずれも東洋経済新報社)、『パーソナルデータの衝撃』(ダイヤモンド社)、『デス・バイ・アマゾン』(日本経済新聞出版社)などがある。

「2023年 『決定版Web3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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