経営者になる 経営者を育てる

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478374849

作品紹介・あらすじ

本書では、リーダーシップをできる限り形式知化し、必要なエッセンス・スキルを抽出した上で、そのスキルを意識的・集中的に習得することを提案していく。長年にわたるコンサルタントとしての経験を通じて、「戦略的に経営者を目指す」「計画的に経営者を育てる」という目的達成のために効果的と考えるにいたった方法を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • ボスコンの菅野さんが経営者に必要なスキルセットを「科学系」と「アート系」スキルに分けて紹介している本。双方が『習慣化』によってい習得化という流れなので、どこかで読んだな〜という感じ。アート系スキルとして挙げられえるのは「強烈な意志」「勇気」「インサイト」「しつこさ」「ソフトな統率力」。自分に足りないのは「しつこさ」肝に銘じて頑張ろう。

  • "経営コンサルタントの著者が経営者は育成できるし、育成するにはこんなステップで行うということをまとめたもの。
    経営者のアート系スキル
    ?強烈な意志
    ?勇気
     4つの勇気が必要
     1.トレードオフを理解し、どちらかを捨てる勇気
     2.不完全な情報下でも必要なタイミングで決断する勇気
     3.やめる勇気、変える勇気
     4.必要ならば情を捨てて人を切る勇気
     4つの勇気を使う経営者の3つの要件
     1.つらい意思決定に耐えうるメンタルタフネス
     2.リスクを管理できること
     3.無私な倫理観を持っていること
    ?インサイト
     日頃から以下の癖を身につけていること
     ・一歩引いて「本質」を観る
     ・「二極性」で発想する
     ・自分が何にはまっているかを客観視したうえで、あえて自分のはまっている思考パターンの反対側/外側に振ってみる
     ・定石は必ず壊して進化させる
     ・他人の頭を使う
    ?しつこさ
    ?ソフトな統率力

    習得プロセスを構築し、習慣化すること
    体験を通じて習得

    などなど"

  • OBHの包括版のような本。
    復習として参考になった。

    <メモ>
    ・経営者にはマネジメント知識やロジカルシンキングといった科学系スキルとリーダーシップなどのアート系スキルの二つが必要。
    ・アート系スキルは強烈な意志・勇気・インサイト・しつこさ・ソフトな統率力からなる。
    ・強烈な意志が他スキル全ての源泉となる。
    ・経営者に必要な勇気とは
     ①トレードオフを理解した上で、どちらかを捨てる勇気
     ②不完全な情報下でも必要なタイミングで決断する勇気
     ③やめる勇気、変える勇気
     ④必要ならば情を捨てて人を切る勇気
    ・最もリスクを回避する人だけが最も果敢にリスクをとることができる
    ・悲観的に考えて楽観的に対処する。リスクをとるということはこの範囲までだったらいいということ。臆病の積み重なりこそが大胆。大事を成すのは実は臆病な人。
    ・失敗しても落ち込まずに立ち直り、失敗から学んで軌道修正すること。
    ・インサイトを使うとき 
     ①フレームワークを壊して作り直すとき
     ②視点を変えるとき
     ③フレームワークを作り上げるとき
    ・インサイトを身につけるために
     一歩引いて本質をみる
     二極性で発想する
     じぶんが何にハマっていたか客観視した上で、あえて自分のハマっている思考パターンの反対側に振ってみること
     定石は必ず壊して進化させる
     他人の頭を使う
    ・書き留めることはスキルの習得において非常に重要

  • ■5つのアート系スキル (p.33)
    ・強烈な意思、勇気、インサイト、しつこさ、ソフトな統率力

    ■強烈な意思 (p.44)
    結果がなかなか出ないときは当然くじけそうになる。「ここまでがんばったのだから、もういいか」とあきらめかける自分を正当化する甘えや、「自分のアイデアは間違っていたのか」という不安が広がることも多いだろう。しかし、経営者たる者はそうした甘えや不安を払拭して、結果を出すまでやり遂げなければならない。そのための力の源泉が、高い志である。「これを成し遂げれば社会がよくなる」「これにより人類は進歩するのだ」という使命感だ。

    ■しつこさ (p.128)
    単に、「暑い日はアイスクリームが売れる」というのでは、考えが浅い。もちろん、最初はだれもが「暑い日はアイスクリームが売れるはずである」という単純な仮説を立て、データで検証するところからスタートする。しかし、データを見て、「たしかに暑い日はそうでない日に比べてアイスクリームがよく売れているな」と安心して、思考停止してしまってはいけない。「考えるしつこさ」があるかないかは、この時点で差がついてくる。しつこく考える人は、「詳細にデータを見ると、同じように暑い日でも、アイスクリームの売れ行きに微妙に差があるそ」と気がつく。そこからさらに進化した、次のような仮説がいくつも生まれる。
    ・同じ気温でも、湿度によってアイスクリームの売れ行きに差が出ているのではないか
    ・同じ気温でも、それ以前に暑い日が何日続いたのかによって、夏バテの度合いに差が出て、アイスクリームの売れ行きに影響を与えるのではないか
    ・氷菓と乳脂肪分の高いものでは売れ行きに差があるのではないか

    ■エモーショナル・メッセージ (p.188)
    私は自然体で、「今度のミーティングでどのようなロジカル・メッセージを伝えようか」と考えることはできていたので、それに加えて、「今度のミーティングでどのようなエモーショナル・メッセージを伝えようか」と必ず考えて、ノートに書き留めることを習慣にすることにした

  • 経営者に求められるスキルの中でもアートに関するスキル、またその習得方法について書かれた本。体系的に整理されている点、名だたる経営者のコメントを織り交ぜながら説明している点が良い。

  • 経営者のアート系スキルとして、強烈な意志、勇気、インサイト、しつこさ、ソフトな統率力
    リスク監理、失敗に強くなるためには、失敗する確率とダウンサイドリスクを最小化すること、失敗からきちんと学習すること
    ぎりぎりのところで迷いに迷った挙句に意思決定することから逃げずにつらい意思決定ができる強い心の持ち主、しかもその意思決定が損得、好き嫌いを超えて善悪を基準に意思決定できるようにする

  • 20150906 日経 ユニチャーム社長 高原氏おすすめ
    優秀な経営者になるためのスキルセット
    これは、強い意志を持って訓練すれば、たいていの場合みたされる。

  • 経営者に必要なスキルは大きく別けると左脳の科学系スキルと右脳のアート系スキルに分類される。アート系のスキルは習慣によってのみ身に付けることが出来る。経営者ではなくても常に学び続ける謙虚さが大事。しつこく考え、しつこく実行する。これが出来る人が大成する。

  • 経営者を目指す。そう思い、必要なスキルやマインドは何だろうと考えていたときに偶然出会った。何となくイメージしていたことと筆者の考えは概ね一致していた。また、参考にしようと思っていた著作からの引用も多かったので、自分の考えにある程度自信を持てた。しかし、それを行動に落とせるかは別問題。自分なりに経営者について構造化し、なるために行動計画に落とし込もう。

    私がお世話になっている社内でも敵が多いかの方が、次期社長に向いているという意見が根拠を持った考えに変わりつつある。

  • 経営者になりたくて読んだのではありません。。。
    ⇒本書では、そのような意識の低さを最大の悪としていますが(汗)

    尊敬する経営者から推薦され、早速拝読。

    The フレームワークのBCGのVice Presidentの著書なので、
    ロジックがちがちで、演繹的な内容かと思いましたが、
    ソフトな部分(本書では、アートスキルとして定義)
    が多数を占めており、少し意外。

    市場成長化の競争から、市場縮小化における競争へ。
    一定条件下の競争から、目まぐるしく変化する条件下の競争へ。
    国内の同質者間の競争から、メガコンペティション、世界の雑多な
    プレーヤとの競争へ。

    このような、競争条件が、変化された日本において
    経営者こそが、企業の競争優位を決定付ける最大の要因であると
    筆者は定義。

    そのような状況で、経営者になる人、育てようとしている人向けに
    書かれた本著。

    まず、前提として、経営者は、
    先天的な才能により手腕を振るうのではなく、
    常に謙虚さを持ち、内なる欲求により自己革新を続ける人
    (つまりやる気のある凡人)としている。
    ⇒ユニチャーム 高原会長(この方、熱い!!)、稲盛会長、柳井社長の
    3氏の言葉を根拠として引用。

    その他にも、経営者の言葉を引用して、
    各項目の根拠付けを行っている。

    興味深い点として、
    経営者に必要なスキルは、大きく二点に分かれると提唱。

    形式知であるマネジメント知識などの「科学系スキル」と
    リーダーシップなどの暗黙知である「アート系スキル」に分類。

    この2大知識をどのように習得し、
    活かすかを本著のメインとして展開しています。

    -----感銘を受けた内容------
    ■経営者には、実現するという並々ならる強い意志が必要
    事を成し遂げるのは人の才ではなく、意である。
    才の不足は意で補えるが、意の不足は才で補えない
    (高原会長)
    ⇒僕みたいな頭悪い人間は、勇気付けられます。

    ■経営は、鬼手仏心

    ■商売の創造でも読みましたが。。。
    セブンイレブンの鈴木氏は、
    競合が増えると売上が減るという考え方は不思議。
    売上が下るのは、競合のせいではない。
    お客様にとって、店の価値を比較できるものさしが増えただけ。
    お客様が求める価値を提供できているかどうかが
    “本質”であり、競合ではない。
    ⇒経営者は、本質を即座に見極めるインサイトが必要。

    ■発想やアイデアは、偶然の産物ではない。
    四六時中仕事のことを考え、考え通した結果
    頭の中に浮かぶもの。(高原会長)
    ⇒考えるしつこさが、インサイトの源泉

    ■やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、
    ほめてやらねば、人は動かじ

    ■伝えるから共有へ
    Said≠Heard
    Heard≠Listen
    Listen≠Understood
    Understood≠Agreed
    Agreed≠Convinced
    ⇒こういう5段論法が、さすが、BCGの
    コンサルタントといった感じ。
    --------------

    あ、でも経営コンサルタントの方が
    「プロフェッショナル条件」からドラッカーの言葉を
    引用するのは、恥ずべき事。
    コンサルタントなら、現代の経営とかは
    暗記すべきかと。

    なるほどが多い本でした!
    読んで損はないと思います。

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著者プロフィール

早稲田大学大学院経営管理研究科(早稲田大学ビジネススクール)教授。東京工業大学工学部卒。同大学院修士課程修了。米国カーネギーメロン大学にて経営工学修士取得。その後、ボストン コンサルティング グループ(BCG)にて十数年間、日本およびグローバル企業に対してさまざまなコンサルティング・サービスを提供。BCGテクノロジー、メディアおよびテレコミュニケーション専門部会のアジア/パシフィック地区リーダーを経て、2008年より一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。2016年より現職。

「2020年 『MBAの経営戦略が10時間でざっと学べる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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