- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480016911
作品紹介・あらすじ
「日本人」であることを証明するのが戸籍とされる。だが天皇家の人々は戸籍をもたない。その根底には何があるのか。現代日本をも貫く家の原理を剔抉する。
感想・レビュー・書評
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普段の生活ではあまり意識していないが、何かというときには手続をしなければならない戸籍について、天皇及び皇族に焦点を当てて、家(イエ)や血統の意味を問い直そうとしたもので、類書もなく、興味深い論考である。
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天皇制も戸籍も、「日本人」という共同幻想のもと、補完し合う制度なのだな、と。何故戸籍はあるのか。何故天皇制は続いているのか。連綿と続く幻想が、「日本人」を支えてもいるけれど、縛ってもいる。
皇居を本籍にしている人たちがいるってこと自体が、戸籍の意味を曖昧にしているよね。住民登録の方が、行政サービスや生活の実態に即しているけれど、「家」という意識が戸籍を存続させているのだろう。
そしてその「戸籍」の外にいるからこそ、天皇家は私たちとは違う場所にい続けることになる。それを今回の騒動や皇位継承問題であらためて考えることになったのじゃないかな。
他の国々の、戸籍に類する制度がどうなっているか、もう少しだけ、詳しく知れたらよかったけれど、そこはテーマから少し外れるから自分で調べましょうってことかも。 -
最近選択的夫婦別性に関して反対している人がいることに驚いているが、その理由がどうもこの本に書かれているような国家感に基づいているようだ、と聞いて一読。
天皇が「親」で国民は「その子」だという証しとして戸籍や家の系譜を大事にしようと教えてきたのかなぁ…。それにしてもつい数百年前まで日本も一夫多妻制に近いことが認められていたのにはさらに驚いた! -
東2法経図・6F開架:323.15A/E59t//K
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『天皇と戸籍――「日本」を映す鏡』
著者:遠藤 正敬
シリーズ 筑摩選書
版型 四六判 288頁
刊行 2019/11/12
ISBN 9784480016911
JANコード 9784480016911
本体 1,600 円+税