北海道廃線紀行 ――草原の記憶をたどって (筑摩選書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480017482

作品紹介・あらすじ

炭鉱、ニシン漁、砂金、アイヌ、開拓使――、鉄道全盛期の約40%が消滅した北海道。その廃線跡を訪ね、地域の栄枯盛衰、そこに生きた人々の息遣いを活写する。

感想・レビュー・書評

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  • 廃線紀行と言ってもレールが敷かれていた場所
    をトレースする訳ではありません。

    かつて列車で旅したルートを車などで巡る旅な
    のです。

    なので駅跡を中心に、かつては栄えたであろう
    小さな町を訪れる紀行文になっています。

    これがいいのです。

    旅を楽しむ前提として、知識と教養が大切であ
    ることを教えてくれます。

    どんな小さな町に寄っても、その町のゆかりの
    人に思いを馳せて街の風景を描写しています。

    後付けで調べたのかもしれないが、それにした
    ってここまで色々な歴史を知っているのであれ
    ば、どこに行っても楽しめるだろう。

    知識と面白がる心を持つことこそが、旅を彩る
    手段であると思い知らされる一冊です。

  • 北大文学部出身の交通系ライターさんによる、北海道廃線紀行。廃線となった対象はたくさんある。
    昔たどった鉄路もあり、それなりに懐かしい。
    青森の五能線のように、観光メインで生き残れる路線があるか、検討の余地があれば良かったのだが。
    一度廃止した鉄路の復活は考え難く、過疎の進行は防げないであろう。

  • 国鉄時代に建設されて廃線になった路線の探訪紀。
    著者の思い出が多く語られています。
    思い出話しはいいのですが、昔こういう人がいた。という話の後で、今どうなったか調べるでもなく、終わってしまい、あれれ。という感じがします。また「国鉄分社化」という聞き慣れない用語が頻出するのも気になりますし、開高健の著書の名前が一箇所間違えています。
    という感じで、随所に違和感を感じるものの、丹念に調べていることは確かです。
    北海道の駅にまつわる習俗に関しては『北の無人駅から』という秀作があるので、それと比べるといささか物足りなさを感じました。

  • <目次>
    第1部  道北
    第2部  道東
    第3部  道央
    第4部  海をめぐる鉄道

    <内容>
    「旅と鉄道」創刊期のデスクで、天夢人を創設し、社長を経てフリーライター。天夢人を退職後に、若いライターと北海道の廃線をまわった記録。巻末に廃線の紹介があるように、きちんとまわった様子が見て取れる。読んでいると郷愁を誘い、北海道に旅をしたくなる。自分も大学時代のフリー旅で回った旧万字線の折り返し時に、赤とんぼの大群に囲まれた時を思い出した。

  • 1 道北(さいはての天と地をゆくー天北線/消えたにしん列車ー羽幌線 ほか)/2 道東(根釧原野、見果てぬ夢ー標津線/鉄道駅舎、ふるさとの記憶ー池北線 ほか)/3 道央(石炭が“黒いダイヤモンド”だったころー手宮線、幌内線、万字線、石勝線夕張支線/石狩平野、囚人たちの道ー札沼線 ほか)/4 海をめぐる鉄道(日本海をめざす鉄道路線ー留萌本線、岩内線、瀬棚線、江差線/黒潮迫る太平洋の道ー日高本線 ほか)

  •  人の姿があまり出てこないことは理由ではないだろう。
     また、同伴者がいないことも同様。
     途中で、宮脇俊三の文庫本を読みたくなってしまった。

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著者プロフィール

1946年生まれ。ノンフィクションライター、紀行作家。北海道大学文学部卒業。1972年鉄道ジャーナル社入社。「旅と鉄道」誌創刊期デスク。2007年、出版社「天夢人Temjin」設立。代表取締役社長等を経て2019年退職。日本文藝家協会、日本ペンクラブ、日本旅行作家協会会員。著書に『被災鉄道――復興への道』(講談社、第40回交通図書賞受賞)、『へるん先生の汽車旅行』(集英社、第10回開高健ノンフィクション賞最終候補作品)、『60歳からの青春18きっぷ』(新潮新書)、『鉄道エッセイコレクション(編)』(ちくま文庫)、『新にっぽん奥地紀行――イザベラ・バードを鉄道でゆく』(天夢人)、『ラストカムイ――砂澤ビッキの木彫』(白水社)ほか多数。

「2022年 『北海道廃線紀行 草原の記憶をたどって』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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