都市という廃虚: 二つの戦後と三島由紀夫 (ちくま文庫 ま 17-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480027481

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  • バブルの喧騒に湧く昭和62年の1年間にわたり「新潮」に連載。整地された土地に整然と林立する団地群、学生の自治を失い管理された大学、埋立地に現出するレジャー施設、これらの街並に貧困・格差・高齢化社会への抗い難い順応が潜む。サブタイトルの二つの戦後とは、第二次大戦と経済戦争を指す。各章ごとに大戦後上梓された三島作品を媒介し論ずる荒技に、あながちこじつけとは言い切れない説得力を感じた。薄々気づいている危機を見ないふりして紛らわす、深く根付いたコンフォーミズムが現在にまで至らしめている。のっぺらぼうの都市は人々の心をも蝕む。

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