「教養」を最強の武器にする読書術

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 268
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794073

感想・レビュー・書評

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  • 不惑を目前にして教養の必要さと教養のなさをつくづくしみじみ噛み締めている仕事バカの自分にカツ!ということで入門書的な意味合いで手に取ったが、入門書としては大変良いでせう。なイメージで、あとは読むだけですよ。と。「多様な価値観を共有できる人こそ、真の教養人と呼ぶのではないか」知識だけあっても、頭でっかちで。フィクションとノンフィクションをバランスよく読むことが大切と。おっしゃる通り、その通り。とりあえず積んでる百年の孤独と無縁・公界・楽を消化したい今日この頃である。

  • 133(2016年では10冊目)

  • 私の場合、読書は趣味の一貫としてやっていますが、できることならば読書を通して教養を深める・高めることができれば嬉しく思います。そのためには特定の分野や著者に偏ることなくバランスのとれた読書をしなければなりません。頭では分かっているのですが、どうしても興味のある分野が中心になっているのが現状です。

    そんな私にとって、三色ボールペン等で有名になった樋口氏の書かれたこの本は、教養を武器にするための読書術として、ノンフィクション・フィクションにわけて推奨本も含めて提唱してくれています。この本で取り上げられた本を何冊か読むことで、私の人間の幅を広げていきたいです。

    この本から得た素晴らしいメッセージは、フィクション・ノンフィクションをバランスさせる(p22)、および、読書をして教養を身につけることで、自分という一人の人間の経験や考えを中心にしながらも、それを絶対視せず、ものごとを相対化しつつ考えるということが可能になる(p28)ということでした。

    以下は気になったポイントです。

    ・教養をつけるのにふさわしい本を読み、自分の読みたいものを的確に探し出して読んでいけば、必ず読書好きになり、教養が身につく(p2)

    ・教養を身につける読書の基本として勧めたいのは、ノンフィクションとフィクションの両方を読むこと、どちらかに偏るのではない(p22)

    ・読書をして教養を身につけることで、自分という一人の人間の経験や考えを中心にしながらも、それを絶対視せず、ものごとを相対化しつつ考えるということが可能になる(p28)

    ・複数の視点を獲得するという40代の読み方から、歴史的な視野で読み、知識を体系化させるのが、50代の読み方(p32)

    ・政治は戦争の歴史とは切り離して考えられない、「それでも、日本人は戦争を選んだ(加藤陽子)」は、現代人が読んでおくべき本(p54)

    ・文化や政治の転換期であった中世を中心にまとめられた、比較的読みやすい本として「日本の歴史をよみなおす(網野氏)」(p70)

    ・ニーチェの思想を体系的に知りたい人は、ニーチェの入門書として「ニーチェ入門(竹田氏)」(p75)

    ・日本語では状態に主体をおく、外国語では「する」(動作)に主体を置く。それが鉄道の駅名にもでてくる、日本の場合には場所の名前が普通、海外では人名のついた駅が普通に存在する。日本語の主語について分析した「日本語は敬語があって主語がない「地上の視点」の日本文化論(金谷氏)」(p101)

    ・動物の大きさや体重に着目して、生物の謎を解き明かす「ゾウの時間、ネズミの時間、サイズの生物学(本川氏)」(p110)

    ・ノンフィクションは、多読で知識の幅を広げる方法と、精読で知識を深める方法の両者を併用する(p117)

    ・本を読み終わったら、得た知識を発信してみる、得た内容を自分の中に蓄えておくだけではなく、他人に教えたり、ブログやツイッターで発信することで、知識を情報に転換する、これにより教養の身に付き方は大きく違ってくる(p120)

    ・文学の読み方の最初に挙げたいのは、そのように主人公になりきってみること(p124)

    ・文学の読み方のポイント、主人公と追体験・教訓的には読まない・文体や描写を味わう・よくわからない凄さを楽しむ・相性のいい作家を見つける、である(p131)

    ・現代のサラリーマンの意識を現代の設定でそのまま描くと、非常につまらなくなるが、時代小説(例:鬼平犯科帳(池波氏)、蝉しぐれ(藤沢氏))を現代ビジネスマンの啓発書として読む(P174,177)

    ・らくらく・じっくり読み、人間模様・思想読みのどの軸が自分の関心や興味の座標軸かどうかを明確にしておくと、読んだときの記憶も蘇りやすい(P201)

    2013年11月17日作成

著者プロフィール

樋口 裕一(ヒグチ ユウイチ)
作家、小論文専門塾「白藍塾」塾長、多摩大学名誉教授
作家、小論文専門塾「白藍塾」主宰、多摩大学名誉教授
1951年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。多摩大学名誉教授。小学生から社会人までを対象にした通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」塾長。
著書に250万部のベストセラーになった『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)のほか、『小論文これだけ!』(東洋経済新報社)、『読むだけ小論文』(学研)、『ぶっつけ小論文』(文英堂)、『ホンモノの文章力』(集英社新書)、『人の心を動かす文章術』(草思社)、『音楽で人は輝く』(集英社新書)、『65歳 何もしない勇気』(幻冬舎)など多数。

「2022年 『小論文これだけ! 人文・文化・思想・芸術・歴史 深掘り編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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