愛と残酷のギリシア神話

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479750451

感想・レビュー・書評

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  • ギリシア神話の面白さに、オリジナルをプラスアルファしたもの。
    エレクトラ・オイディプス・ナルシス・ピグマリオン・アフロディテのそれぞれの話を、改作したり、脚色したりしている。
    面白いと思う。時代背景や風俗が分からないのが個人的な問題。
    分かっていればもっとすんなり話に入り込めるんだろうな。
    でも内容はきわめてありきたりなよくある人間問題だったりする。
    家族関係や恋愛問題や社会問題、という人間が生きているれば当たり前に起きる事件の話。
    現代世界にもありえる。というか普通に世の中に散乱している問題の基本。
    ピグマリオンの話は個人的に好き。ガラテイヤみたいな女、いっぱいいるよね、みたいなw
    オイディプスの話は構成が上手い。なるほど、これは切な面白い。

  • ギリシア神話を元にした、短編小説である。
    僕が音読に目覚めた本でもあr(ry←
    桐生さんの話は、どれも素敵ですなぁ。
    ナルシスの話が一番好きだった。
    『美少年というのは、決して女の代用品ではない。
    あくまでも少年という種族なのだ。
    同性によって求められ、愛される種族なのだ』
    ギニョル読んだ後だったから、何かドキッとした。
    美少年…いいよね←

  • ギリシア神話を作者の解釈によって創作された短編集、て感じかな。どっかで聞いたことある名前がばんばん出てくるので読みやすいかと。ギリシア神話に興味のある方は是非ー。表紙も美しい♪

  • オムニバス。運命に弄ばれた個々が、真剣であればあるほど悲しい物語の数々。人間臭い神々と人間が同じ次元に暮らす、不思議な時代で、神が気紛れに力を発揮することで人間達の運命の歯車が狂い出す様は、あまりに残酷すぎて、何のための神なのか、その試練の果てに何があるのか、切ない。幸せは長く続かず、不幸の先にも幸せはそう待っておらず、転げ落ちていく人間達。でも、その中で一瞬でも神の領域とでも呼べる最上で最高の愛と幸せを得たのであれば、それで既に人間冥利なのかも知れない。

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著者プロフィール

パリ大学(ソルボンヌ大学)、リヨン大学にてフランス文学・歴史を専攻。帰国後、執筆活動を行う。人物評伝や歴史の知られざるエピソードを様々な形で紹介している。その作品には拷問や悪女を取り扱うものが多い。主な著作に『本当は恐ろしいグリム童話』『やんごとなき姫君』がある。『本当は恐ろしいグリム童話』はミリオンセラーとなった。

「2016年 『新釈・皇妃エリザベートとふたりの男たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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