キャラクターとは何か (ちくま新書 824)

著者 :
  • 筑摩書房
3.13
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本棚登録 : 182
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065315

作品紹介・あらすじ

現代のメディアを乱舞する多数のキャラクターたちは、固有の構造とビジネスモデルを持っている。本書では、二十世紀初頭のキャラクター/キャラクタービジネスの発生から現在までの歴史的経緯、内外の状況比較を通して、個々の作品や作家を重視する「コンテンツ」的文脈からは見えてこなかったキャラクターの本質と可能性を提示する新しいタイプのキャラクター論である。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと古いが経済と文化双方の観点からのキャラクターとは、及び日本と海外(主にアメリカ)における感覚や発展の違い。
    ビジネス書。

  •  創作論と思ってたけど、さにあらず。 
     日本のキャラクタービジネスを取り巻く環境について述べたものでした。
     いまも「海外でも通用する日本のマンガやアニメをキャラクタービジネスとして海外に輸出しよう」という動きを政府が「クールジャパン」名付けて奨励しているとしてけど、いまいちよくわからないが私の印象です。
     でも、なんでよくわからないのか、よくわかった(笑)

    <strong><span style="color:#0000ff"><キャラクターに対する姿勢の違い>
    アメリカ:
    製作者の完全な管理下。囲い込んで製作者にのみ利益をもたらす。
    製作側>>>>>>>>消費側。

    日本:
    人気が出れば勝手に増殖していく。皆で共有して皆で恩恵を享受。
    製作側≒消費側。</span></strong>

     結論から言うと、アメリカのディズニーで顕著にみられる、「キャラクタービジネスを海外に輸出し、著作権をタテに使用料を絞りとろう」というクローズドなモデルがもともと日本の文化に合わないから。
     日本はキャラクターと言うのは、「勝手に広まっていって、結果、勝手に宣伝してくれる」自然発生的、口コミ的なものであって、管理するものではない。このことは、著作権グレーというか、完全無視でぶっちぎっている同人作家「コミケ」が極端に肥大化している事でもわかる。

     で、冒頭に戻って「クールジャパンがなぜわからないか?」というのは政府も何していいかわからんから。
     政府はアメリカの外圧もあって、アメリカ的な、「キャラクターを囲い込んで使用料搾り取ろう」的なモデルを志向しているだろうけど、肝心の制作側はあくまで日本側、キャラクターは勝手に増殖していくという理論で動いている。
     でも、別に政府だけの無能だけをあげつらうわけにもいかん気もする。
     というか「産業」というものが事態が、非常にクローズドなもので「コンテンツビジネス」と言うもの自体がそれにあわない。
     一般的に「産業」というと、簡単にコピーできないものをつくるのがふつーで、使えば使うほど摩耗するものがベースにある。
     食糧なんて、消費すればあっという間になくなる。工業製品も同様。
     しかし、「コンテンツビジネス」は技術の発達もあって、使っても減らないしそれどころか、無限にコピーする事すら可能である。
     もともとのベースで食い違いがある。

     そりゃ、何してるか、わからんハズだわ(笑)

     さらに付け加えるなら、「クールジャパン」を日本独自の文化として位置付けるなら、新自由主義に則って、グローバリズムで展開するアメリカ的姿勢をとるのか、自国文化を保護的に扱うフランス的にするのかの決定も必要。

     魅力的なキャラクターとは?→大衆の欲望を救い上げる存在

  • 300+諸々6冊5000円くらい

  • それぞれ別個に語られがちなキャラクター文化とキャラクター・ビジネス。両者は不可分なものして見た「キャラクター論考」と著者は言っている。
    キャラクターという存在の歴史などがいろいろ説明されているが、この手のカルチャーのバックグラウンド知識が乏しいので、あまり面白く感じなかった。選書ミスorz

  • 「キャラクターとは何か」という問に対して、
    ビジネス・文化両方の面から応えた内容の書籍。

    一定のキャラクター史とも呼べるものの流れで書いているので、
    読みやすくはあるが、新しい視点をくれると言うよりは、
    今まで散らばっていたものをまとめた内容の書籍と言える。

    外来語の”キャラクター”という言葉で理解を曖昧にしている人は、
    読んでも損はない。

    逆に、すでに文化・ビジネス両面から理解している人にとっては不要。

  • 本の名前に惹かれて手にとったが、期待していたような話題はた4分の1程度に留まるものだった。

    しばしば「オタク」と捉えられる市場の話が多かったため、読みとばしたところもある。

    日本のアニメ国策化に外交が絡んでいるという分析のあたりは興味深く読めた。

  • 著作権ってその範疇が難しい。出すぎも出なさすぎも良くないってのは大変。

  • [ 内容 ]
    現代のメディアを乱舞する多数のキャラクターたちは、固有の構造とビジネスモデルを持っている。
    本書では、二十世紀初頭のキャラクター/キャラクタービジネスの発生から現在までの歴史的経緯、内外の状況比較を通して、個々の作品や作家を重視する「コンテンツ」的文脈からは見えてこなかったキャラクターの本質と可能性を提示する新しいタイプのキャラクター論である。

    [ 目次 ]
    第1章 キャラクタービジネスの近代史
    第2章 キャラクタービジネスという問題
    第3章 キャラクターの起源と構造
    第4章 日本型キャラクタービジネス
    付録1 戦後キャラクタークロニクル
    付録2 関連資料ウェブサイト紹介

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 面白い。でも読みにくい。なぜ?

  • 2010 5/10読了。つくば市立中央図書館で借りて読んだ。
    http://d.hatena.ne.jp/sakstyle/20100321/p1 を読んで興味を持って図書館で借りてきたが、予想以上に面白かった。
    「キャラクター」なるものを取り上げた文章の中で今のところ一番しっくりくる・・・と思うのは自分が金儲けやビジネスよりの話の方が好きだからかも知れないが。

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著者プロフィール

小田切博(おだぎり ひろし)
アメリカンコミックス研究家。著書は『誰もが表現できる時代のクリエイターたち』(NTT出版)、『戦争はいかに「マンガ」を変えるか -アメリカンコミックスの変貌』(NTT出版)、『キャラクターとは何か』(ちくま新書)。

「2020年 『マンガ学 マンガによるマンガのためのマンガ理論 完全新訳版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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