- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478942321
感想・レビュー・書評
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以前、テレビの討論番組かなんかで、戦争の是非がテーマになってた。
太田は否定派だった。
肯定派のアメリカかぶれのタレントが「じゃあ家族が殺されても文句も言わず許すのか」みたいなことを言っていた。
それに対して太田は「絶対に許さない。というか殺す。でも戦争には反対なんだ。」
僕はとても共感した。
なんて正直で真っ直ぐな人なんだろうと思った。
人間は元々、矛盾した生き物だけど、それでも理想を持って良いんだって思えた。
本書には、そんな人間「太田光」の思想がつまっている。
以下は本文からの引用です。
「人間はどんなに体がねじれていても、必ず目で見つめたものに向かって進む。我々の視線の先には必ず理想を置くべきだ。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古本屋でなんとなく買った本だが、非常によかった。
テレビでは、我が道を行き周囲に苦笑いされる人というイメージだったが、本書からは氏本来の、非常に真摯な人間性が垣間見える。そして、「非の打ちどころのない優れた人間」ではなく、もがきながら、迷いながら、それでも自分の信念を守り抜いて生きる。泥臭くもカッコいい人間像が見えてくる。
氏は本文で、「未来の人間がこの時代を振り返った時、『あの時代はよかった』と言われるような誇らしい時代、誇らしい自分でありたい」ということを言っている。なんと清々しく、能弁な意思表明だろう、と思う。
取り繕った偽善者でもなく、完全無欠の偉人でもない、しかし、それだからこそ1人の人間として強く惹かれる。太田光という人間に俄然興味が湧いた1冊だった。 -
伝えること、表現することを大切に扱った一冊。
この国の人間として生きていくということ。
世界の一員としてその先を生きていくということ。
発行より随分と日が経ってから手にしたけれど、本書の中で触れた事件や戦争が自分の中で風化していたことを恐ろしく感じる。
いまだ世界は戦いの中…。 -
太田さんのエッセイは好き。でもこれはテロ、アメリカ、イラク、靖国など、時事ネタが多く微妙だった。
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以前より興味のあった、太田光をもっと知りたくて読んだ。
テレビで他の芸人を押しのけバカふざけしているイメージは微塵も無く、特に戦争、政治について核心に触れそれにたいして語っている。
何事にも無知な僕は俗に流されていたなと思いつつも、一方ではそりゃそーだけど、その立場になったら…というのもあった。
とはいえ、紳士的で自分の思想にぶれがないように想像をする努力をしている太田光のように僕もなりたいと素直に思えた。 -
ショートエッセイで面白かった。
しかし太田さんの主観的意見が書かれてるため批判されるだろうと思いながら読んでました。
前半は硬い話が多い。
後半のようなライトなエッセイも読んでみたい。 -
2011.8.2
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過去を学ぶことで、幅広い知識をつけ、そこから自分の考えを自分の言葉で表現する彼のエッセイ集。
ある夜の話や、読書、蚊といった話から、後半は怒涛の勢いで社会に対して爆発が始まる。アメリカ、平和、戦争、民主主義…また彼に魅了されてしまった。
大田光が輝いて見えるのも、たぶん自分が失ってしまったものを持っているからだろうな。
たとえ非常識であれ、自分の頭で考えた生き方をしている。誰かから押し付けられた思想ではなく、確固たる自分の意志で行動している。自分の常識を信じ、守ろうとする強い姿勢がある。
それを持つとこんなにも輝くのかっと改めて感じられた一冊。 -
漫才をやっている太田光と、こういうエッセイを書く太田光は、まったくの別人です。ふざけたことが書かれていないんです。どれも真剣。今まで「バカな奴だなぁ」なんて思っていましたが、これを読んでからは「うおっ、太田すげぇ!」と素直に心から思えました。特に政治・読書に対する関心がハンパじゃないです。
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初めは、テロとアメリカ・日本・憲法改正とそればかりでちょっと読むのつらかったけど、読み進めていくうちに自分もそういう事に関心をもたないといけないかなと思うようになった。震災を経て感じる事も変わってきた今だからこそ、そういう観点も必要だな。