コン・ティキ号探検記 (ちくま文庫 ヘ 2-3)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480031693

作品紹介・あらすじ

古代の筏で太平洋を漂流する-人類学上の仮説を自ら立証した冒険の記録。奇抜な着想と貴重な体験、ユーモアあふれる文章で大評判になった古典的名著の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃に読んだことあったかなー、と思いつつ古本屋で手に取ったものを夏休み的読書として。

    とにかく大胆で気風のいいヴァイキング野郎どもの航海記というか漂流記である。大きな太平洋の中ではたまに無線連絡がとれても場所を特定して見つけてもらうのは無理だったようで、航海中はまさに孤立無援の状態にあったわけだ。リスクだなんだと小うるさい世の中でこんな話を読むのも気持ちがいい。

    航海=漂流は決して平坦で退屈なものではなかったようで、最初のうちは舵をとるだけでも大変。あと、大陸棚を越えてもずっと魚の群れと一緒だったことは意外。海流沿いに魚の道があるのか。ジンベエザメやらマグロやらイカやら色々と登場する。

    南米からポリネシアに向かった話とは知らず、巻頭の地図を見て「あれっ?」と思った。逆じゃないかと。調べてみれば学説的にもポリネシアへの移住は西側からというのが今でも定説で、ヘイエルダールの説は認められていないようだ。たしかに、あごひげ生やした白人がどうのこうのと、ところどころで妙な説を唱えていたし。でも、この冒険譚の魅力はそれでも薄れない(サツマイモとかポリネシアと南米の交流を示唆する証拠もあるようだ)。

    1000年以上前に、ちっぽけな筏やカヌーで大海原に乗り出した人たちを思えば、人間なかなかすごいな、と言いたくなる。

  • 自分の学説を信じて無謀な冒険を行い、さらに他人にも信じさせて研究費を出させる姿はまさに科学者。
    冒険の間の行動も魅力的に書かれている。

  • 灰谷さんの本を読んでいた時この本が出てきました。面白そうだなあと思って借りてみました。とても面白かったです。

    昔黒潮に乗れば世界の反対まで行くことが出来る、と言うのを読んだことがありますがペルーを出てポリネシアまで筏で行くとは。聞いただけで何とも胸の踊る探検です。
    もちろん、研究も兼ねての探検なわけですが作中、行きたいなあ、としみじみ言っていた人に共感しました。実際問題4カ月近くも筏の上で過ごすなんて自分には耐えられそうにありませんがそれでもどこかでやってみたいなあと思うのです。

  • 2007/12 図書館から。

  • 子どもの頃「児童文学全集」で読んで以来、自分の仮説を証明しようと実験航海に乗り出してしまうその行動力、そのユーモアあふれる冒険の記録、そして豊かな海の描写にすっかり魅了されてしまい、長らく愛読書となった本。大人になってノルウェーのオスロに行き、実物の「コン・ティキ号」に対面したときは本当に感動したものです。すごくちっちゃかったけど(笑)。

  • 海、海、海。エンジンのついた鉄の容器にいるのでなく、遭難といった自分が望んだ状態でなく、大海原に対峙するのにふさわしい準備に望んだとき、どんなことを経験するんだろう。

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