- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480062727
作品紹介・あらすじ
ギャンブル、天気予報、ビジネスから人間関係まで、この世は不確かな事柄でいっぱいだ。私たちは、偶然に翻弄されながら、可能性の高さを見積もったり比較したりして、自らの行動を決断せねばならない。では、賢く適切な選択をするにはどうすればよいか?そこで強い味方となるのが「確率的思考」である。本書は、数字の苦手なわれらにも腑に落ちる平明な語り口で、確率のテクニックを駆使して考える術を伝授する。ツキの正体、統計数字のからくり、人づきあいやビジネスでの意思決定法など、魅力に富んだ事例満載で愉快に学べる一冊。
感想・レビュー・書評
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数式を使わずに「確率的なものの見方・考え方」を平易な言葉で解説してくれます。
無記憶性、ツキの根拠、右肩下がりの幾何分布では平均以下/以上の割合が1.7対1に近づくこと、ベイズ推定の考え方、不確実性に対する理解と考え方等ネタの数が多いため、一つのことを深く理解するよりも全体的に考え方を底上げしてくれます。
ニュースで貯蓄やボーナスの平均が報道された時のモヤモヤが少し解消されるかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数式の殆ど出てこない、確率の本。
つか日常生活で、本当に、確率的なものの見方ができることの大切さを知る。
良書。 -
はじめに
Ⅰ 世界は不確実性に満ちている
第1章 ツキに法則ってあるの?
第2章 確率法則ってなに?
第3章 確率だって使いよう
Ⅱ データの眺め方ひとつで世界は変わる
第4章 統計も見方ひとつでとっても面白い
第5章 標準偏差で統計の極意をつかむ
第6章 確率の日常感覚はゆがんでいる
Ⅲ 確率と意思決定
第7章 ビジネスに役立つベイズ推定
第8章 人は、観測できない世界を見落とす
第9章 真似することには合理性がある
終章 不確実性下における選択の正しさとは何は
おわりに―確率って、自然や社会や人生そのものなんだ -
確率は数学のものだけだと思っていたが、経済や物理、人間の思考、意思決定、と広い分野で確率によって照明ができていることを知れた。 最終的に確率の考え方を知ったからと行って実行動にどう影響があるのか… 何かを選択する時に期待値を考える? 合理的な選択と正しい選択の、問題がある。 結局のところ…なんだろう? ビジネスをする時にきっと役に立つ。 商品を売る時とかマーケティング、消費者の意思決定の参考になるのではないか? ----------------------------------------------- なにか世の中の現象について別の考え方で見るきっかけを与えてくれる本。
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苦手なイメージの確率が面白くなる。そんな一冊
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確率・統計をビジネスでどう応用するか
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必読書
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株や投資に興味が人は統計や確率を学ぶと良いと何かで読んだので実践している。 この本はまさにその通り。 すごくためになったので小島さんの他の著書も読みたい。
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デキの悪い私には内容が部分的にしか理解できなかったが、終章は非常に面白かった。
ぜひ終章だけでも読んでもらいたいと思う。 -
具体的に確率論の使って導き出せる日頃のことをわかりやすく描かれている。
確率が使えるって思っていない人には役立ちそうだが、
確率を使いたいって思う私には、どうやってその数値を出したのという部分をもう少し知りたかった。
本の訴求点と自分のニーズがあってなかった。 -
目から鱗とまではいかないけど、本書のような切り口で考えれば、なるほど腑に落ちる事象は少なくないと思える。誰しもが、人生の経験値などから演繹的に次の行動を決定する、みたいなことは知らず知らずやってると思うし、ここから自信の行動変容に繋がる、みたいな画期的発見はあまりなかったように思うけど、論考内容としては興味深く拝見いたしました。
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・我々は夕食のレストランを決めるとき、「メニューの豊富なレストラン」に決めることが多い。なぜか。
・未知に対する最も有効な対策は、事態をできるだけ未確定のまま放置しておくこと。勃興する優柔不断への欲望をかなえるのが貨幣である。
・貨幣を保有することは、将来手に入れることのできる「多数の商品メニュー」を手にしているのと同じ。
・人々は消費に対する欲望を満たすために経済行動をする。しかし、自分の未来の消費への欲望がいかなるものであるかは「自分にも不明瞭」なのだ。 -
不確実なものに対する合理的な選択について、考えさせてくれる。働きアリと怠けアリのモデルの話が印象的だった。
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請求記号:SS/417.1/Ko39
選書コメント:
統計学と表裏一体の関係にある確率について、様々な「使う」局面から解説された新書版テキスト。事例満載で解り易い。
(東松山図書課 課長) -
数学畑の経済学者として有名過ぎるほど有名な著者だが、語り口に非人間的な冷たさはなく、むしろ文系的なウェットさが垣間見えるのが特徴。この本については似たような本を既にある程度の量読んでいたのであまり驚きはなかったが、いつも他人に伝えられなくてもどかしい思いをしていた事を見事に言語化してくれていて、頭の整理に役立った。
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答えにくいことを聞き出すアンケート方法になるほど、と膝を打った。
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ベイズ推定、働きアリ・怠けアリゲームはとても面白かったが、計算がよくわからなかった。残念
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難しいことを難しく説明するより、簡単に説明するほうが難しい、という意見を聞くことがあるが、本書はまさに難しいことを簡単に、かつ読みやすく書かれたものだと思う。
タイトルを見て、もう当たり前になった、ちょっとタイトルにインパクトを持たせただけの、難しい本だろうと思いつつも、本書を手に取った。『確率的思考』という言葉には、数字そのものに拒否反応を示す数学オンチの私にとって、月の裏側での話のような響きがあったのは事実であった。しかし冒頭で、この本を読まなかった場合、『この本を読んだ場合の世界には存在できない』というような口説き文句があり、グラッときてしまった。
結果的には、確率的思考が身に付いたとはとても言えない(素養の欠如の問題が大きい)が、とても楽しく、そして一気呵成に読むことができた。
特になるほどと思わされたのは、アリのなかで、一生懸命に努力する奴と怠ける奴が存在する話で、その話自体はこれまでに聞いたことがあったものだったが、これを確立論的に説明をされているトコロであった。一つひとつの話が丁寧に進められているので、とても分かりやすい。
機会があったら、また読みたいと思う。 -
文系人間の私だが、社会人になって感じたことが以下のこと。
僕たちは、数字から逃げられないという事実。
僕たちの社会では、文系人間であろうが、理系人間であろうが、数字というものに対峙する。
会社でも生活でも、様々な数字に出会う。
本書は文系人間にも分りやすいたとえで、確率という世界との出会いの場を提供している。
学校でならった確率は、サイコロの問題やら現実の社会ではガイジにでも行かなければ役にたたなそうだが、本書で解説している確率の世界は違う。
平均年収を例にとった標準偏差の考え方やビジネスで役に立つベイズ理論なのだ。
不確実性の社会において、私たちは選択をしなければならない。その選択の助言になるもののひとつが、確率なのだ。