私の幸福論 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.92
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本棚登録 : 634
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480034168

作品紹介・あらすじ

人間は不平等だ。悪いといおうが、いけないといおうが、事実だ。しかし現実がどうであろうとこの世に生まれた以上、あなたは幸福にならねば…。誤まった幸福観を正し、人間の本当の生き方とは何か、幸福とは何かを、平易な言葉で説いた刺激的な書。

感想・レビュー・書評

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  • 昔の本の割に意外と読みやすい本。
    そしてポリコレや多様性がいきすぎた現在に読むと、美醜の話や女性らしさ等、逆に新鮮でもあり、共感できる部分が多かった。

  • 「人間は不平等だ。悪いといおうが、いけないといおうが、事実だ。しかし現実がどうであろうとこの世に生まれた以上、あなたは幸福にならねば…。誤まった幸福観を正し、人間の本当の生き方とは何か、幸福とは何かを、平易な言葉で説いた刺激的な書。」

    目次
    美醜について
    ふたたび美醜について
    自我について
    宿命について
    自由について
    青春について
    教養について
    職業について
    「女らしさ」ということ
    母性〔ほか〕

  • 美醜の話や宿命の話、恋愛観など目から鱗の面白い本でガチで勧められると思ったんだけど、福田の家庭観てなんなの。余程つまらない地獄を歩いて来たのかしらという、つまらない章でしたね。
    最後2割は詰まらないけど、巻末で編集さんかなんかにこれは売れるからって口説かれて賭けをする話はわかりみすぎてちょっと面白かった。2人とも売れるってわかってんだよ。

  • ■ひとことで言うと?
    幸福とは、自分の在り方・生き方を信じることである

    ■キーポイント
    - 幸福とは
    - 幸福 ≠ 快楽
    - 現実を受け入れて耐えること
    - 不幸があるからこそ幸福がある
    - 幸福であるために
    - 「宿命」「自他」「大いなる何か」を信じる
    - 人生を肯定する
    - V.フランクル「態度価値」
    - 「ひがみは頑なつめたい勝利者を生む」

  • 1955年に書かれた連載の改定の改定…らしい。
    内容は今読んでもしっくりくる。
    なんなら嫌われないために避けようとしている話題(美醜について)から現実を突きつけてくる。
    うんうん、そうだよね。
    言ったら人でなし扱いを受けるのでは…と声に出せないことも、わかりやすく綺麗な日本語で書いてある。音読したい。

  • 個人的には美醜について、教養についてがおもしろかった。短所から目を背けて無理やり伸ばした長所は立派に見えて意外と脆く、どこか他人に不寛容でつめたい。そうではなくて、弱点は弱点として目を見開いた状態でのびのびと生きろ。すごくいいことを言うなあと思った。
    教養については読者の仕方についてのアドバイスが勉強になった。著者のいいなりになりすぎす、また自分の都合のいいように誤った解釈をせず、頭を使って自分と著者の距離感を感じながらしていくものだとあり、勉強になった。いい本だった。

  • 全部の文章にラインマーカー引きたいじゃん

  • 幸せになるために読みたいと思った。
    内容は厳しいものでしたが、とても大切なことに気づくことができました。

    まずなによりも信ずるという美徳を回復することが急務です。p.222

    一人でもいい、他人を幸福にしえない人間が、自分を幸福にしうるはずがないp.223

    快楽とは、おのれ一人にかかわる孤独な迷妄にほかなりません。(中略)快楽や快適を目指すところには、その底に利己主義がひそんでおります。p.211

    「不幸」というのは、ただ「快楽」がかけているということであり、「快楽」でないということにすぎない。その意味の「不幸」のうちにあっても、なおかつ幸福でありうるのです。p.218

    今日より明日は「よりよき生活」をということにばかり、心を用いすぎるのです。その結果、私たちは「よりよき生活」を失い、幸福にみはなされてしまったのではないでしょうか。p.220

  • 自分と同じ考えをしていた
    幸福とはなにか、まだわからない

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著者プロフィール

評論家,劇作家,演出家。東京大学英文科卒業。 1936年から同人誌『作家精神』に,横光利一,芥川龍之介に関する評論を発表。第2次世界大戦後すぐに文芸評論家として活動を始め,やがて批評対象を文化・社会分野全般へと広げた。劇作は 48年の『最後の切札』に次いで 50年『キティ颱風』を発表,文学座で初演され,以後文芸部に籍をおいた。 52年『竜を撫でた男』で読売文学賞受賞。 63年芥川比呂志らと文学座を脱退,現代演劇協会,劇団雲を結成して指導者となる。 70年『総統いまだ死せず』で日本文学大賞受賞。シェークスピアの翻訳・演出でも知られ,個人全訳『シェイクスピア全集』 (15巻,1959~67,補4巻,71~86) がある。著書はほかに『人間・この劇的なるもの』 (55~56) など。 81年日本芸術院会員。

「2020年 『私の人間論 福田恆存覚書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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