50歳からは炭水化物をやめなさい (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479305705

作品紹介・あらすじ

カロリー制限しても糖尿病は治らない、病気になるかどうかは生活習慣で決まる、50歳を過ぎないと、長寿遺伝子の活性化はできない、アルツハイマーを予防するには「水素水」がいい、清潔にするほど免疫が落ちる、一日10時間以上寝ている人は早死にする、「マーガリン」は脳を劣化させる、噛めば噛むほど若返る。これまでの健康常識を覆した、寄生虫博士のベストセラー、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 人間の寿命を決めているのは、「ミトコンドリア」「テロメア」「長寿遺伝子」「腸内細胞」という、人体に存在する微小の物質たちです。
    糖質をとり過ぎると、老化が加速する
    50歳から必要なのは、酸素です
    悪玉コレステロールと中性脂肪は、活性酸素と結びつくと過酸化脂質へと変性します。この過酸化脂質こそが、血管を傷つけたり、ボロボロにする張本人なのです。
    活性酸素は、認知症の発症にも深く関与しています。認知症の原因はさまざまですが、患者数の最も多いのは、「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。
    糖質制限は、四大疾病だけではなく、ボケも防いでくれる健康法なのです。
    脳は酸素を主燃料に働く
    「ラドン温泉」
    鳥取の三朝温泉。ラドン温泉には、放射性物質の一つであるラジウムが含まれています。略 生物に対して有害な物質であっても、微量であれば生理機能を刺激し、体に有益に働くことがあります。この作用をホルミシス効果と呼びます。
    略 微量の放射線を受けると、ミトコンドリアが刺激され、その働きは活発化されるのです。略 私たちの生体機能はミトコンドリアが生成するエネルギーによって保たれています。そのエネルギー生成力を高めるためには、微量の放射線が必要なのです。
    被曝の最大の問題点は、放射線を浴びることにより、体内に活性酸素が発生することです。
    「もらい泣き現象」
    「アポートシス(細胞の自殺)」
    「スーパーにある味噌」は生きていない
    スーパーで売られている味噌は、棚に陳列するため、発酵を止める処理が施されています。
    生きた味噌には強力な抗酸化作用がある
    染色体の末端には、テロメアと呼ばれる構造体が鞘のようにかぶさっています。染色体がバラバラとhどけて不安定化が起こらないよう、テロメアが守っているわけです。テロメアは、染色体の末端にあることから、「末端小粒」とも呼ばれます。またの名を「寿命の回数券」です。実は、このテロメアの長さが、人の寿命を決定づけているのです。
    人はみな100歳の寿命を持って生まれてきている
    人の体は、「神経系」の制御、「内分泌系」の制御、「免疫系」の制御という三つの制御系が連動して正常を保っています。略
    外見も内部も美しく均整のとれた体を私たちが保てているのは、テロメアがあるおかげです。人間が人間として進化するためにテロメアは不可欠だったのであり、寿命を持つことは免れない運命だったのです。
    テロメアは細胞の指揮者
    寿命と病気リスクの遺伝子は関係ない
    テロメアを短縮から守るのは、病気をしないような生活習慣とイコールなのです。寿命は「運命しだい」ではなく、「生活習慣しだい」
    「不老長寿」実現のカギは、活性酸素を減らすこと
    電磁波を浴びると、体内では活性酸素が一気に大量発生します。
    電磁波は1万年前にはなかった、体にとって理解不能な異物だからです。体はこれを浴びると、免疫システムが敵と勘違いして、活性酸素を発するのです。
    塩素もトリハロメタンも、1万年前にはなかった化学物質です。略 食品添加物も、活性酸素を発生させます。
    活性酸素を消すのはネギ、にんにくなどの「フィトケミカル」
    食べ過ぎも体が悲鳴を上げ、活性酸素を出させます「
    活性酸素は食によって消す
    調理の基本は「細胞膜を壊す」こと
    野菜や海藻のたっぷり入った味噌汁は、活性酸素を消す最高の料理です。
    唾液には発がん物質の毒消し作用がある
    赤ワインに豊富に含まれているポリフェノールが、悪玉コレステロールの酸化を防ぐ
    赤ワイン約500cc分のポリフェノールがアルツハイマー病の原因となるタンパク質を分解する
    「硬度の高い水」こそ不老のクスリ
    天然水に含まれるカルシウムは、イオン化されていて粒子が細かく、体内へほぼ100%吸収されます。日常的にカルシウムの豊富な天然水を飲むことは、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞の予防にもなるのです。
    健康な人の体液は、PH値が7.4と弱アルカリ性です。略 人の体は疲れると酸性に傾きます。
    アルツハイマーを予防する「水素水」
    活性酸素を抑える天然の成分で、現在のところ最も抗酸化力があると分かっているのはプロポリスです。
    プロポリスの強力な抗酸化作用は、万病に効く
    「長寿遺伝子のスイッチ」は50歳を過ぎないと入らない
    「老化」とは細胞の遺伝子の傷
    ストレスもやはりテロメアを短縮させる要因の一つ
    細胞が正常な働きを保てるのは、一個一個が膜に包まれているからです。この細胞膜をつくる原料になるのが、コレステロールです。
    ミトコンドリアもテロメアも、全ては細胞膜の内側にあります。
    細胞にとってコレステロールは不可欠
    一般に常温で、液体状のものを「油」、個体状のものを「脂肪」と呼び、両者をまとめて「油脂」といいます。
    しかし、実際には、常温と液体と個体になる違いは、油脂に含まれる脂肪酸によるものです。脂肪酸の中でも、飽和脂肪酸は常温で固まり、不飽和脂肪酸は常温では固まりません。
    不飽和脂肪酸の中でも多価不飽和脂肪酸は、脳機能との関連で注目される油です。
    「マーガリン」は脳を劣化させる!
    健康を害するしかない油脂もあります。それは、トランス脂肪酸です。マーガリンやショートニングなどに多く含まれます。
    コーヒーフレッシュはトランス脂肪酸の固まり。生クリームや牛乳は一滴も入っておらず、主成分はサラダ油で、その他には乳化剤や増粘多糖類、カラメル色素などです。
    生きた食べ物は、常温で放置しておくと腐ります。
    体に過度の負担をかけると、活性酸素の発生量が増え、テロメアをかえって短くします。50歳からのフルマラソンは危険です。
    免疫力の七割は、腸で決まります。免疫力は腸内細菌を育てることから。
    腸内細菌は活性酸素の害を抑えてくれる
    「腸内フローラ」 腸内細菌は、体に悪さをする菌が入り込んでくると、その侵入を防ごうと攻撃するのです。
    腸内細菌は5万種類以上あり、そこには1000兆個以上の細菌類がいると推測されています。重さにすると、なんと1~2キログラムにもなります。
    腸内フローラは善悪のバランスが大切
    水に溶ける食物繊維も溶けない食物繊維も両方必要
    発酵食品は「若返りの食べ物」
    「焼きバナナ」は腸内細菌も喜ぶスイーツ
    免疫機能は、見知らぬ異物が体内に入ってくると、それを敵とみなし、活性酸素を放出させます。
    マメビオ
    清潔な場所では、単一の食中毒菌が繁殖しやすい。
    免疫の30%は心が決めている。

  • ・解糖エンジンとミトコンドリアエンジン
    ・50までは炭水化物をエネルギーとする解糖エンジンだが、50過ぎると酸素を燃料とするミトコンドリアに切り替わる
    ・50歳過ぎたら炭水化物甘いものをやめる
    ・色濃く匂いのキツイものニンニクらっきょうニラキムチチーズをたくさん食べる
    ・食べすぎ飲み過ぎはテロメアを縮める
    ・一口30回よく噛む
    ・魚野菜中心、肉は週2〜3回
    ・酒と女は2号まで

  • 体内でのエネルギーの生産が50歳から変わるらしい。

  • 50歳までは解糖エンジン、50歳からはミトコンドリアエンジンになる事実には少なからず衝撃を受けた。カロリー制限しても糖尿病は治らないことにはこのエンジンを理解しなければならない。長寿遺伝子は50歳をすぎないと活性化できない。アルツハイマーを予防するには「水素水」がよい。清潔にするほど免疫が落ちる。一日10時間以上寝ているひとは早死にする。「マーガリン」など自然界に存在しない形の食品加工物は身体によくない。噛めば噛むほど若返る。など有益な情報を学べた。

  • 説得力があった

  • 著者の藤田氏らしい腸内細菌を整えようという話。
    本書に書かれていることを実践しようとしても、スーパーに売っている食品添加物入りの食材ではなかなか難しいと解る。

  • 糖質ダイエットすべきとか、ある程度は糖質をとるべき、若いうちは糖質が必要等、巷には多くの本が並んでいます。糖質ダイエットが成功したのは、ある程度年齢を経た人だったとか、多くの様々な情報が私の中に入っていましたが、この本を読んで、それらが「すっきり」と整理されました。

    若いうち(この本では50歳まで)は、糖質(炭水化物)がエネルギーになるが、それ以降は酸素を燃料とする「ミトコンドリアエンジン」で動くことになり、過剰の糖質摂取は老化に繋がる、というものでした。

    そのための食生活は重要で、この本に掲載されている、長寿スイッチをオンにし、寿命を減らすことになる食物は可能な限り避けるのが良い様です。良い水と、カラフル(赤・橙・黄・緑・紫・黒・白)な食事は良い様ですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・人間の寿命を決めている、ミトコンドリア・テロメア・長寿遺伝子・腸内細菌、のうち、ミトコンドリアと長寿遺伝子は、50歳を過ぎないと活性化できない(p5)

    ・解糖エンジンは、糖分を燃料としてエネルギーをつくるエンジン、炭水化物を糖に変えて、瞬発力のある動きをしたり、皮膚や粘膜・骨髄の細胞の材料を作り出す。ミトコンドリアエンジンは、酸素を燃料としてエネルギーを作り出し、持続力に優れて、心臓や脳の神経細胞等へエネルギーを供給する(p20)

    ・解糖エンジンは、低酸素・低低温の環境で作動するが、ミトコンドリアエンジンは酸素が高い状態でよく動く。50歳以上の人は、体を冷やさないようにして、できるだけ体温を高く保ち、酸素をたくさん吸い込むように体を動かすべき(p25)

    ・糖質を取り込んで、解糖エンジンが活性化すると、取り込んだ大量の酸素が活性酸素に変わってしまう(p29)

    ・がん細胞は、古代の環境で生き延びてきた細胞で、解糖エンジンのもとで優位に働く。50歳からのがん予防は、高糖質・低体温・低酸素の三拍子が揃わない環境にして、解糖エンジンの働きを抑えるべき(p34)

    ・朝食と夜は主食を抜き、昼食には、お楽しみ程度に、五穀米・玄米を少量食べる、芋や豆類は良い(p45)

    ・最初に生物が現れた、約20億年前、放射線や紫外線は強く地球に降り注いでいた。このときに最初に発生した生物が、カビ・酵母・細菌などの微生物。これらの原始生命体には、放射線に強い耐性が備わっている(p58)

    ・人間のテロメアは、誕生時には約1万塩基対ある、1年平均で50対ずつ短くなる、これが約5000にまで短縮すると、細胞の寿命が尽く=死亡となる(p63)

    ・人の体は、神経系・内分泌系・免疫系の3つの制御系が連動して正常を保っている(p65)

    ・早死にしてしまう人が、特別なリスク遺伝子を持っているわけでないことが明らかになった(p69)

    ・フィトケミカルの豊富な食物食品の見分け方は、色が濃く・香り・辛み・苦みの強い野菜、海藻類、キノコ類である、鮮やかな色は、紫外線から身を守るためのもの(p89)

    ・アメリカは1日に5皿以上の、野菜・果物をとる、「5 A DAY」運動を1991年から始めて以降、がんの発生率が減少してきた(p106)

    ・ビタミンEは、テロメアの長さを保つ作用がある、玄米・アーモンド、緑黄色野菜に豊富(p115)

    ・人は食べ物が無くても数日から数週間は生きられるが、水は数日間飲まないと脱水症状で死んでしまう(p119)

    ・長寿遺伝子をオンにする方法として、1)カロリー制限、2)運動、がある。週に2回程度の「お肉(ヒレ・モモ)」も大事(p141、154、163)

    ・運動しすぎで、顔のしわが深いのは、過度の負担を体にかけているため、活性酸素によって肌老化が進んでいるから(p178)

    ・腸内細菌が好むのは、海藻類、牛蒡、にんにく、アボガド、オクラ納豆、きんぴらごぼう、里芋煮物等(p207)

    ・大腸菌は約200種もの変種を生み出した、157番目に生まれたのが、O-157で、ユッケ集団食中毒の原因菌は、O-111である。これらは、他の菌に負けて排除されてしまうような、生命力の弱い菌である(p231)

    ・お酒の飲み方には条件があり、1)気の合う人と、2)二号まで(p243)

    ・長寿食のポイント、1)白米・甘いものは控えめ、2)色香の強い野菜、3)暴飲暴食は控える、4)30回噛む、5)味噌汁、6)良い水、7)食品添加物避ける、8)週2回は肉、9)便に注意、10)生きがい持って、おおらかに暮らす(気の持ち方大切)(p252)

    2016年9月18日作成

  • 著者は腸内環境の専門で、腸内環境を良くする身体にする為の勉強になりました。
    日々細菌に触れて免疫力上げなければですね。

    しかし題名にある50歳から炭水化物はいらないと言うことについては、ざっくり過ぎて納得感があまりない。
    解糖系エンジンとミトコンドリアエンジンと言うのは分かったけど、それが50歳から変わるというのの説明が足りないと思いました。
    まぁでも自分が50歳過ぎた辺りになったら分かったりするのかな。
    もう少し科学的な研究データが欲しかったです。



    ・動物性脂肪などの飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増やすが、悪玉コレステロール自体は悪くなく、悪玉コレステロールが活性酸素と結びついた時が悪者になる。

    ・男性ホルモンや細胞膜の原料はコレステロール。

  • 藤田先生の炭水化物に関する本。

    腸に関する本の方が目新しい話がありました。

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著者プロフィール

東京医科歯科大学名誉教授 ・ 人間総合科学大学

「2010年 『未来コンパス 13歳からの大学授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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