産廃ビジネスの経営学 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480062611

作品紹介・あらすじ

わが国最大の環境問題である「不法投棄」。これをただエコロジーの観点から分析しているだけでは、根本的な答えは見えてこない。アウトローは、「必要悪」として社会システムに組み込まれた「もうひとつの経済現象」なのである。本書では、日本の経済・行政・政治の構造を典型的に映し出す「環境アウトロー」の世界で産廃Gメンとして画期的な実績を残してきた著者による、まったく新しい経営・経済論。アウトローの構造を徹底的に解剖し、それをベンチャー化することによって、「必要悪」を、「必要ビジネス」へと転換させる処方箋を提供する。

感想・レビュー・書評

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  • ゴミ・廃棄物のお仕事って、消費や建設と表裏一体のビジネス。いかに社会として包摂していき、アウトローの仕事を合法化していくのが大事と理解した。
    公務員でありながらよくぞここまで精力的に活動されたものだと驚愕しました。私だったら諦めちゃうな。

  • 産廃業界の裏側、アウトロー的側面を覗ける本。
    10年以上前の本だけど、ワタシは表側で業の許可申請を仕事にしているので、興味深く読んだ。

  • 産廃ビジネスの計数的な経営指標や将来性に関する記述を期待して手に取ったが、そのような情報は軽く触れられる程度。むしろ本書の大半はアウトローに関する一般論に割かれる。それはそれでもちろんつまらなくはないのだが、それならタイトルは「アウトローの社会学」とでもしたほうが良い気がする。

  • 脱必要悪。産廃ビジネスという筆者が実際に取り締まってきた分野からこの問題に取り組んでいくおもしろさがあった。事例も具体的だし、我が愛する地元の例もあったのでア然…しかし、主張それぞれは確かにその通りであるとは思うが、もう少し各章の主張が掘り下げていけるのではないかと思った。そしてデータもやや不足気味。アウトローを取り扱う上でデータを正確なデータをもとめるのは酷だが、本書のような題材だからこそ、それを望みたい。

  • [ 内容 ]
    わが国最大の環境問題である「不法投棄」。
    これをただエコロジーの観点から分析しているだけでは、根本的な答えは見えてこない。
    アウトローは、「必要悪」として社会システムに組み込まれた「もうひとつの経済現象」なのである。
    本書では、日本の経済・行政・政治の構造を典型的に映し出す「環境アウトロー」の世界で産廃Gメンとして画期的な実績を残してきた著者による、まったく新しい経営・経済論。
    アウトローの構造を徹底的に解剖し、それをベンチャー化することによって、「必要悪」を、「必要ビジネス」へと転換させる処方箋を提供する。

    [ 目次 ]
    序論 アウトローはなくせる
    第1章 軽油密造シンジケート
    第2章 アウトローは二重性につけこむ
    第3章 不法投棄ゴールドラッシュ
    第4章 警察と行政の問題構造
    第5章 情報がアウトローを封じ込める
    第6章 アウトローが使う経済学
    第7章 ベンチャーによるアウトローの超克
    第8章 環境アウトローに業界再編を仕掛ける

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    [ 参考となる書評 ]

  • 進んだけど、なかなか進まない産廃問題

    うさんくさく環境問題を理想像的に語るのに比べ、よりリアルに環境問題を感じさせてくれる新書。もちろん、新書的な情報量しか、この本から得ることは出来ないことは断っておくべきだと思うが環境ビジネスを考える上では経済と環境を取り結ぶ上で、どのような点を突いていくべきかを柔らかく考えるきっかけを与えてくれるように思える。

    特に、産廃犯罪が構造上の問題である点をしっかりと取り上げている点は重要である。今までの規制による点を抑えれば良い犯罪から、より面的なネットワークに対してどのように考えていくべきか?それは医療でガン治療で行なわれるように、Webでgoogleがアルゴリズムを考えるように動的なネットワークへのアプローチが求められる他分野との共通性が見られて非常に興味深い。

    自分が建築に携わっている影響もあり建てられた後、そして解体された後の建物の運命がどのように回っているかを知ることが出来たことはうれしかった。今後は以前には少なかった木造住宅の新陳代謝と工業化した内装材による混合されたリサイクルしにくい廃棄物が建築業会から排出されることは目に見えており、産廃ビジネスの次元まで含めた解決策の提案が求められるように思われる。

  • 廃棄物処理の現状をよく知っているらしい著者さんの著述。実務でがりがり書いているような本はまた別のもののようですが、産廃関連も含めた日本のアングラビジネスなり「この会社は好きじゃないんだけどほかにいいところがないから・・・」という日々の購買行動に関する小さな不満についての考え方で参考になったような気がします。特に「必要悪」の部分。
    不況だ、仕事がない、起業なんか無理と何かとネガティブに考えてしまう今日この頃ではありましたが、きっと自分が不満に思っているからにはほかの人も不満なはず、と思うと要を満たすビジネスチャンスにもなるんじゃないかな、と思ってみたり。

  • 普通なら、半歩引いてしまうところを、彼は、無意識的に半歩前に出てしまう性分なそうだ。不法投棄の常識を覆した男です。

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著者プロフィール

日本大学経済学部卒業、1981年千葉県入庁。1996年から産業廃棄物行政を担当、産廃Gメン「グリーンキャップ」の創設に関与。2001年から不法投棄常習地帯といわれた銚子・東総地域の監視チームリーダーとして短期間で同地域の不法投棄ゼロを達成。主な著書に『産廃コネクション』(WAVE出版、2002年日経BizTech図書賞受賞)、『不法投棄はこうしてなくす 実践対策マニュアル』(岩波ブックレット)、『スクラップエコノミー』(日経BP社)、『産廃ビジネスの経営学』(ちくま新書)など。

「2016年 『産廃Gメンが見た食品廃棄の裏側』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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