- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480071170
作品紹介・あらすじ
古代史研究の最新成果と動向を一般読者にわかりやすく伝えるべく
15人の専門家の知を結集。
列島史の全体像が1冊でつかめる最良の入門書。参考文献ガイドも充実。
感想・レビュー・書評
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「日本古代史はこうだ」というのではなく、
「日本古代史はこのように構成されつつある」
という書です。
歴史とは新発見により変わります。
例えば、崇仏論争により蘇我氏と物部氏が戦ったと言われてきましたが、物部氏の中にも仏教を受容していた人がいた事が明らかになっているようです。
歴史像を具体的に再構成するのは一見地味ながらも、歴史学の醍醐味なのでしょう。
そうした作業に焦点をあてようとしたのが本書です。(2018年)
この古代史講義は他にも【戦乱篇】(2019年)、【宮都篇】(2020年)、【氏族篇】(2021年)とあります。
古代史の最新学説を知りたい方にはお勧めできるかも知れませんが、ハイレベルな前提知識が求められるように感じました。
私のようにあまり詳しくない人が読むと、「ちょっと難し過ぎてあまり楽しめない」という事になってしまうかも知れません。
逆に詳しい人は相当楽しめるのかも知れません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
教科書(中学レベルで構わない)の「次」に読むことで効果を最大限に発揮して、読者を歴史"学"に誘う最適な入門編。
こういう考古学的な発見が、あるいはこういう文献解釈があって、こういう議論がされて、で今はこう考えるのが主流的だ、という学説が固まるまでの流れも含め、読み物として面白く、そのくせ非常に読みやすい。
また、各章末で紹介されている参考文献(ブックリスト)が比較的新しい本・今でも手に入りやすい本で固められているのも、良い。 -
サブタイトル「邪馬台国から平安時代まで」のとおり、最新の知見に基づき15の講義形式で読むことができた。日本の統治が、大王から天皇へと移行し、制度が成熟していく部分は人物相関がやはり複雑だった。平城京が、唐の長安城の1/2モデルで、都建設に対する唐の許認可があったという説は興味深い。各講の末尾には参考文献として文庫・新書から学術専門書まで紹介されているのも良い。通史的な本書を受けて、興味をそそられた時代の書籍を読んでいきたい。
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高校生時代以来の古代史。ずいぶんと変化があることに、ある意味、感動する。
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「一万円札は聖徳太子」の世代が学んだ古代史の知識は現在ではもはや通用しない。IT業界と同じくらいのスピードで、最近の古代史は調査・研究が進み、見直されている。本書は15人の歴史学者たちがそれぞれの得意分野において最先端の古代史を説く。
聖徳太子は凡人だったことと蘇我一族の国家への貢献度アップはもはや常識だ。そして、日本書紀で大化の改新の記述が実は大幅に書き換えられていたこと、藤原道長の全盛期は摂政・関白就任時ではなく「内覧」という地位であったことなどなど。変わりゆく古代史の「イマ」を知ることは楽しい。 -
h10-図書館2018.3.1 期限3/15 読了3/9 返却3/10h10-図書館2020-12-8 期限12/22 読了 返却12/13
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ちくま新書の歴史講義シリーズです。教科書的な説明だけではなく、各著者の研究成果をわかりやすく紹介しており、知的好奇心を満たす本だと感じました。テーマの選定も良いと思いました。
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/569232 -
歴史のあらゆる出来事について、広く専門的に解説している ちくま新書歴史講義シリーズの古代編。本書では、古代(邪馬台国から平安時代)までの出来事をわかりやすく紹介しています。
ただし、ある程度歴史の知識がないと読みにくく、高校の日本史は抑えていることが前提で、その内容をより深く掘り下げるような内容となります。
また、このシリーズ全般で、各章をより深く学ぶための参考文献が紹介されているため、興味のある内容についてはこちらの参考文献も併せて読むことで知識の掘り下げができます。
【こんな人におすすめ】
古代史について中級者程度の本を探している -
自分の知識が不足していて十分に咀嚼できていないところが大だが、歴史学の思考過程も含めて伝えたいという編者の思いもあり、その部分のわくわくは伝わった。古代史の世界は文献だけでなく考古学的な知見も活かしての研究が今後も進められていく、その中で今後も発見があるのだろうと思わせてくれる。