生成AI 「ChatGPT」を支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか?

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 197
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478118184

作品紹介・あらすじ

2017年、1つの論文から全ては始まった!ChatGPTなど社会を大きく変える生成AIについての現時点の最良のレポート。

感想・レビュー・書評

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  • 読むタイミングにもよるのだろうが、まだ「旬」な本である。ChatGPTは一瞬流行った後に使いこなせなさそうな層が離れて、一発屋みたいに揶揄されがちだが、これは使い手の問題。本書は、生成AI界隈の比較的最新事情を解説しつつ、AIとの付き合いにおける本質的な側面を抉る。サム・アルトマンの為人に少し触れられたのが個人的には収穫。それと本書を見ながら画像生成AIを試してみたが、非常に楽しい体験だった。

    オンラインゲームでコンピュータ相手ではなく人間を相手にすると、緊張感が高まる。これは明らかに対人間を意識しているからであり、そこにAIと人間に対する我々自身の向き合い方の違いが見える気がする。対人関係を通じて常に自らの序列を確認する所作は、鏡のように相手からも序列を確認されているという事でもある。コンピュータに承認されても嬉しくないのは、コンピュータがこの序列化ルールの対象者ではないからだ。つまり、餌も異性も取り合わないのだから、序列化する必要がない。AIが自動序列化を覚えたら、その階差に愛着が生まれ、憎悪が生まれる気がする。

    以下、本著からメモ書きしつつ。

    IBMのアルヴィンドクリシュナCEOが今後はAIでできる仕事についてはAIに任せると表明。今後5年間で約30%がAIや自動化にとって変わられることが容易に想像できると述べた。

    チャットGPTの開発では、OpenAI社がケニアの労働者を時給2ドルで多数雇用し、機械学習用の膨大のテキストデータから人種・性差別を始めとする様々な有害コンテンツを取り除く作業を担当させていた。ゴーストワーク!最近読んだ。

    GPT4はアメリカの司法試験で上位10%に入る、つまり楽々合格すると言う結果が発表された。医師国家試験でも合格ラインを超えたとする調査結果もアメリカや日本で報告されている。一方で、小学生レベルの単純な計算問題では、驚くような間違いを何度もした。

    プロンプト工夫するとチャットGPTは目覚ましい働きをする。そのため、こうしたテクニックを専門とする「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれる新しい専門分野が注目を浴びている。AIにより新たに生まれた仕事、というわけだ。

  • 読みやすい
    スペース歌劇団はミッドジャーニーで作成した絵画で物議を醸していたのは知らなかった。
    AIの活用の特にクリエイティブな部分にフォーカスされていて自分のきょうみかんしんとマッチ

    生成AIの面白さは上の作品を作り出したプロンプトは明らかにされていない点と同じプロンプトを入力しても同じ作品が出力されるかは確かではないことだと思った。

  • 【星:4.5】
    タイトルのとおり、ChatGPTを始めとする生成AIについて、これまでの歴史、現状、課題点などについて書かれている。

    まず良かったのが、私のように生成AIに詳しくない人にもわかりやすい内容となっていることである。
    かといってとおり一辺倒のことしか書いていないかというとそんなことはなく、生成AIの仕組みなども結構詳しく説明してくれている。

    正直読んでいて、AIの急激な進歩は「末恐ろしいな」と強く感じた。

    なかなかおすすめの1冊。

  • 現在、盛んに生成AIと言われていますが、本当のところ実態についてはよくわからず、ある程度まとまった知識や見解を得たくて購入しました。

    生成AIの成り立ちや、できること、できないこと、現在発生している問題点等々、様々な内容を深く確認することができます。

    特に、生成AIの歴史や仕組み、各社の考え方やビジネス状況などについてまとまっており、あまりITに詳しくない私でも理解することができました。

    個人的には、現在の生成AIに関するトピックは、一昔前のCloudと同じ空気感を漂わせており、Cloudがサーバー設置のメインになったのと同様に、生成AIも今後のメインストリームになりうる、と考えています。

    世に生成AIツールの使い方的な本は多く出ていますが、単に「使えればいい」以上に生成AIに興味がある人や、業務上その他で今後の生成AIとの付き合い方を考える必要がある人にとっては必読の書と言えるでしょう。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/801477

  • 007.13||Ko

  • 一般向けに論点が整理整理されていたと思う

  • ちきりんさんのVoicyで筆者との対談が組まれていたことをきっかけに購読。これからさらに世の中を席巻していくことは間違いない生成AI、これから使いこなせるようになりたい生成AI、まずは周辺環境を学ぶために。少し小難しいけど、網羅的に書かれていて勉強になりました。

  • ちきりんさんのvoicyで紹介で紹介されてたので、読んでみました。
    想像以上に面白かったです。
    AIに関して知ってるようで、知らないことを丁寧に説明してあるので、生成 AIに関する理解度が上がりました。

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著者プロフィール

1963年群馬県生まれ。KDDI総合研究所リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授。専門はITやライフ・サイエンスなど先端技術の動向調査。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院理学系研究科を修了後、雑誌記者などを経てボストン大学に留学、マスコミ論を専攻。ニューヨークで新聞社勤務、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所などで教鞭をとった後、現職。著書に『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』『ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃』『仕事の未来 「ジョブ・オートメーション」の罠と「ギグ・エコノミー」の現実』(以上、講談社現代新書)、『ブレインテックの衝撃 脳×テクノロジーの最前線』(祥伝社新書)、『「スパコン富岳」後の日本 科学技術立国は復活できるか』(中公新書ラクレ)など多数。

「2022年 『ゼロからわかる量子コンピュータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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