トヨタ 愚直なる人づくり―知られざる究極の「強み」を探る

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478312193

感想・レビュー・書評

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  • トヨタの人材について客観的な目線で書かれている。インタビューや記事引用が元になっているものの、著者の直接の体験からまとめられた本書はトヨタの哲学を教えてくれる。

  • 本書は、トヨタの人材教育についてルポルタージュです。
    タイトルから、人材教育に関する自己啓発系ビジネス書と思い購入したのですが、ちょっと予想していた内容とは違いました。
    が、読んでみたところ中身は結構興味深い

    結局のところ、トヨタを褒める内容ではなく、組織の肥大化にともなう人づくり力が低下しているのではないかという著者の不安を説明する内容になっています。

    実際、この本の刊行後を見ただけでも、トヨタの業績は低下している
    著者の不安が的中したのかどうかは不明だが、そもそもトヨタが作っているのは自動車ではなく、単なる移動用工業製品でしかないのではないかと思う
    本書を読んで、従業員は真面目なだけの人間だろうというイメージは崩れ去り、実は面白い人材が多いということは認識できたが、それでもユニークな車が少ない(というかつまらない車ばかり)。
    86はいい車らしいですが社長の一声でできた車らしいですし、結局のところ幹部の姿勢なんでしょうね。
    そもそも86ですら、新しい発想ではなく、過去の栄光にすがろうという認識ではどうなのでしょうか。

    トヨタは間違いなく日本を代表する自動車メーカーであるし、今後の日本の自動車メーカーを牽引する存在だと思う
    そんなトヨタが今後どうなるのか。
    いろいろと考えさせられる内容でした。

  • 購入:2008年1月15日 読了:2008年1月22日 廃棄:2019年5月11日

  • 社会から何といわれようが、批判されようが、自分たちの経営哲学を大切にし、内部でとことん論議を尽くした上で自分の道を突き進む 目標管理は合成の誤謬を生みやすいシステムであるのに対し、方針管理はコンセンサスやチームワークを重視するシステムだ 競争力のある会社は、動物と同じように環境の変化に合わせて自然と変化していくものである 手を汚さないで仕事ができるか 基本原則①信頼して働ける職場づくり②恒常的、自発的な知恵や改善を促進する仕組みづくり③徹底的な人材育成④個々人の役割遂行と全体最適を目指したチームワークの推進

  • ブランドづくりは人づくり。トヨタらしい信念の一つだと思う。その人づくりの具体的な中身が説明された一冊。人づくりの起源は、昔田舎企業だったトヨタに学歴のある人が来ないためせめて入ってきた人は大切にしようとしたことらしい。育成に時間もお金もかけようとしない企業が多い中、とても共感できる社風。
    どうやら巨大企業だからというものではないらしい。
    徹底的な議論を大切にし、目標管理でなく方針管理を個人にまで行うなど、トヨタは本当に参考になることがとても多い企業。人事、教育の方にはおすすめ。

  • 本書を読んだ感想は、知らなかったことがたくさん載っている参考になる本であるということだ。
    地元に住んでいるので、知っていて当然かもしれないことを、仕事であまり関係がないと知らないままでいる。
    新聞記者ならではの視点で集められた情報がある。

    「トヨタ以上にトヨタらしく」という節では、デンソーのことを紹介している。
    たしかにそうだ、ものづくりへの集中力はデンソーの方が上かもしれない。
    デンソーが電気自動車を作ったこと、5ゲン主義を打ち立てたことなどの紹介はない。
    何が本質的なことかは立場が異なるが、割と表面的なことが多くはないだろうか。

    豊田家にしても、1代1起業の紹介がなく、大政奉還を記述している。
    ジャーナリストらしいスマートさというのだろうか。

  •  元朝日新聞記者である著者がしるした、トヨタ、トヨタ自動車の教育体制、人事評価制度、そして働いている人の有様などが綴られている。

     少し前のほんのなるので、創業家の豊田章男氏が社長になるかもしれないと書かれているだけで、どうなるかはわからないと書かれてあるが、かなりトヨタをよく書いている本であると思われる。

     とはいえ、冷静にみてみると、これだけ大きな企業でありながら、派手さがなく、物作りに実直であると言うことは、見直されるべき企業価値がトヨタにはある。

     何よりも響いたのは、トヨタインスティチュートなる大学などの教育システムではなく、関連企業が火事に見舞われ、ほぼシェア100%を握っていた生産がストップしたときに、周りの関連企業が助け合い、生産を始め、最終製品である車の生産が、数日しかストップしなかったと言うことである。下請けの会社は、競争相手であるとともに、共創相手としての関係性が成り立っているのである。

     さらに、トヨタに勤める人たちの人間臭さ、評価システムが単純な数値管理ではない点など、大いに学ぶべき点もあった。ただし、その裏側には、徹底したコスト削減や、効率化などを行うという習慣があり、それらをクリアした上での評価システムなのだろうと思うのであった。

     脱車社会になりつつある昨今、トヨタの動きから目が離せない。

  • やっぱり、トヨタは人。
    Page.109、「知る->分かる->やる->やり続ける->教えることができる」

    「知る->分かる」は、デジタル教育で可能であるが、
    「やる->やり続ける」は、自分が現場で体験しないと習得できない。「この経験が豊富でなければいけない。」

    Page.188、「暗黙知->形式知->暗黙知」形式のプロセスをつくり出していることが重要である。
    ト、2008.4.22

  • トヨタの制度云々より、人に対する考え方には共感する。

  •  トヨタの成功を支える「人づくり」にスポットライトをあてた本。PDCAはよく聞く言葉だが、トヨタの場合はこれにS(標準化・横展開)が加わるという。また、トヨタで女性の活躍が遅れているのは意外だった。

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著者プロフィール

経済ジャーナリスト。
1964年生まれ。1988年九州大卒。NECを経て1992年朝日新聞社に入社。経済部で自動車や電機産業などを担当。2004年に独立。現在は主に企業経営や農業経営を取材し、講談社や文藝春秋、東洋経済新報社などの各種媒体で執筆するほか、講演活動も行っている。
主な著書に『自動車会社が消える日』『日産vs.ゴーン』(以上、文春新書)、『会社に頼らないで一生働き続ける技術』(プレジデント社)、『メイドインジャパン驕りの代償』(NHK出版)、『トヨタ愚直なる人づくり』(ダイヤモンド社)などがある。

「2021年 『サイバースパイが日本を破壊する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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