迷いながら生きる ~ドイツ人禅僧が語る、「自分」にとらわれない考え方~

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479012108

作品紹介・あらすじ

「ありのままの自分」を探さない。「救い」も「悟り」も求めない。自給自足と坐禅に生きるドイツ人禅僧が見出した、「今を生きること」に没頭するための知恵。

感想・レビュー・書評

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  • ドイツ人住職で禅僧。人間=職業なのか?
    自分探しは見つからない、本当の自分というものはもともとない。自分とは何か?照顧脚下である。
    考える、迷う、試行錯誤を繰り返すことのみ。
    34冊目読了。

  • ドイツ人の禅僧が、「迷い」、特に「自分」というテーマを西洋哲学、心理学、仏教の角度から分析する本。一つのテーマを洋の東西、時系列で整理してるので、哲学好きはたまらないかも。
    さっくり読むのではなく、時有り本を閉じて、自分で考えながら読むのが楽しい本。
    以下、個人的なメモ。
    ●夢を追うばかりで、自分を疎かにしてしまう。
    ●本当の自分とは、本当の自分という空想を追い回したあげくにようやくつかむものではなく、それを手放して、今ここに帰ったその瞬間に初めて発見するものです。
    ●本当の自分があらかじめ用意されていて、それをつかんで実現する、そういう話ではない。そんな本当の自分など、最初からどこにもないのです。自分が今ここで作り上げるにしても、作れるわけがありません。本当の自分という幻想を忘れて、やるべき事をただやる、そのときに初めて本当の自分になれる、そういうからくりではないでしょうか。
    ●自分の個性を、そこまでファッションでアピールしなければならないという事は、そもそも個性がない証拠ではありませんか。
    ●花は人に美しく思って貰おうと思って咲くのではない。座禅人も、悟りを開くために座禅しているのではない。皆、ただ自分が自分を自分しているのである。
    ●自由は仏教用語。自己に由る。
    ・自己=1/1=2/2=3/3…人類/人類、一切/一切
    ・しちゃいけないことは、しない。しなければいけないことは、進んでやる。小学生でもそれくらいのことはわかりますが、大人になってもなかなか出来ないというのが人間です。

  • 異彩を放つドイツ人禅僧ネルケ無方さんの著作。
    哲学の解説から始まって、では仏教ではどうなのかということをわかりやすく説法して頂けます。
    「自分」はあると言うのが普通ですが、どっこい「自分」と言う存在は「自分」がいるから「自分なのだ」という訳ではない。
    仏教では「縁起」という考え方をします。
    即ち「自分なんてものはない。周囲との関係(縁)によって立ち上がってくる存在」であることが前提です。
    その上で無方氏は迷いのない人生なんてない。迷うのが人生だ。と説きます。
    どんなに徳の高い高僧でも迷っている。
    本当に迷わなくなったのは釈尊お一人。
    よくある仏法書では「迷いを断ち切り、自分を見つめましょう」と書いてありますが迷いを断ち切るなど土台無理な話。
    当たり前ですが、改めて言われてみると腑に落ちます。

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著者プロフィール

1968年、旧西ドイツ・ベルリン生まれ。7歳で母と死別し、人生に悩む。16歳で坐禅と出合い、禅僧になる夢を抱く。1990年、京都大学の留学生として来日。その秋から初めて曹洞宗・安泰寺に上山し、半年間の禅修行に参加する。1993年に安泰寺で出家得度。8年間の雲水生活を経て嗣法。2001年から大阪城公園で「ホームレス雲水」として毎朝の坐禅会を開く。2002年に師匠の訃報に接し、安泰寺第9世の堂頭(住職)となる。国内外からの参禅者・雲水の指導にあたって坐禅三昧の生活を送っている。著書に『迷える者の禅修行――ドイツ人住職が見た日本仏教(新潮新書)、『裸の坊様』(サンガ新書)、『禅が教える「大人」になるための8つの修行』(祥伝社新書)、『ドイツ人住職が伝える 禅の教え 生きるヒント33』(朝日新書)、『迷いながら生きる』(大和書房)、『日本人に「宗教」は要らない』(ベスト新書)、『読むだけ禅修行』(朝日新聞出版)、『迷いは悟りの第一歩』(新潮新書)、『ありのままでいい、ありのままでなくてもいい』(KKベストセラーズ)、『ドイツ人禅僧の心に響く仏教の金言100』(宝島社)がある。

「2015年 『安泰寺禅僧対談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ネルケ無方の作品

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