ひょっこりひょうたん島 全13巻 ちくま文庫 い-20

  • 筑摩書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784480027009

感想・レビュー・書評

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  • 4月9日に亡くなって、早や一週間が過ぎようとしています。

    『吉里吉里人』や『東京セブンローズ』や『四千万歩の男』や『組曲虐殺』や『ふふふふ』などをあてもなく読み返したりしていましたが、読めば読むほど胸が苦しくて張り裂けそうになってきます。

    そうか、もういないんだと思うと、とてつもない崩壊感覚が襲ってきて、自分の身体がその場からどんどん落ちて行って、果てしない地の底に際限なく落下していくような、すぐそばで小さく淡くゴーという音まで聞こえていてずっととても不安定な気持ちの状態のままです。

    小説・戯曲・エッセイすべてにおいて、巧妙なおかしみを与えてもらって、日本と世界がかかえる数々の問題定義を、庶民の目から百年先の孫子の世代をも見据えた視点から提示してもらって、まだそれに私は応えていません。

    私にとっても彼にとってもそれらの原点が、やはりこの不朽の名作『ひょっこりひょうたん島』です。

    全13巻をただ黙読するのではなく、再放送やなんかで知りえた声優の物真似をして、それぞれの配役に適した声色を使って演じたものですから、もう疲れること疲れること。
    こちらは弔いの意味を込めて真摯にやっていますのに、家の者は面白がってビデオ撮影するは拍手喝さいはするはで、だいぶ調子が狂ってしまいましたが、やっぱり見てるとき面白いものはやってみても面白いものだと証明できました。


    この感想へのコメント
    1.オヤオヤもんど (2010/04/16)
    ひょっこりひょうたん島、なつかしいです。
    井上ひさしさん、亡くなられましたね…
    ワタクシは熱心な読者では無かったのですが、
    何年か前に一度、氏の講演に友人と出かけた事があります。
    名古屋にみえる事も少ないのか、後半の質疑応答に、ていねいに答えられていた記憶です。新幹線を遅らせますと言って、時間オーバーして答えてみえた覚えです。
    ご冥福を、お祈りします…
    2.薔薇★魑魅魍魎 (2010/04/17)
    いえ、実は大好きな作家ではなかったのですが、どうしても無視できない何故か動向が気になる人で、戯曲を読むなどということを他の人ではあまりやったことがなかったのに、彼の全戯曲を舞台は見ていなくても読むということをしてきました。
    本当に小説でもエッセイでも、手を抜くとか失敗作とかいうものがなく、遅れるということがあっても常に傑作・問題作を出す人だったと思います。まだ75歳、肺癌が憎いです。

  • 今日、たまたまテレビで古い番組の紹介をしていたのを見て、懐かしく思い出しました。『ひょっこりひょうたん島』です。ぼくが小学生の頃ですからね、みなさんは知らないでしょう。と、言っても、ぼくは子供のころはあんまりテレビを見なかったので、この番組はあまり見ていません。90年代に一部がリメークされました。

    それでも、90年にちくま文庫から、古い台本を復刻(?)したものが13冊だけ出ました。

    今でも新鮮ですね。

    今日のテレビでは、その頃の舞台裏を紹介していましたが、今とちがってビデオの編集はしなかったそうです。15分の番組ですが、15分通しで撮ったそうです。ですから、14分目あたりで NG があると最初から撮り直しだそうで。

    15分とは言っても毎日ですからね。すごい話です。でも、すごいけど、ちょっといい時代でしたね。

  • 生きている楽しみを知ったんです。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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