- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479394037
作品紹介・あらすじ
世の中の彩りが変わる、スマホなし紀行。
スマホは便利だけれど、失ったものはないだろうか。
利用ではなく、スマホに依存していないだろうか。
このままでは、私がアプリになってしまう。
突如、思い立って出発した “3泊4日のスマホなし旅”。
向かった先は岐阜県美濃地方。そこで遭遇した景色とは。
スマホから離れたからこそ、出会ったものとは。
そしてなぜ、目的地に美濃を選んだのか……。
果たして、ふかわは、大切なものを取り戻すことができるのか。
~著者コメント~
スマホを悪者にするつもりも、
手放すつもりもありません。
スマホによって省かれてしまった時間や、
感触を取り戻せたら。
そんな気持ちで出発しました。
一緒に旅をしてくれたら嬉しいです。
感想・レビュー・書評
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表題通り『スマホを置いて旅したら』の旅行日記。
ふかわさんらしく、言葉に込められる複層的な思いや感覚が味わい深い1冊だった。
用いられる写真はあえてピントを絞らず俯瞰して遠めの撮影のような、ちょっと不思議な印象をもったが、なるほど。昔の「使い捨てカメラ」を使ったものとの説明で納得。
日常の利便性を高め、豊かな生活にするために用いられた道具はもはや私たちの毎日になくてはならない必須品となり、もっと言えば道具に支配されているかも、という危機感は感じる。
電車に乗ってもスマホなしで本や新聞を読む人はめっきり少なくなってる。私もだし。
「手段」だったものが「目的」になり、「使用するもの」が「支配されている」という逆転現象はすでに起こっているなと自戒の念。
使いこなすにはリテラシーが必要だし、ふかわさんの旅行記から手放してみて思わぬ副産物が得られる様子が手に取るようにわかる。
スマホさえ手にしていれば赤の他人は「壁同然」みたいな雰囲気があるけれど、ちょっとそこにいる人、近くにいる人と何気ない言葉で交わせる余裕やゆとりは、実は大事だよなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まだ完読してないが、、出たし良好。
3泊4日の旅で、出発日から台風、地震などのトラブル発生、そんな中、スマホが無いが故の不便さに「なるほど」と思うのと、、確かに心にゆとりが生まれるかも、、
最後の最後まで素敵な内容。
スマホで世の中便利になりすぎて、移動中はスマホばっか見て車窓の変わりゆく景色とか知らずに、また街中でも人との直接の触れ合いが無くなってるよなと改めて感じさせてくれました。
「あとがき」も良く、旅の前半で出会った和紙がこの本の中表紙に使っている事に触れ、私も読んでてそれまで気づかなかったんだけど、「確かに」と実感。
あとがきの後には、旅の途中に写るんですで撮った27枚の写真も素敵。ちゃんと27枚でした.
ふかわさんの「旅のしおり」を参考に私も似たような事やってみようかなと思いました.でも私の場合、「緊急事態用」とか理由つけてスマホをカバンに忍ばせるんだろうな. -
スマホを置いて旅したら、世界を実感した。
スマホを見ている時間が全部なくなったら、ただ目の前のことだけを感じるようになったのだ。
岐阜県へ3泊4日のスマホなし旅行で、全身で感じたことや、出会った人々、出来事について書かれている。
調べることのできない旅の名著といえば『深夜特急』だが、スケールは違えど、どこに行こうとも出来事と感じたことが書かれていれば同じこと。
スマホも本も置いて旅に出よう。目の前の風景と人との出会いが、考えるきっかけを与えてくれるはずだから。 -
とても良かったです。
スマホ無し旅行を丁寧に描く
繊細なふかわりょうのスマホ無し旅行
美濃和紙
水琴窟
岐阜に行ってみたくなりました。
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「スマホなしの生活ですか。いいですね」
スマホなしの生活をすると言えば、やっぱりこんな返答が多いのかもしれない。でも私もそうだけど、ほとんどの人がやらないんですよね。
スマホを手放したいのに「手放せない」のか、それとも「手放さない」のか。意外にスマホを欲しているのはほんとは自分自身じゃないかと思わされました。 -
私もスマホを置いて旅したくなりました。気づいたらスマホを触ってしまい、スマホがなければ成り立たない毎日。電車でもどこでも皆んなスマホと睨めっこ。そんな毎日が本当に息苦しいとたまに感じる。旅行とまではいかないけれど、スマホから離れる時間を積極的にもつようにしたいと思った。
ふかわさんの語り口が好きで、これまでも読んできたけれど、本作がいちばん好きです。
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共感できるし私もスマホなし旅したいな
現代人にはもっとぼーっとする時間が必要 -
ふかわさんの書く文章は詩的で良いです。多少比喩が多すぎて情景が分かりづらかった気もしますが、体験自体や選んだ場所、一人旅の良さを改めて感じました。こうして美濃和紙がほんの装丁に使われているのも味わい深かったです。