オーセンティック・リーダーシップ (ハーバード・ビジネス・レビュー [EIシリーズ])
- ダイヤモンド社 (2019年5月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478104989
感想・レビュー・書評
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「短い論文集」といったところで、サクッと読めました。確かに、「仕事は愛してくれない」なあ。
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別の本を読んで、オーセンティック(自分らしい)リーダーシップとは何ぞや?と思い、読了。
「本書では、オーセンティックを「自分らしさ」と表現してきたが、それを「軸」「個性」「こだわり」と表現する人たちもいる。これまで私は「スタイル」と呼んできた。いずれも、正しい。それが真の自分を引き出すのであれば」
「バルネラビリティとは、脆弱性とか服従ということではない。むしろ逆に、正直な自分自身であろうとする勇気を意味する。対象から距離を置いて没感情的に行動するプロフェッショナルらしさではなく、不確実性やリスクがあっても踏み込んで、感情を隠さず見せる姿勢だ」
敢えて弱みを見せること、それはリーダーにとっては確かに勇気の要ることだ。
自分はこうしたことが不得手だ、困ってると言う時に助け合えるチームは生まれるのかもしれない。
でも、互いに弱みを見せることがデメリットにはならないのだろうか。
「赦しという言葉も、情緒的な印象があるかもしれない。しかし、ミシガン大学の研究員キム・キャメロンが指摘しているように、組織に赦しの文化が定着すれば、そこで働く人の生産性は向上し、離職率も減ることが数字に表れている。さらに、信頼感も醸成される。その結果、自社が困難に直面したり人員削減を迫られたりする時期にも、組織的なレジリエンス(再起力)を高く保てるのだ」
「シンシアは近づきやすく無防備にしすぎたために立場を弱め、疲弊してしまった。より責任の重い職務では、部下の信頼を勝ちえて仕事をこなすには、部下との間にもっと距離が必要だったのだ」
リーダーについては、単に全てを開示すれば良いのではなく、権威と近づきやすさのバランスをよく見極めることとある。(まぁ、それが難しいんだと思うけど)
また、自分らしく振る舞えばいいのであれば、頑固さや融通の効かなさも許容されるのか?
「公の人物でこうした事態に陥った典型例が、マーガレット・サッチャーだ。自分と同じくらい周到に準備していない相手に情け容赦ない態度を取ることは、一緒に働いていた者には公然たる事実だった。人前でスタッフをこき下ろし、聞く耳を持たないことでも有名だった。また、妥協は小心者のすることだと信じていた」
んー、極端な例だけど。
チームを運営するために、互いが自己開示をうまく取り入れることを目指すのだから、サッチャーのようなやり方は、そもそもオーセンティックとは呼べないんだろうな。
リーダーとはこうあるもの!という像に、自分を当てはめる方向から、自分はこんな人間だからを起点にチームをまとめていく方向へ。 -
体系的な解説がなされておらず、エッセイのような内容だった。全体的に何を言いたいのか分からなかった。
3. 弱さを隠さない上司に起こるすばらしいこと
リーダーから社員に助言を求めれば、彼らは自分は尊重され、意見に耳を傾けてもらえる存在だと感じるようになり、結果としてより強い忠誠心を持つ。
→自分の経験を振り返ると、社員の立場として、思い当たることがたくさんある。具体的なタスクだけでなく、困っているからアイデアがほしいという働きかけも有効なのだろう。
6. 「自分らしさ」があだになる時
・答えを求めて内面ばかり見ていると、知らず知らずのうちに時代遅れの自己認識が強化されていき、癖になっている思考パターンや行動パターンで身動きできなくなる。まず行動して、新しい仕事のやり方を試してみること。あれこれ考えたり内省したりするのは、経験した後にすべき。
・学習はたいてい模倣である。リーダーとして成長するうえで重要なのは、他者の言動やスタイルから学んだ要素を取り入れ、自分のものにする能力である。その際は、多数のロールモデルから幅広く学ぶべきである。他者のスタイルを選択的に借用して組み合わせ、改良することを、自分にとってうまくいく方法が見つかるまで繰り返す。
→上長をこの観点で観察するのは、将来的に役立つかもしれないと思った。
10. リーダーは感情をあらわにすべきか
リーダーには共感力が求められる。共感力はリーダーシップの重要なカギである。人々は「自分の聞きたいこと」を言ってくれるリーダーを支持する。リーダーは、部下の状況を頭で理解するだけでなく、部下と同じ状況に置かれたら感じるであろうことを、心で感じなくてはならない。 -
20220504読了
オーセンティックリーダーシップについての投稿をまとめた本。寄稿をまとめたものなので体系的ではないものの、オーセンティックリーダーシップについて学ぶことができた。
結局は何なのか理解しきれなかったが、自分らしさやオリジナリティを重視するリーダーシップということなのだろうか。
・自己認識力(セルフアウェアネス)、自分をさらけ出す
・外発的動機より内発的動機
・応援団をつくる
・一貫性があり堅実な生活を送る
・タフ・エンパシー 厳しい思いやり
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リーダーシップ論でよくある自分らしさについて、複数の識者から多面的に語られており、多くの学びがあった。
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■「自分らしさ」を貫くリーダーシップ
・「オーセンティック(自分らしさ)」を貫くリーダーは、自分自身をよく知っている。ゆえに自らの価値観をぶれることなく実践し、感情の面から人々を引っ張る。
・こうしたリーダーになる方法には、次のようなものがある。
- 自分史に学ぶ:自分の半生における様々な経験を理解し、意味を与えることで、なすべきことを見つける。
- 自己認識力を伸ばす:本当の自分を知るため、自らの過去を調べる。すると、自分の弱さを認められるようになる。
- 価値観を体現する:自らの信念から生まれた価値観を、行動によって表す。
■「自分らしさ」を保つ工夫
・リーダーが自分らしさを保ち、自らの人生を管理する方法として「マインドフル・リーダーシップ」の訓練がある。これは、目の前の瞬間に注意を向け、自分の感情を認識し、コントロールするための訓練である。
・内省の訓練法には、瞑想や日記の執筆など様々ある。重要なのは、リーダーとしてのプレッシャーから身を離し、起きていることを振り返るための時間を毎日設けること。
■オーセンティック・リーダーシップの弊害
・真に自分らしく行動することは、リーダーの大切な資質。だが、リーダーの資質に欠ける者が、自分に正直であることを間違った行動の言い訳にするなど、弊害も生じている。
・正直さ重視の罠に陥らないためには、同僚に話を聞くなどして、自分がどんな人間であるかを見つめることが大切。【メタ認知】 -
オーセンティシティ(自分らしさ)が求められる時代❣️
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自分らしさをさらけ出す。
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自分らしさを首尾一貫して発揮するリーダーシップに関する論文集。論文の著者によって若干主張が異なるように見えるが、それだけ唯一の正解は存在しない分野なのだと思う。
自分が実際の現場でどうするかということが最重要であり、これからも悩んで行動し続けたい。