- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480029324
感想・レビュー・書評
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森茉莉さんの作品を買い漁っていた頃に買った文庫。内容は森さんの日常が書かれていて白石かずこさんや池田満寿夫さんや妙子さんの事も書いている。人生後半で妙子さんと仲たがいされたような感じも森さんが書くとお互いの主義主張の違いなどはあっていいと感じました。
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週刊新潮に1979年から1985年にかけて連載、好評を博したが、著名人は戦々恐々だったとか。そのテレビ評に感動し、自身コラムニストの道を歩んでいる中野翠による精選ドッキリチャンネル。
茉莉さんが愛した芸能人やものや気に入らないものを赤裸々に書き綴ったエッセイ。食の話は少し少なめだけど、やっぱり面白い。全然知らない時代なんだけど、ふっと笑ってしまうようなユーモアたっぷりの表現に惹きつけられる。まっすぐに好きなものを愛でる彼女のスタイルそのものに憧れるというか、迎合しないで自分の考えを貫くところがカッコいい。男女に関わらず厳しすぎてこてんぱんにされた人は凹みそうだがw -
今のテレビをモリマリさんに評して貰いたいなァ。
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TV
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時間があれば
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再読
茉莉様の放言楽しいw
德光和夫はお千代・お花の顔、高峰秀子へのPTA夫人、福地泡介の「男の密契」への怒り、
石坂浩二・いしだあゆみは偽インテリ、美輪明宏は容器だけ良い悪い酒、
松田聖子も田原俊彦もお気に召さない。
松野頼三の顔のふてぶてしさを表現するのにミリエル僧正に会う前のジャンバルジャンじゃ足らずホームズが唯一挙げられなかった犯人と
田中邦衛は三百年続いたイスパニアの貴族の血族結婚のために頭の悪くなった城主に仕えてるソムリエに例える。
三島が、犀星が褒めた私の文章に対して「なかなか切れ味がいい」と褒めた沢田研二の事務所の人間に憤慨し、何にたいしても褒めるのも貶すのも物凄い。
舅の妾のお芳さんの描写の魅力がある事。
粋だけど品のある顔、というのはシンプルな言葉だけにハッとする。
火野正平への掛け声が「ニンチ屋」なのは噴いたwww
花屋の娼婦2人組との下りはかなり微妙だが、この人だし仕方がないとも。
選者の中野翠はあとがきで、パリ讃美や家族の話は思い切って削った、
と書いていたが、それでも溢れちゃうのが森茉莉だなぁと。 -
山田詠美さんの本で紹介されていたので読んでみた。まさか森鴎外の娘とは!!ここまではっきり書かれるとかえってスッキリする。夏目漱石、三島由紀夫、室生犀星、与謝野晶子等錚々たる人物が認めた人。小説も読んでみたい。
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森茉莉といえば匂い立つような耽美的美文の作家、というのが私の中での印象であった。代表的エセー『贅沢貧乏』でも気高く気怠い雰囲気にすっかりくらくらさせられていた。
本書では、その気高さ気怠さはそのままに、歯切れよくテレビに突っ込みを入れる。それは一方的で主観に満ち、まったくもって言いがかりに近い。森茉莉かくあれ、といった素晴らしくも馬鹿らしい「美文」である。
ダイジェストということで、中野翠の思い切った編纂も賞賛されるべきだと考えるが、次は完全版にも手を伸ばそうと思う。 -
1979年から1985年にかけて週刊誌に連載されたTV評エッセイの抜粋版。TV番組の話から、子供の頃の話等横道に逸れるも最後にはちゃんと本筋に戻るのがおもしろい。ワタシが子供の頃に見たTV番組とダブっているものがあったので思い出しながら読んだ。
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週刊新潮に連載されたエッセー。
好き勝手言い放つ放射系のスタイル。話が脱線しつつもまとまりのある文章に落ち着いていくのは、さすがというか妙技とも言えるかもしれない。
父親(森鴎外)への憧憬、大人になりきれないどことなく稚拙な一面をのぞかせつつ、切れ味のある表現によってそのある意味自分の弱ささえ武器にしてしまう著者の才能を認めつつも、こんな奴とは関わり合いたくないなと思う。自由に表現することとはどういうことなのか、改めて考える機会をもらえるとともに、今後人の見方の角度調整を強いられそうだ。