マ-ケティングを学ぶ (ちくま新書 822)

著者 :
  • 筑摩書房
3.67
  • (23)
  • (64)
  • (55)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 652
感想 : 55
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065308

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ある意味では、日本人は 独創性がないが、
    情報を集めて 分析して 整理すると言う能力が高いのだと思える。
    この本は 現在の日本のマーケティングのありかたを
    過剰生産、過剰品質によって 差別化が 困難になり
    『いい製品なのに 売れない』という現象を、
    どのように 切り抜けていくのか?ということを
    マーケティングによって、チカラを だすことができるという
    ことなのだが。

    『自分は、誰のために、何をしたいのか』ということが
    事業の核心にあると思います。
    ドリルの穴なのか?ドリルなのか?

    たしかに 日本の企業とアメリカの企業についての比較が面白いが
    日本の商社や 流通におけるセブンイレブン、ローソンなどを
    すっぽり 抜かしていることが、残念ともいえる。

    コマーシャルイノベーション
    キットカット 『きっと勝つ』

    組織戦略の考え方
    企業経営の健全化のために 沼上幹(著)

    『自分の生きがいを会社の中で追求する』
    『仕事を通じて自己実現をする』
    その前に、会社は利益を上げねばならない。

    開発プロセスにも ボトルネックがある。
    ボトルネックの中心が 基本コンセプトつくリにある。

    メモ 基本コンセプトを企画が考えて、開発も基本コンセプトをつくる。
    それをすりあわせる作業がいる。
    情報収集と分析は あくまでも 商品企画が行なう。
    営業が集めた情報と分析は 営業部が行ない それを 商品企画部にもどして
    評価をして 開発に 渡す作業が 必要。

    意思決定の生産工程
    ①問題の認識
    ②情報の収集
    ③情報の分析
    ④選択肢の生成;どうするのか?
    ⑤選択;決定 → これが ボトルネックになっている。
    ⑥組織内への正当化のプロセス
    ⑦命令 決定の伝達

    マーケティングマネジメント
    センサーを備え付ける。
    情報をしまう棚をつくる。
    羅針盤をつくる(方向性、打つ手を決める)

    情報リテラシー→情報を創造的に活用する能力
    情報の集積、情報の普及、情報の使いこなし(活用)

    調査仮説
    『探すものがはっきりしないのに、探し物を見つけることはできない。』
    調査担当とマーケターは区別される。

    カルビーの沖縄バックオフィスと東京データセンター
    花王の生活コミュニケーションセンター
    ネスレのTogether Nestle
    全社が コミュニケーションセンターを支えるしくみ。

    企業の生活者•顧客との接点を、どうデザインするか?
    1 市場と組織の軸
    2 計画(活動の基本設計図)とマネジメント(目的達成の技法)

    市場にむけた戦略づくり(市場にいる誰のために、何をしたいのか)
    戦略に合わせた組織体制づくり
    市場と組織の接点のマネジメント
    組織の(市場情報を使いこなす)情報リテラシーの確立

    『創造的適応』。
    生き残るためのマーケティング。

    マーケティングは ある意味では マーケティング学者の
    活躍する シーンなのだと思う。
    それだけ、科学になっていない ということかもしれない。
    それを概括的に話をする人が 重要なんですね。
    そういう意味で 貴重な本かもしれない。

  • マーケティングという名前の下で、アイデア発想やフレームワーク論に終始する本が多い中で、「マーケティング・マネジメント」という観点から、ブランド戦略・営業戦略のふたつの柱で、マーケティングのマネジメント方法を事例豊富に語った新書。
    それは結果的に、企業と生活者(顧客)との接点を、どうデザインするか?という観点を、立体的に語っている。
    素晴らしい。

  • ポジショニング、組織論、ブランドマネジメント、情報リテラシーなど、マーケティングに関する幅広いトピックスが網羅されている。構成も非常に体系的で、自分のような門外漢がマーケティングを学ぶには大いに参考になった。
    特に、組織形態のありようで経営判断が大きく変わりうることが具体的な事例(サッポロ・ドラフトワンなど)で示されており、新しい発見となった。ウチの会社の経営陣は伝統的に組織に手を入れるのが大好きでしょっちゅう組織変更があるが、どこまでその影響を認識しているのだろうかと考えさせられる。どう見ても気まぐれとしか思えない組織改編も多く、ある意味恐ろしくなった。

  • ブランド論の基本書

  • [ 内容 ]
    供給が過剰となり、従来的な手法だけでは容易にモノが売れない時代を迎えている。
    グローバルな企業間競争もそれを加速させてやまない。
    だからこそ、企業にとっては生活者や顧客との関係をいかにデザインするかが喫緊の課題となってくる。
    つまり、市場に向けて、どのような戦略を練り、どう組織体制を整えていくか、というマーケティング・マネジメントの見直しだ。
    本書は、先進的な企業の取り組みを考察しながら、これからのマーケティング像を描いた、実践的入門書である。
    企業関係者、必読必携。

    [ 目次 ]
    マーケティング・マネジメントを求めて
    第1部 市場志向の戦略づくり
    第2部 戦略志向の組織体制づくり
    第3部 顧客との接点のマネジメント
    第4部 組織の情報リテラシーを確立する
    コマーシャル・イノベーションに向かって

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • マーケティングに関する書籍は、アカデミックに特化したものか企業の現場に特化したものの両極にしか出会ったことがなかった。
    これは非常にバランスよく、理論と実践が取り上げられている。
    さすが、流通科学大学学長。
    企業はユーザ視点で健全で真摯な取組が必要という当たり前のことを今更ながら再認識した。

  • 大学院の授業「マーケティングⅡ」の指定教科書だったので、たまには(ごめんなさい)マジメに読んでみました。

    STPとかブランドの話とか、基本的なことを体系的に整理しつつ、比較的最近の事例も取り入れて、分かりやすい本です。

    いろいろ書いてあるけど、詰まるところはお客さんをどれだけ具体的に設定できるかが、特に日本のようにモノが溢れるようになった市場では大事ということかな、と思いました。

    ただ、この本含めてマーケティングというと、大抵、消費財中心で話が進んでしまうので、生産財の方に関わりが強い人間としてはちょっと残念ではありました。

  • 第6章の「コーポレートブランドを経営する」と第8章「ポジショニングを通じてブランド・エクイティを確率する」が面白かった。ソニーとパナソニックの戦略の違いも興味深かったが、中でもP&Gの、「ニッチを狙ったファブリーズの市場導入」の部分が、今の仕事にも為になりそうな内容だった。
    確かに消臭剤と言えば、「ファブリーズ」と自然と出てくる。これは考え抜かれたP&Gの戦略、ということがうなずける。
    更にカルビーのポテトチップス、コカ・コーラ、フジッコのおまめさん、明治ブルガリアヨーグルト、アサヒスーパードライ、なども、同様に生活者に確固としたポジションを築いている。
    だけど、ファブリーズはそれに留まらず、「布の臭いをとることで、部屋の臭いをとる」とメッセージを工夫して新たな商品と生活者との関係を築いた。
    「きっと勝つ」にかけた「キットカット」もその例、とのこと。
    そして、技術上のイノベーションと対比させ、そういった試みのことを「コマーシャル・イノベーション」と言うらしい。
    メーカーのマーケッターは日々こういったことを考えているんだろう。どんなところにヒントが隠れているかわからない。けれど、自分が関わった自社製品って思い入れがあるんだろうな。そこが代理店とメーカーとの大きな違いだ。サービスと商品は、目に見えるか見えないかで大きいし。

  • マーケティングをわかりやすく説明し、新書という形で手軽に楽しめる一冊である。
    具体的な例はもちろん、日本におけるマーケティングの特徴も指摘されている点が大きい。コトラーのマーケティングに限らず、石井氏のマーケティングも勉強することで、色々な見方ができるようになると思う。

全55件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

流通科学大学特別教授、神戸大学名誉教授

「2017年 『中内功 理想に燃えた流通革命の先導者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石井淳蔵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×