マッキンゼー戦略の進化: 不確実性時代を勝ち残る

著者 :
制作 : 名和 高司  近藤 正晃ジェームス 
  • ダイヤモンド社
3.21
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本棚登録 : 112
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478374313

感想・レビュー・書評

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  • DigitizationとThe Internetにより「戦略」というものの意味が拡散し始めたころの記録として、後に読まれる価値はあるかもしれませんが、結局は直近のMcKinsey Quarterlyからの抜粋翻訳なので、Historically provenでもないものが載ってしまっているのも事実でしょう。Portfolio of Initiativesは個人的には好きなフレームワークですが、これも残らないんでしょうかね。

  • これまでのスタティックな戦略論だけでは通用しない、ダイナミックかつスピーディーな時代に対する様々なアプローチ・方向性を提示している。「不確実性」に関連した10の論文を寄せ集めている関係上、一部の論考は古かったり短かったりで、やや物足りないものも含まれているが、戦略論をある程度知っている読者にとっては、刺激となり共鳴できるところがあると思う。変化の激しい経営環境にいかに柔軟に適応すべきか、本書のような試行錯誤をヒントにしつつ、実務への展開を考えたい。

  •  まだ自分には難しかったかな。マッキンゼーの論文集。

     タイトルにあるように不確実性時代を勝ち残るためにはどうすべきかが書かれている。とはいってもハウツー本ではない。というか、不確実性時代に、こうすれば必ず上手く行きますなんてのは、ウソなんだと思う。世界最強のマッキンゼーで、トップに上り詰めた方々が言うことは、とても基本的なことだ。

     問題を設定し、良く分析し、リスクや時間軸にあわせて戦略を立て、それを確実に実行する。1つの勝ちパターンで勝ち続けることはできない、大きく成長するには、小さなステップをこつこつと積み上げる。本当に基本的なこと。でもそれが本当に難しいことなんだと思う。

     数ある論文の中で、一番響いたのは大前研一氏の論文「戦略再考」。コーヒーメーカーの事案が秀逸だった。顧客が真に求めるものは、他社製品より短時間で作れるとか、大量に作れるとかではなく、まず「美味さ」なのだと。他社を模倣して、それを出し抜くことを考えるのは、すごく取り組みやすいのだけど、それは間違っている。それでは真の勝利は収められない。基本的なことなんだけど、自分に欠けていた視点だった。

     経済や経営、ITの知識は当然のことながら、化学者や生物学者などの言葉や思考を交えながら、語るあたりに、教養の高さを感じた。

  • 競争優位から学習優位へ。
    NTTの「見える、つなぐ、学ぶ」というレゾナントコミュニケーションというのがあったが、NTTレゾナントが成功したとは思えない。
    能力基盤を形成する。
    成長に全力投球する。足場を固める。高い目標と価値観の設定、広い視野。
    「顧客が本当に必要としていることは何か。この製品は何のためのものか」
    正しい質問をするためには、叩いて、広げて、纏める。

  • 新規性:古★★☆☆☆新
    難易度:易★★★★☆難
    実践性:理論★★★☆☆実践
    推奨読者:経営を学ぶ学生・企業人事担当者・コンサルタント(経営・人材)・経営者
    本書は、世界トップレベルのコンサルティングファームであるマッキンゼーが、経営コンサルティングの現場で蓄積してきた知識をベースに、戦略論の新たな理論構築を目指し、その一部を示したものである。論文集ということで、様々な切り口で経営を分析し、著者がそれぞれに新たな論理展開をしている。
    古典的戦略論が、策定した戦略を固執的に実践していくことを目指すのに対し、本書では、いかに自らの姿形を変え続けるかということに主眼を置いた新たな戦略論が主張されている。特に、組織構造や人材活用における言及が多く見受けられ、戦略論というよりは、従来述べられている組織論・ヒューマンリソースマネジメントの側面が強いように感じた。
    2003年の出版ではあるものの、人材を企業の中心とみる傾向が強まっている今のタイミングで読むことも非常に有用な書ではないかと思う。

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著者プロフィール

村井章子(むらい・あきこ)
翻訳家。上智大学文学部卒業。経済学の古典新訳を多数手がける。

「2022年 『じゅうぶん豊かで、貧しい社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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