なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか ― 何歳からでも人生を拓く7つの技法

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478106853

作品紹介・あらすじ

【その停滞感には「意味」がある。】「勉強家なのに知的さがない…」「読書家なのに説得力がない…」「経験は豊かなのに頼りない…」残念な人と一流の人、その差は紙一重――。入社1年目からマネジャー・シニア社員までが知っておくべき、何歳からでも人生を拓く「能力開発」の極意とは?

感想・レビュー・書評

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  • ビジネス書というよりは、「自己啓発書」という方が近いかな。
    結局は、仕事は「人との関係」ということ。
      自らの態度や心のありようを常に見つめて仕事をしていけ
    ということが著者は言いたいのだと思う。

    この本は自己啓発本の古典、デール・カーネギーの『人を動かす』みたいな感じかな。
    ・・・褒めすぎか(笑)

  • 優秀と言われる人が陥りやすい3つの落とし穴
    ありがちな重要ポイントを3点取り上げている。
    ・「学歴」という落とし穴
    学歴があるからと言って仕事ができるとは限らない。
    ・「実績」という落とし穴
    中腹(つまり通過点)を頂上と勘違いしてしまう。
    ・「立場」という落とし穴
    立場が変わっても、その立場に応じた自分に変化できていない。

    成長を止める7つの壁。
    ・学歴の壁
    結論は「学歴と仕事上の優秀さはあまり関係ない」ということだ。学歴があるからとか、ないからとか、そこにこだわってしまうと成長を止めてしまう。

    ・経験の壁
    経験の豊かさが成長の秘訣。失敗を恐れて経験しないことは成長を止めること。恐れず失敗して、その反省を怠らない。特にこのときの自分の心を正直に受け止めることが大事なようだ。心が逃げてしまっては成長できないということを言われているように思う。

    ・感情の壁
    人は理屈だけで動くものではないということ。そのためには自身の感情のコントロール能力が大事だということ。人の気持ち、場の雰囲気がわかるようになれと。
    経験により自分もときに心の痛みを感じ、逃げずに見つめ、心を鍛えてきた者ほどそれができるようになる。

    ・我流の壁
    「師」をもて。もてないと我流に陥る。自分が「師」と仰ぐ人から、技術だけでなく人柄、人間性、人生観などをも求め抜く姿勢。「師」をいつでも自身の心に置く(いつも師から見つめられている感覚)。

    ・人格の壁
    真面目一本ではだめで、自身の中のさまざまな人格を育てよと。多重人格になれと著者はいうが、自分の中に様々な側面をもち、臨機応変に切り替えていくことができるようになりなさいということだ。

    ・エゴの壁
    エゴこそが成長を止める最大のものであるという。向上心は自身の成長のために大事な要素だが、その背景にエゴがあると、嫉妬心や功名心などに振り回されることになる。エゴマネジメントは、仕事だけでなく人生そのものに影響を及ぼす。

    ・他責の壁
    他人のせいにする、環境のせいにする・・・は成長できない。「すべてを自分が引き受ける」くらいの心の持ち方。自分に責任がないと思えるような逆境さえも、自分にとっての意味を考えてみる。

    このような感じで著者の「7つの壁」をとらえてみた。
    それらの壁の克服法として「〇〇の技法」を著者は提案してくれているが、究極的には自分の心の持ち方に収束するように感じられた。

  • 人の成長を阻む7 つの壁とそれに対処する技法は、次の通り。

    ①学歴の壁:高学歴で優秀だが、仕事に必要な「直観的判断力」と「智恵(暗黙知)の修得力」に欠ける。
    →日々の仕事からどんな智恵を得たか、振り返る。

    ②経験の壁:仕事上の小さな失敗に気づかず、それを糧としてさらに深い智恵を摑つかむことができない。
    →仕事で経験したことを、直後とその日の深夜に振り返
    り、自分の技術や心得について深く反省する。

    ③感情の壁:「営業成績を上げたい」といった感情に支配され、他者の心がわからない。
    →他者の発言や表情の奥にある心の動きを推察する。

    ④我流の壁:我流に陥り、仕事の基本が身についていない。そのため、問題が生じた時に正しく対処できない。
    →優れた上司、先輩といった「師匠」を見つけ、その人と行動を共にして、仕事の基本を学ぶ。

    ⑤人格の壁:真面目で仕事はできるが、融通が利かない。
    →自分の中に様々な人格を育て、状況に応じて使い分ける。

    ⑥エゴの壁:嫉妬心や功名心といった自分のエゴが見えず、職場の人間関係を損ねている。
    →自分の心の中のエゴを、否定も肯定もせず、静かに見つめる。そうすることで、エゴの動きは静まる。

    ⑦他責の壁:仕事における失敗の原因や責任を、自分以外の誰かや何かに求めてしまう。
    →自分に原因があるか否かを問わず、失敗を「自分に原因がある」と引き受け、それが起こった意味を深く考える。

  • 手持ちの書籍を整理しようと思って、手放す前に読み直したら、今の自分にとって、必要なことが書かれていた。自己啓発本としては、難しくなくシンプルに書かれていてよいと思った。

  • 長年マネジメントや経営などの世界を歩んできた著者は「優秀な人ほど成長が止まってしまう」ことに気づいた。そこで、その理由と打開策をまとめた、という本。
    成長を止めてしまう7つの壁と、それを乗り超えるための7つの技法が紹介されている。
    内容は概ね納得できるのだけれど、「書物やウェブでは学べない、経験や人間を通じてしか学べない智恵を習得すべきだ」という主張をほかならぬ書物(本書)でしているところが皮肉だなと感じた。(一応、経験や人間から学ぶ方法についても書かれているが。)
    新人の頃に読みたかった1冊。

    あと、細かい点だが、まるで詩でもあるかのように無駄な改行や空行が多用されているのが気になった。

  • 田坂さんらしい書き方で、わかりやすく共感できる本
    自分にとって壁になっているのは何か
    最近よく目にするシンクロニシティ
    多重人格については自分もそうだなと思う。

  • <本のタイトル>
    なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか ― 何歳からでも人生を拓く7つの技法

    <本の紹介>
    序話 なぜ、優秀な人ほど、成長が止まってしまうのか ― 成長を止める「7つの壁」
    第1話 【学歴の壁】 「優秀さ」の切り替えができない ― [棚卸しの技法]
    第2話 【経験の壁】 失敗を糧として「智恵」を掴めない ― [反省の技法]
    第3話 【感情の壁】 感情に支配され、他人の心が分からない ― [心理推察の技法]
    第4話 【我流の壁】 「我流」に陥り、優れた人物から学べない ― [私淑の技法]
    第5話 【人格の壁】 つねに「真面目」に仕事をしてしまう ― [多重人格の技法]
    第6話 【エゴの壁】 自分の「エゴ」が見えていない ― [自己観察の技法]
    第7話 【他責の壁】 失敗の原因を「外」に求めてしまう ― [引き受けの技法]

    <感想・気づき>
    ・優秀な人ほど、成長が止まってしまう3つの落とし穴
     1、学歴という落とし穴
      学歴的優秀さ=勉強ができる=論理的思考力、知識の修得力が高い
      職業的優秀さ=仕事ができる=直感的判断力、智恵の修得力が高い
     2、実績という落とし穴
      自分はそれなりに仕事をできると思うと、無意識の慢心に陥る
     3、立場という落とし穴
      いまの立場にしがみつき、新しい立場に順応できない

    ・3つの落とし穴は7つの成長の壁と言い換えられる
     1、学歴の壁
     2、経験の壁
     3、感情の壁
     4、我流の壁
     5、人格の壁
     6、エゴの壁
     7、他責の壁

    ・知識と智恵は異なる
     知識:言葉で表現可能、書物やWebで学ぶことができる
     智恵:言葉で表現が難しい、経験や人間関係からしか学ぶことができない

    ・棚卸しの技法
     経験から掴んだ智恵の棚卸を行う
      1、一定期間の成長を振り返る
      2、明確な課題意識を持って振り返る
     これからの時代では、専門的な知識の価値が相対的に低下していき
     それに対して、職業的な智恵の価値が向上していく。

    ・職業的な智恵を獲得することの3つの強み
     1、職業的な智恵は古くならない
     2、職業的な智恵は業種や職種が変わっても役に立つ
     3、職業的な智恵は簡単には代替されない

    ・反省の技法
     「直後」と「深夜」の追体験を励行する
       1、直後の反対対話の技法(仲間と共にあれこれすぐ振り返る)
       2、深夜の反省日記の技法(自分1人で自分の心の動きを振り返る)
     優れたプロフェッショナルは「心と技」両方を同時に成長させていく。
     書いて文章にすることで、俯瞰的なもう1人の自分から客観性をもたらす。

    ・心理推察の技法
     会議では、参加者の心の動きを深く読む
     人間は「理性的な存在」ではなく、「感情的な存在」である。

    ・能力開発において最もダメなのは自分で限界を決めてしまうこと。
     才能が無いとかは関係ない。経験を積めば誰でも一定レベルは成長する。

    ・逆境を辛いと思いつつも、逆境による成長させてもらえると感謝すること。

    ・仕事中には複数の人格を使い分けることで、複数の分野で貢献していく。
     作業者、管理者、経営者等。人格の使い分けが視座・視野が拡大する。
     うまくできないのは才能が無いのではなく、精神的な規則体力が無いだけ。

  • ・ビジネスを動かしているのは生々しい感情である。
    ・自分の心こそが、最高の教材になる。
    ・経営者は、必ずいくつもの顔を使い分けている。
    ・自分の仕事中の人格をふりかえる。
    ・プライベートでの人格をすべて洗い出す。
    ・自己限定が最大の壁になる。
    ・無意識の自己限定に気が付き、その抑圧から解放されること。
    ・脳細胞のせいぜい2割程度しか使わずに人生を終えていく。心の奥深くに宿る能力のごく一部しか開花させることなく、年老いていく。

  • 田坂さんの著書も、相当数読んできました。繰り返しの内容も多いですが、説得力があります!

  • ・学歴の壁 経験からつかんだ知恵の棚卸
    ・経験の壁 直後と深夜の追体験を励行する
    ・感情の壁 心の動きを深く読む
    ・我流の壁 師を見つけ、同じ部屋の空気を吸う
    ・人格の壁 様々な自分を育て使い分ける 
    ・エゴの壁 自分を見つめるもう一人の自分を育てる 
    ・他責の壁 起こったトラブルの意味を深く考える

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著者プロフィール

シンクタンク・ソフィアバンク代表

「2023年 『能力を磨く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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