星の林に月の舟―怪獣に夢見た男たち

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479680277

作品紹介・あらすじ

昭和41年春、一人の青年が赤坂のテレビ局から、世田谷の制作プロダクションへと出向した。そこは円谷英二監督率いる円谷プロ。青年をそこへ連れて来たのは、円谷英二の長男で局の先輩でもある円谷一だった。『ウルトラQ』の大成功に沸立つ円谷プロで、青年も怪獣づくりに引込まれていくのだった…。長篇特撮小説。

感想・レビュー・書評

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  • 1987年刊行。ウルトラマン、ウルトラセブン、あるいは帝都物語などで監督を務めた著者の若き日の自伝的小説。特撮の雄円谷プロに出入りする時点から、ウルトラマン、ウルトラセブン、怪奇大作戦の撮影の頃までを描く。小説なので、どこまで真実かは不明であるが、円谷一、金城哲夫、おそらくは上原正三もここで登場し、第一期ウルトラシリーズに携わった人々の、その息づかいや想いを感得できるのでは…。飲み過ぎ、吸い過ぎで死期を早めたであろう、円谷一は人を惹きつける魅力に富んだ人だったのだなあと。また、セブン後半の問題点にも言及。
    ただ、些か、奇妙な批判も。セブン脚本家で、アニメーション上がりの人が参入して、ウルトラマンの世界観を攪乱したというような趣旨の件があるが、ウルトラマンを手掛けなかったアニメ脚本家とは、山浦弘靖氏と藤川桂介氏くらいしか思い浮かばない。彼らはむしろ新人に近い存在ではなかったか。特撮を怪獣モノとして周囲から馬鹿にされてきた実相寺をして、当時のアニメーション業界に対する上から目線を感じさせる件は、当時の空気感を雄弁に語るものと思える。

     しまった……。藤川氏、ウルトラマンの脚本担当だった…。

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