明治史講義 【人物篇】 (ちくま新書)

制作 : 筒井清忠 
  • 筑摩書房
3.20
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本棚登録 : 159
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480071408

作品紹介・あらすじ

西郷・大久保から乃木希典まで明治史のキーパーソン22人を、
気鋭の専門研究者が最新の知見をもとに徹底分析。
確かな実証に基づく、信頼できる人物評伝集の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 明治時代の偉人の功績を史実に則して紹介している。エンタメ色が全くないため私にはかなり読みにくかった。

  • 久しぶりに読んだ

  • 明治の歴史を人物に焦点を当てて整理して書かれている本。当時の有名人21人について書かれている。

    正直一人で一冊書けるようなのを無理やり一冊にまとめて、しかも書いてる人が人物ごとで違う人なのでバラバラ感と物足りなさは否めない。
    同じ出来事でも違う人物の視点では違って見えるのは面白いモノだっただけに、もう少し全体としてまとまりが欲しかったなーと。

  • 明治史を人物別に追っていくもの。
    一人約15頁なので、当然、情報量としては十分ではなく、この本だけで理解しようとすると無理がある。(初心者にはお奨めできない)
    ただ、面白いのは、最近の研究に基づき情報を整理しているので、新たな発見も期待できること。そして参照した文献が挙げられていること。(興味があれば、それらの文献で深堀り可能)
    人物篇と共にテーマ篇と併せて読む方と更に頭の整理になる。

    ・幕末における井上の学問的実践は、政治の動態に即応しようとする点で柔軟であり、政治の判断にあくまで朱子学的正当性を追求する点で剛直であった。
    西洋情報に触発されて自在に議論を展開する横井に対して、井上は様々な角度から疑問を差し挟んだが、疑問群の根底に流れていたのは西洋諸国の政治方法・法制度を日本に取り込むことによって生じ得る混乱への強い危惧であった。(井上毅)

    ・この点で佐賀という立地は幸運であった。佐賀藩は福岡藩と交替で長崎の警備にあたっており、海外の情報は入りやすかったのである。
    ・明治2年8月、官制改革によって大蔵省が発足すると、現在の次官にあたる大蔵大輔となった。
    ・・・その政治的な庇護者は、長州の実力者、木戸孝允であった。長州若手の伊藤博文、井上馨らは大隈の部下でもあり、友人でもあった。(大隈重信)

    ・台湾出兵で西郷従道が暴走したことをきっかけに大久保に用いられるようになり、木戸の参議辞任を受けた補充でついに参議となった。(山縣有朋)

    ・洋行体験を通じて、民権派を再評価し、それまで培ってきた儒教的素養や政治経験に引きつけて、西洋の慣習や立憲政治を深くかつ具体的に理解したのであった。
    スイスを「開化世界の桃源」と述べ、日本とは異なる共和政治をとる国であっても、「自主自由の実」ある国として高い評価を与える。一方、ドイツ連邦のバイエルン王国に対して、専制的政府による圧政が王政への反逆をもたらす要因となることを確信した。(谷干城)

    ・しばしば誤解されるが、三菱は当初から政府の保護を受けていたわけではない。三菱の創業当時、政府から種々の優遇措置を受けていたのは、1872年に三井組など江戸時代以来の豪商によって設立された帝国郵便蒸気船会社であり、弥太郎は政府からの保護の枠外で、独力で三菱を成長させたのである。(岩崎弥太郎)

  •  例えば、谷干城とか、今まで知らなかった面を、ずいぶんと知る。
     一般的なイメージというのは、あまり役に立たない。

  • 割と若手の学者が書いているように見える。桂太郎なんていうのも取り上げているのだ。

  • 明治維新は「維新の三傑」だけで成し遂げられはしなかった事を、改めて認識した。谷干城は人物。

  • 明治期に活躍した人物というと、どうしても小説から得た情報が中心になっている。司馬遼太郎先生の作品の影響は大きい。司馬先生の力量のせいで小説なのに史実と思いがちだ。特に人物の印象は間違いなくそうだ。
    実はけっこう違う。小説ではデフォルメされていたり一定の役割を与えられているけど、実際にはそう極端に突っ走ったりしないわけだ。あらためて歴史ってのは誰かの思惑通りに進んだりはしないってことが分かるよね。

  • 明治期の著名人22人のコンパクトな評伝を集めたアンソロジー。最近の研究に依拠して通説的イメージを打破することが目指されている。それぞれの人物を新書15~20ページにまとめていて、気軽に読める。人選は本書「はじめに」でも述べられているが政治中心で、社会・文化に関する人物は少ない。ただ嘉納治五郎や福田英子が含まれており、一定の配慮はみられる。

    ただ、なんというか、昭和史論争じゃないけど、やはり天下国家の人物を扱うと、「人間が見当たらない」という印象は持ってしまう。まあ「人物篇」と銘打ってしまえばそういう内容になるのはしょうがないので、そんなのは難癖なのかもしれない。ただそんな中でも福田英子の項は、彼女の女性としての煩悶や苦悩に筆致が及んでいて、異彩を放っているように思えた。

  • 東2法経図・6F開架 B1/7/1319/K

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