伊勢神宮と古代王権: 神宮・斎宮・天皇がおりなした六百年 (筑摩選書 36)
- 筑摩書房 (2012年3月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480015389
作品紹介・あらすじ
伊勢神宮には二つの顔がある。一つは、伊勢地域に実際に存在する地域神社としての顔。もうひとつは、中央政権が構想した、天照大神がいるとされる国家的存在としての顔だ。両者をつなぐ存在が天皇の代わりに神宮を奉斎する斎王であった。伊勢と天皇はなぜ、いかにして結びついたか。中央政府にはどんな思惑があったのか。政治の変動に翻弄され斎宮が衰えゆくなか、神宮はいかなる変容を遂げ、現在に至るのか-。王権・神官・斎王という三者の関係から、伊勢神宮とは何かを問いなおす。
感想・レビュー・書評
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地域的存在としての伊勢神宮、国家的存在としての伊勢神宮という2つの視点から古代史における伊勢神宮について探求している。
日本史の大きな流れにも影響され、時代とともに伊勢神宮の位置づけ、あり方もかなり変遷してきたということがよくわかった。また、国家機構としての伊勢神宮という観点は新鮮だった。古代において、伊勢神宮についての行政的統制は行われていたが、天照大神とはどういう存在かといった伊勢神宮の本質に関わることについては、朝廷としての明確な共通見解が示されておらず、古代末から中世にかけて、いろいろなアマテラス解釈が行われるようになるが、それに対しての弾圧等は何もなかったという事実が興味深かった。
ただ、結局、古代において伊勢神宮とはどういう存在だったのか、ということについては、本書を読んでもよくわからなかったというのが正直なところだ。やはり伊勢神宮は一筋縄ではいかない存在ということはよく理解できた。 -
支配者が正統性の根拠を獲得するためにいかに宗教を利用するか、宗教が正統性の根拠を獲得するためにいかに支配者を利用するかを考えさせられた。
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伊勢神宮の古代史がわかる本。
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