- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063137
作品紹介・あらすじ
武田、上杉、北条…数々の群雄が割拠し、しのぎを削った戦国時代。飢饉と戦争で疲弊した百姓は、社会的危機には公然と「世直し」を求めた。生き延びるために、ときに大名の戦争に参加し、また、隣村との境界争いなどにも武具を携えて参集した。いっぽう大名は、百姓に礼を尽くした施策を講じて領国の安定を図った。庶民の視点から乱世期の権力構造と社会システムをとらえなおす。
感想・レビュー・書評
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3.7
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村と戦国大名は相互主義的な関係であった。明治以降の官尊民卑の固定観念を払しょくする。
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面白かった。今までは教科書に書いてある、通り一遍的な理解しかしてなかったが、住民との関係で領国経営のあり方を描いた本を初めて読んだ。ただ、資料が北条氏に偏っている(北条氏しかない?)のは残念。
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めっちゃ面白かった。
北条氏の統治システムを中心に書かれており、百姓と領主の関係がよくわかる一冊。 -
2020/3/5
戦国大名の統治について、百姓や農民の視点からそのあり方を述べた一冊。
戦国大名たちからの視点ではなく、百姓、農民からの視点であるというところが画期的、
内容はかなりコアなために難しいものもたくさんあったけど、大筋は2つに分かれていて、1つは、百姓、農民の世界では室町時代あたりからは常に飢饉に晒されることが多くて隣村や近隣の村とのトラブルが絶えない戦争状態が長く続いていたこと。2つ目は、そうした村同士の争いに次第に権力者が介入していうことになっていく。その過程で、北条氏の統治方法に目を向けながら、幕府の権力に従うのではなく、領国を統治する戦国大名に従っていくという構図がどうして出来上がっていったのかを検証していく、というものである。
当時の百姓たちは惣を形成していたというのは学生の頃に勉強する内容ではあるが、それが具体的にどういうことなのかというのがこの本に書いてある。
川の水や山の資源を巡っての諍いはかなりあったようで、権益を得るために仲間集めに必死になったり結構大変だったんだなあと。
また、北条氏の統治方法を見ていくと、そうした村の争いを大名に判断を委ねる仕組みである目安制を作ることで争いをしない方向に持って行くことや、戦国大名の領民から、御国という概念を生み出して、大名のために、国のために、という思いが人々の間に生まれるようになっていったり、現代の戦前のような感じなっていたり…ということにも深く解説がなされている。
新しい視点を持たせてくれる内容である。 -
前半が深刻な飢饉を背景として、戦争や戦争中の略奪が頻発する話。後半は検地、裁判、楽市など大名が領国経営を発展させていく話が北条氏におもに注目して論じられている。
著者は明言してないが、深刻な飢饉・戦争が経営ノウハウを発展させる土壌になったということだろうか。「では、なぜそれができたのか」ということがさらに気になった。 -
戦国の百姓ってなるほど、戦争と背中わせだったのねと。そういう世の中を終わらせたのが信長から家康に至る三傑の偉大さであり、かつ自由をも奪ったのがわかる。
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室町が楽しい!時代の前提がわかると社会現象に説明がつくし、一つ一つ腑に落ちると面白味が深くなる
飢餓⇒食料確保⇒争い(戦国時代といわれる背景)
徳政も出される背景を考えれば納得ですね -
昔の村、領主の関係は任侠の世界だね。興味深かった。